Jikka ハンドメイド部の紹介 〜受ける側から表現・発信する側へ
Jikkaハンドメイド部は、2020年の7月から実質スタートしました。
Jikkaには、DVや幼い頃より近親者からの虐待を受け生きてこられた方、そして現在生活困窮となっている方など、さまざまな女性が来られます。
おそらく、そうした女性たちをイメージするとき、一方的に受ける側の弱者であり、社会に対して自ら何もできない存在だと思われることが少なくないのではないでしょうか。
しかし、ここに来られる女性たちは、それぞれに個性的で、レース編みが好きな方、絵を描くのが好きな方、アクセサリー作りが好きな方など、さまざまな才能や個性をお持ちです。過去はどうであろうと、同じ人間として人権が尊重され、社会の中で堂々と生きていけることを願われていると感じます。
このハンドメイド部は、これまでDVや虐待を受けてこられた方々のご自分の作品を、社会の皆さんにも見てもらいたい、使ってもらいたいというその夢を、ひとりではできない、不得意な部分を支援者たちで補って、実現していこうとスタートしました。
女性たちが自分自身を肯定的に捉える機会に
社会からの援助を受けるだけの存在であった女性たちが、自分の作品を、そして作品を通して自分のメッセージを社会へ向けて発信するという、これまでとは逆方向の動きを、このハンドメイド部の活動を通して、少しずつでも体験してもらいたい。その体験の積み重ねにより、そうした女性たちが自分自身をより肯定的に、前向きに捉える機会になればと願っています。
これまで丸2年が経過して思うことは、いろいろな難しさがあっても、このような活動の場を継続していくことの大切さです。これまで虐待などの困難な状況にあった方々は、他者との関係で傷つきやすく、人間関係を継続するのが容易でない傾向にあります。また、生きていく上で、経済的な自立も図っていかなければならず、趣味や楽しみでのものづくりを常に最優先にというわけにはいきません。したがって、中学や高校の部活動のように、いつも多くの人が活動日には集まり、楽しく活動を継続していくのは難しいと感じました。
それでも継続していくことで、関わる人が変わっても、また状況が変わったときに戻って来られるように、いつでもドアを開けて、細くとも長く続けていこうと思います。
この活動で作った作品は、ハンドメイドマーケットプレイス「minne(ミンネ)」で販売しています。Jikka利用者の方々の作品、また、この活動の趣旨に賛同してくださった支援者の方々の作品も合わせて販売しています。
さらに、年に一度、11月第4土曜日に「手作り市」と称し、対面での作品販売も行っています。
私たちの活動の趣旨をご理解いただき、気に入った作品があれば、お買い上げいただくと、とてもありがたいです。(スタッフm.s)
※トップ画像は、利用者さんが製作しました。