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Back to the late 90’s 【番外編】 第3話 1998年②

前回の【番外編】第2話で1998年当時の関西出身のR&B歌手について取り上げたが、今回は1998年の出来事で個人的に印象深い事について書こうと思う。


1998年の3月27日から29日にかけて今は無きCISCO RECORDS全店で開催された『R&Bフェア』。もちろん私が頻繁に通っていたCISCO RECORDS大阪店でも開催され、たくさんのレアなR&Bレコードが放出されていた。

CISCO RECORDS大阪店。元々は長堀通近くにあったPARCOの7Fにあったが、その後アメリカ村に移転した。筆者も高校時代から閉店するまで、頻繁に通い続けた忘れられないレコード店だった。


その会場で『Back to the late 90’s』第11話で登場したHIPHOPグループLAST EMPEROR。そのメンバーだったアッキー君に遭遇し、【番外編】第2話で登場するZAN『Want To Be With You』収録のレコードを1600円で購入していた事を思い出す。1600円では到底買えないレア盤で、私なんかはBOON COON RECORDSで3倍の4800円出して購入した1枚だった。今は無きBOON COON RECORDSは、品揃えも良かったが価格はとても高くて、他店で探して見つからない場合は、最後の砦として買いに行っていたレコード店だ。

BOON COON RECORDS。レアな中古盤の品揃えは、当時のアメリカ村界隈では、一番豊富だったが、とにかく価格が高かったので、他店で探して見つからない場合、ここで購入していた。店主の宮本さん、スタッフの工藤さんには、色々とお世話になった。


話を『R&Bフェア』に戻すと、その時ノベルティーとして3000円以上レコードを購入した人全員にDJ KIYOさんが作ったR&Bミックス・テープが配布されたのだ。私はこのKIYOさんのR&Bミックス・テープを擦り切れてしまうぐらいに聴き込んだ。本当に最高のミックス・テープだ。

DJ KIYO R&B MIX。ここに収録されていた楽曲は、どれも良くて、のちに全ての楽曲のアナログ・レコードを手に入れた。
KIYOさんのR&B MIX冒頭では、当時の日本人アーティスト達が、BOYZ Ⅱ MEN『End Of The Road』をアカペラでカバーする企画が盛り込まれた。1998年4月号の『FRONT』誌より。


『Back to the late 90’s』第9話で書いた通り、東京のHIPHOPイベントではHIPHOPだけではなくR&Bもよく選曲されていて、それがとても心地良かった。私のDJを聴いてくれた事がある方ならばイメージして貰えるかも知れないが、私のベースはR&Bだ。


このスタイルはDJ活動を始めた当初から一貫していた。その礎となったのはDJ KIYOさんのR&Bミックスだ。このノベルティーとして貰ったミックス・テープを皮切りに、それ以前にKIYOさんが『R&B Joint』と題してカセット・テープ2本組でリリースしたミックス・テープも先輩DJから借りてダビングさせてもらい、聴き込んだ。


「影響受けたDJは誰?」なんて、今でも時々質問されるが、大体の場合はMUROさんやHASEBEさんの名前を答えている。勿論それも間違いない事実なのだが、本当のところ一番影響受けたのはKIYOさんのR&Bミックスだ。今聴いてもシビレてしまうぐらいカッコいいKIYOさんR&Bミックス・テープ。私のバイブルと言っても過言ではないだろう。

つづく……

DJ KIYOさん。1997年にバッドニュースから発行された『HIPHOP BEST 100 改訂版』に掲載されているKIYOさんのプロフィール。『R&B Joint』についても書かれている。

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