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No.98/オススメの1冊:共感と商い(2024.04.07)
こんにちは、くのてつです。
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自分の読書備忘録も兼ねて、僭越ながら毎週日曜日はオススメの1冊を紹介させていただいています。
今回の1冊はこちら。
共感と商い/八木隆裕(祥伝社)
![](https://assets.st-note.com/img/1712473771470-FQ5r2JXLv4.png?width=800)
「開化堂」という茶筒工房の6代目、八木隆裕さんが書かれた本です。
茶筒というと、実家にあったな・・・という記憶はあるのですが、お茶を飲みない限り使うことはないという印象ですね。
150年前に創業してから今なお販売を続け、世界にまで進出した事業の本質に迫る、そんな内容だったように感じます。
綺麗事のように聞こえますが、「ビジネス=お金儲けの手段」だと考えてしまう方は本質に立ち返れる1冊だと思います。
大切な考えや視点について、いくつかまとめてみます。
小さく、急がず、人間らしく
儲けることや大きくなることを一番にするのではなく、むしろ変わらないことを尊び、家族のような誰かのことを一番に思ってモノづくりをし、その同じような作業を極めていくことに価値を見出す。 お金を介した交流は、その結果として生まれていく。
綺麗事だと言われる方もいらっしゃると思いますが、自分はこれこそ商売の本質なのだと感じました。
もちろんお金は大事です。
売り上げがなければ事業も成り立たない訳ですし、少しでもお金を稼ぎたいと思う気持ちはその通りだと思います。
ただ、目先の利益に飛びついて、それが長く続きかつ大きくなっている例を見ることは少ないように感じます。
自分の周りにいる経営者の皆さん、本書に記されているように「誰かのために」という精神の下で事業をやれているし、成功されています。
やはり損得勘定や利己的な思考に陥ってしまうと上手く回らなくなってしまうのだな・・・と理解できますね。
「物柄よきもの」を目指す
「古めかしきやうにて、いたくことごとしからず、費えもなくて、物柄のよきがよきなり」
この言葉は、兼好法師が著した『徒然草』に登場するもので、「古くからの伝統が備わっていて、華美ではなく、そんなに高価なものでなくてもいいから、ちゃんと物柄のあるものを選びなさい」といった意味です。
品質に関すること、これは日本の強みであるように思います。
この質にこだわる姿勢は古き良き日本の文化、精神性であり、昨今失われつつあるような気がします。
と、いうのも高品質であれば黙っていても売れる・・・なんて職人気質では認知されず、気づかれない時代にんなっています。
そのため、まずは認知という戦略で質が伴っていないものが乱立しています。
どちらがいい、ということではなく、どちらも大事な訳ですが、「物柄」の精神を土台に据えておくことが重要だと考えさせてもらえますね。
「与えることによって人生をつくる」精神
開化堂の場合は、自分発のベクトルから始まるのではなく、「誰かのつくってほしい」という要望ありきでスタートする。 それが「自分のつくりたい」と合わさることで、モノが生まれていきます。
自分はベクトルが外に向いていることはビジネスの基本だと教わりました。
まさに、その言葉が書かれていて、自分に言われているように感じましたね(笑)。
企業で商品やサービスの開発に携わっていると、プロダクトアウトになるケースが少なくありません。
お客さんの方向を見ているようで、自分たちが売りたいものを考えてしまっている。
ここで書かれているように、まずは「誰かが作って欲しい」という不の解消にこそビジネスの本質があるように思います。
誰かの不を解消する、誰かを幸せにする、そんなビジネスでなければいけませんね。
自分で動き出そうとすると、つい自分の強みを生かす方法に目を向けてしまいます。
でもそれはプロダクトアウトに過ぎません。
「誰かが求めているもの」に自分の強みが貢献できるようなマッチング
これが今の自分がすべきことだと認識できた、そんな一冊でした。
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