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【今日コレ受け】元外交官がネイリストに「英語をマスターする方法」を聞かれた

ネイル施術を受けてる最中に「クリスマスまでに英語をマスターしたいけどどうすれば良いですか。」聞かれた。商業高校でも英語が苦手だったそうだ。

「そうねえ、海外ドラマ観る?」と聞くと笑顔で「観ないです!韓国ドラマは観ます。」と返事が返ってきた。韓国ドラマ観ていても韓国語は頭に残らなかったそうだ。すでに観た英語の動画に英語の字幕で繰り返し観るのは一つの手だ。

語学学習に近道はない。文法や基礎の骨格作りが必要だし、語彙が血となり肉となり、読んで、書いて、話して、語学を作る筋肉をつけていかなくてはならない。スポーツでフォームを覚えたり、球打ちしたり、練習を繰り返すのと同じだ。ネイルだって資格取得のために覚えることだって、技術向上もあるだろう。やっぱり良いスクールや家庭教師を探して、体系的に学ぶことが面倒でも早い。

好きこそものの上手なれ

英語を学習するならば好きな内容の教材を使うと良い。外務省の後輩に英語指導をしていた時は、彼の大好きなバスケットボールの記事を使いながら私の部下のアメリカ人に個人レッスンを受けさせた。1年間の研修成果をはかる語学考査では、彼の英語の基礎力が格段に上がっていた。
その次の研修生は、適当な家庭教師を自分で見繕ってきて、自分の好きなように1年間語学研修をやった。私が研修内容に口を挟む余地はなかった。1年後の語学考査の結果は残念ながら散々なものだった。初心者が基礎がない状態で、のんべんだらりと語学学習を続けていてもなかなか向上しない。
結果を出したのであれば、レッスンの最中に頭をフル回転させるくらいでないと難しい。運動でも息がきれる程度に心拍数を上げて毎日30分で効果が出ると言うのと同じだ。

目標設定をしっかりと

まずは目標設定を近距離に定めよう。英語をマスターする、というのは泳げないのに太平洋横断を決意するようなものだから。まずは息継ぎなしで5メートル、息継ぎを覚えて25メートル、そういう設定をしたらどうかと提案した。

ちょっとずつゴールをクリアしないと、語学学習は息切れして挫折してしまう。とりあえず、挨拶と自己紹介をこなしてクリスマスディナーを英語で乗り切る、それは一つのゴールだ。

私のフランス語学習のゴールは、意味が分からなくても恥をかかずに文章を音読ができること。その気になれば素朴なレストランに入店して、退店するまでフランス語で意思疎通できるようになること。

海外に行っても自然には覚えない

「海外に行っちゃった方が早いですかね?覚えますよね。」と聞かれた。「なかなかねえ」と口ごもる私。とりあえずアメリカに行って、現地で英語学校に通っている20代前半の若者をみている。日本である程度の基礎力をつけないと、なかなかそれだけでは覚えない。

パキスタンに勤務した1年間、現地の同僚が英語が混じったウルドゥー語を話すのを聞き続けていた。その内、繰り返される単語やフレーズから言葉を覚えるだろう、と。そうは問屋がおろさなかった。0のものは1にはならない。
家庭教師に週に一度つくようになって、同僚が言う事がぼんやりと分かるようになった。ローマ字でフレーズを書いてもらって、英語でのスピーチに入れらるようになった。
近所のスラム街の青空学校の子どもたちと遊ぶようになって、お別れに用意したウルドゥー語のスピーチを読み上げた。もう一度!と言われて、スピーチを4回繰り返して、途中から発音やイントネーションを直された。気がつけば子どもたちが語る思い出が、ウルドゥー語で理解できていた。

語学学習も筋トレ

残念ながら近道はないのはネイル修行と同じだ。筋トレ同様に、日々の努力と勉強をどう楽しんでやるか。楽しくないと長続きしないのであの手この手で学び続ける方法を考える。継続は力なり。ちょっとずつゴールを設定して、達成して、自己効力感を上げて、ある日気がついてみれば、相手が言っていることが分かる、そんなものだ。

「ハリー・ポッターでも観てみます!」と筋トレに納得したネイリストが言った。

コーチの存在

パーソナルトレーナーのように、励ましてくれるコーチや家庭教師の存在も語学向上には必要だ。私はたまに思い出したようにフランス映画を観る。本当は日常で数字をフランス語で言ってみると良い。週に一度のレッスンに出向いていなければ、絶対にフランス語に関して何もしない。なかなか一人では何事も続けられない。
次回ネイルに行ったときに、進捗状況を聞いてみよう。できてなくてもよい。映画を一本観ているだけでも良い。私の予約が入るだけで、あ、英語で映画観よう、と思ってくれればなお良い。

そんな理由から私も「今日コレ受け」に参加する。


7時に更新、24時間で消えてしまうショートエッセイ「CORECOLOR編集長 さとゆみの今日もコレカラ」。これを読んで、「朝ドラ受け」のようにそれぞれが自由に書くマガジン【今日コレ受け】に参加しています。

「変えたというか、筋トレが効いてきたのかもしれません」と返事がきて、昨年の10月からちゃんめいがやってきたという文章訓練の話を教えてくれた。

それが、「そこまでやるか?」という武士道的内容だったので、やっぱり「できるようになったきっかけ」は、ある日何かをドーピングしたみたいな「点」ではなく、継続の集合体なのだなと思った。


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