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ドラマ「君と世界が終わる日にseason1」【5話までの感想】ホラー<ヒューマンドラマ

ドラゴンクエスト10、第3期初心者大使で初めて知って以来、役者としても、特に最近では配信で応援している、坂口和也(かずなり)さん。そんな彼がseason3で出演しているということだが、まずはseason1からだな、と見始めたドラマ「君と世界が終わる日に」(現在Hulu独占放送中)。

(今回見逃すといつ見れるか分からない)歴代の「金田一少年の事件簿」の一挙放送を見たかったのと同時に、普段は見ないホラージャンルのドラマということもあってなかなか見れなかったドラマ。今回、やっとで見始めることができた。前面に出がちのホラー要素だけでなく、人間ドラマとしても楽しめるそうだということを事前にそれとなく聞いてはいたが、実際はどうだろうか‥。

のっけからつらい。主人公・響(竹内涼真)が彼女である来美(中条あやみ)にプロポーズしようとしていた矢先に、ひとり何処かのトンネルに閉じ込められ、やっとで出たら町はゾンビのような人ならざる存在(のちに”ゴーレム”と称している)だらけ。やがて何人かの生存者に合流できるが、ひとり、またひとりと脱落していってしまうのがまたつらい。

噛まれてゴーレム化してしまう者が当然多いが、一方で人の手によって理不尽に殺されてしまう者もいる。ほとんど和製「バイオハザード」の世界。(実際にゲームプレイはしたことはない。)仲間はバイオよりは多いとはいえ、ほとんど戦いには向かない人ばかり。自分だけでなく、仲間たちを守りながら救助を求めて、求めて拠点を転々としていく、というのが主なストーリーになっている。

5話までの時点で、響と来美は無線でわずかばかりでも話せたり、あるいは気付かないだけで何度かすれ違っている。あんな世界の中でお互いが生存しているだけでも奇跡に近いが、更に何度もニアミスを起こしていて非常に奇跡的ではある。だが、実際に出会っているわけでもなく、本当の奇跡とも言えず、なんとももどかしい。

彼らの話だけではない。仲間うちでもいろんなことが起きている。中でも、かつては友人で、かつ、今はおそらく一方的な恋敵だった等々力(笠松将)との関係は本当に厄介だ。響の方はともかく、等々力が響へ向ける敵意というか嫌悪感というかすべてが詰まったようなモノはただごとじゃない。それなのにほとんどこれまで明かされないので、もどかしいにもほどがあるぐらいだ。

4話で彼らが決裂し、響たちのグループを等々力が抜けたあとに取った彼の行動が特に最悪だ。かつては仲のいい友人のような回想があったが、なぜにここまでこじらせてしまったのだろう。”もともと等々力の恋人だった来美を響に寝取られた”とかまでいかないと到底理解できないが、響が果たしてそんなことするだろうか。(したとしたらドラマを見るのを即刻やめるレベル。そんな主人公はいやだ‥)それに言っちゃ悪いが、どう見ても等々力の一方的な片思いにしか見えない。

そして「ゴーレムより人間の方がこわい」と4話で誰かが言ったように、そう思わせる描写がいくつも見られて、ゴーレムうんぬんよりもそちらの方が「ホラー」と言ってもいいかもしれない。一方でさんざん悩みぬいた上での響が取る言動の数々はとてもあたたかく、時に厳しく、たくましく、そして強い。仲間である柊木(飯豊まりえ)が惚れそうになっているのも無理はない。結局は仲間になれなかったが、美亜(芳根京子)への接し方は響の性格をよく表していた。紹子(安藤玉恵)母娘に対しても、ユン・ミンジュン(キム・ジェヒョン)に対しても、誰に対しても響の言動はまさにリーダーのそれだった。

一方、彼の恋人である来美。ごめんなさい、今はまだ好きには全然なれそうにない。まるで彼女に嫉妬してるかのようだが、決してそういうわけでは恐らくない(笑)。だが、どの場面を取ってみても彼女はどこかあぶなっかしいのだ。イライラしてしまう場面も多かった。こんな感情にさせてくるヒロインは2代目「金田一」の美雪以上だ。マッドサイエンティストであろう首藤(滝藤賢一)が「クズだ」と来美を罵っている場面があるが、そこまでは思わないにせよ、あながち間違いではないよなと思ってしまうほどだ。6話以降に応援したくなるようなヒロインに化けることを期待したい(もしくは彼女の成長物語であるなら大いに納得はできる)。

こうしてseason1を5話まで見てきたが、一向に響たちに明るい未来が待っているように見えない。光の見えないトンネルのようだ。ゆえに、見ていくのもとてもしんどい。だが、続きが気になってすぐにでも見てみたくなる、そんなドラマでもある。しんどいのはホラー要素だけではない。人間関係が、極限状態であることも手伝って、とてもヘビーでドロドロなのだ。どの登場人物も隠しているようでも本性が非常に見えやすくなっている。感想を書いているだけのじぶん自身さえも若干そうさせられている気さえする。

season3までの道のりはまだ遠いが、文字通り「頑張って」見ていきたいと思う。そして、本当に続きを見ていく気力がなくなったら見るのも、感想を書くことももしかしたら辞めるかもしれないとも言っておいて、今回はここまでにする。とりあえず、6話だ…!

追伸:
来美のことをさんざん言ったものの、響のような人が特に珍しいのかもしれないとも思う。実際にはほとんどが来美をはじめ、その他多くの登場人物たちのような「普通」の人だろうとも言える。ただ、そんな響と出会えた来美もまた奇跡的な存在とも言えるので、そういう意味でも彼女に期待していきたい。


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