No.175/オススメの一冊:2035年の人間の条件
2024.06.16
こんにちは、くのてつです。
自分の読書備忘録も兼ねて、僭越ながら毎週日曜日はオススメの1冊を紹介させていただいています。
今回の1冊はこちら。
賢い人の考えている世界観はすごいな・・・と純粋にそう思います。
そんな発想にどうすれば行き着くの?
そんな思考って必要なの?
正直、そんな風に思わなくもないですが、やはり避けては通れない未来への変化の話でしたので、面白く読ませてもらいました。
自身で気になった内容を3つ、思考の整理をしたいと思います。
「何が必要か」ではなく「何がしたいか」
生成AIが市民権を得た時代ですから、よくAIと人の比較が語られます。
これまで人が「やらなければならなかった」ことが不要になります。
それも人がやっていたそれよりもはるかに早くです。
そうなるという事実に向き合った時、果たして自分はどう捉えて腹落ちさせるのだろう、と思いました。
ここで暦本氏が述べられているように「特に何も必要とされないだろう」という文脈は、誰もがイメージしていてもいいのではないでしょうか。
自分が「これをやりたい」からという基準でよくて、何かに媚びる必要はないということ。
まさに個の時代に合った思考なように感じます。
人はなぜ自分が「必要」とされたいのか
自分の中でパッと浮かんだのはマズローの欲求5段階説です。
この5段階を考えると、第3の欲求以上は「必要とせれるか否か」という点が問われているように思います。
この問われ方、問い方に変化が出てくるのだろうと感じます。
例えば自己実現の欲求は最上位であり、9割超がサラリーマンの日本人にとっては一番難しい領域では?という気がします。
それが、AIの出現によって何かと比較することから解放されると、もしかすればこの段階も逆転するかも知れない。
そんなことを考えてみてもいいですよね。
価値観がガラッと変わってもOK、そんな風に許容できる体勢が必要ですね。
「人間とは何か?」とは考えなくていい
個人的にはこれには反対というか、人間として思考できる以上は問いたいな・・・というのが本音です。
やはり社会の一部としての承認欲求があるからなのか、とも言えると思いますが、ただ「必要とされる人間でいたい」は悪くないと思うんですよね。
誰かに「評価」してもらいたい、という点での「必要」であれば正直不要だと思います。
一方で「誰かのために」という点での「必要」は人として向上心に直結していると思います。
人は一人では生きられないからこそ、誰かの役にたつことをはじめ「信」が必要であり、その継続が人を幸せにすると。
AIがどうとか、という話ではなく人の普遍的かつ原理的な在り方の話のような気がしますね。
まだまだ考え得ることがたくさんあって、お二人の対談の端々を取って対話のテーマにしてみても面白いように感じます。
明日、高校生との対話の中で使ってみる予定です。
答えは一つではないし、正解も不正解もありません。
そんな思考のきっかけをくれる本書に感謝です。
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