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青蛙を自然に返す日。

1週間前に、子供たちと蛙を捕ってきた。
計3匹。

本当はキャッチアンドリリース方式で捕まえて少し戯れたらそのままその場に戻してあげようと思ったのだが、情が湧いた子供に根負けして、家で飼うことになった。

100均で虫かごを買い、餌はアマゾンで調達。もちろん南アメリカの方ではない。アマゾン直送には変わりないが(笑)

それはいいとして、めでたく同居人になった蛙を子どもたちが愛でていたのはほんの数時間だ。
女心や秋の空よりも、はるか上に君臨するのは子供心じゃないかと思っている。
まあ、なんとなく予測はしていた。

数日たったところで、「このままこの家で死んじゃうのは可愛そうだから、自然に返そうね」と子供には「命」の大切さを説うて、何回かのターンの後、子供も納得した。

そして、昨日。
近所にある公園の沼地で惜別の瞬間を迎える。
可愛がらなかった割には名残惜しそうに蛙を手の上に乗せ、ジャンプした蛙をまた捕まえて手に乗せて。

ついにお別れのとき。
子どもたちが「バイバーイ」と言いながら、解き放った蛙は勢いよく水辺に向かってジャンプした。

私が目を離したその瞬間、
「ギャァ゛ッ」
鈍い声が聞こえ、すかさず子どもの視線の先を見ると
「!」
頭からザリガニに喰われている!!
私には、青蛙のか細い足部分しか見えなかった。

命がかわいそうだからという理由で説得して自然に返したはずなのに、瞬く間に自然に還ってしまった蛙。

唖然とする子供。
それ以上に唖然としたのは親の私達だ。

小林一茶があの場にいたら何と詠んでいただろう。
五七五の中に「食物連鎖」が入っていたかもしれない。



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