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システム開発会社とITコンサルとも少し違うGNUSとは何なのか

おかげさまで、GNUSは設立から丸5年を経て、今年で6期目を迎えています。ちょうど5年前に電通グループ(当時は電通)からの出資を受けて、デジタルプロダクトの企画・開発を行う企業としてスタートしました。

私たちが提供しているサービスは、日本の大企業がデジタルプロダクトを活用して事業成長するための支援です。「デジタルプロダクトを活用して事業成長するための支援」という中には、大きく「企画戦略」「開発運用」「内製組織開発」というフェーズがあり、GNUSは全部をやっています。ざっくりいうと、DXの受託というジャンルに分類されます。

ここまで書くと、「それって、システム開発会社とどう違うんですか?」「ITコンサルとどう違うんですか?」という質問をいただくことがほとんどです。

そこで今日は、これだけたくさんのシステム開発会社があり、たくさんのITコンサルがある日本で、GNUSの提供する価値は何なのか、GNUSは何を目指している会社なのかをお話ししていきたいと思います。


守りから始まっている日本のDX

日本において「DX」というワードがバズワードになってからしばらく経ちますが、日本における「DX」の多くが業務の効率化やコスト削減を目指す「守りのDX」であり、顧客体験の改善、新規サービスの創出など新たな収益や顧客獲得を可能にする「攻めのDX」では、米国企業などに比べて大きな遅れをとっているのが現状です。そしてこの遅れは日本企業の国際競争力の低下につながっていると言うのが私たちの認識です。

独立行政法人情報処理推進機構「DX白書2023」より
DXにおいて成果が出ている割合
(「すでに十分な成果が出ている」「すでにある程度の成果が出ている」の合計)

私は、日米両国でDXコンサルタントとしてプロジェクトに参加することを通じて、この問題を解決するためのヒントを得ることができました。
日本において守りのDXが進むが、攻めのDXが進みにくい原因として、「事業部門にデジタルリテラシーが不足」しているということが挙げられます。しかし、これは事業部の社員の問題というよりは、これまでの日本の大企業が置かれてきた環境に起因するところが大きいと考えています。

具体的にいうと、日本の大企業におけるITシステムが事業部ではなくIT部門主導で進められており、事業部とIT部門の間に壁があり、その組織間の人材流動性も高くないどころか、多くの日本の大企業ではIT部門の機能をシステム子会社として切り出して子会社化してきた背景があるため、事業部の人材にデジタルリテラシーが浸透しない環境が続いていたと考えています。

誤解のないように補足しますと、ここで言っているデジタルリテラシーとはビジネスマンとしての一般的なデジタルスキルのことではなく、デジタルプロダクトやデジタルサービスを企画開発していくスキルや経験値のことと考えています。

攻めのDXを前進させるために

私たちGNUSは、日本企業の成長においてデジタルプロダクトの活用など、攻めのDXが今後の成長に不可欠なものであると考えており、事業部門がその中心的な担い手となっていくことが最も大事であるという信念を持っています。

ビジネスを動かすプロダクトを
企業の飛躍の原動力となる、力強いプロダクトを。誰もが手をのばしたくなる、優しいプロダクトを。構想し、開発し、検証し、その価値を高めていく。多様なプロフェッショナルとチームでコミットし、未来を担う「プロダクト」を共に生みだしていく。それが私たちGNUS の使命です。

GNUS Mission

という言葉はそのような課題認識から生まれたもので、ここで言う「プロダクト」とは主にデジタルプロダクトのことを指しています。

では、どうすれば、事業部がデジタルプロダクトを企画活用し、攻めのDXを推進することができるのか。GNUSはこれまでのIT業界やコンサル業界とは異なる2つのアプローチで、この課題を解決しています。

IT部門のパートナーではなく事業部門のパートナーに徹する

同じ企業にありながらも、事業部門とIT部門の考え方や目指すアプローチにギャップがあることは、電通時代にも多くのプロジェクトを通じて経験しました。このことは、どちらが良いとか悪いではなく、最初に書いたように企業における役割の違いであり、カルチャーの違いです。

私がこれまでに経験したプロジェクトにおいては、事業部門とIT部門の考え方やカルチャーの違いから、事業部門が企画したデジタルプロダクトが実現できなかったり、IT部門にバトンタッチして開発した時に想定したものと違ってしまったり、ものすごくリリースまでに時間がかかってしまったりすることがありました。これは、これまでの組織の役割分担では、事業部が企画してIT部門が開発すると言うのが暗黙の前提になっていたからであり、企画から開発運用までを一気通貫で支援するパートナーがいなかったからでもあります。

私たちは、事業部門のパートナーというところに軸足を置きながらも、デジタルプロダクトの企画から開発運用までをサポートすることで、これまで事業部門のみなさんが困ってきたデジタルプロダクト実現のハードルを下げることを目指しています。

継続的な外注ではなく、内製化を視野に入れて支援する

もう一つは、継続的な外注を前提にしない支援をするということです。

特に受託をメインとするシステム開発企業においては、開発したシステムの運用を受託することが重要な収益源であると言われますし、お仕事を継続的に続けることができるということは私たちとしても嬉しいことではあります。確かに、基幹システムと言われるようなシステムにおいてはそのような運用を外部に委託することが有効な場合もあると思います。しかし、デジタルプロダクトのように一度作って終わりではないシステムについては、継続的に改善を繰り返す必要があり、ただの運用ではなく継続的改善運用が必要になります。

私たちのようなサービスを提供している会社が言うと、自己矛盾に聞こえるかもしれませんが、そのような継続的改善体制を維持していくためには、外注に依存していると、コスト的にも事業成長のハードルになってしまうことは少なくありません。

実際にスタートアップなどでデジタルプロダクトを提供している企業が、ほとんどを外注で作っているということがあるでしょうか?私が米国で見ることができた多くのスタートアップやGAFAMなどの企業でも部分的な外注はありますが、そのマネジメントは企業の内部に置かれていました。ここでいうマネジメントとは発注管理ではなく、開発チームの直接的な管理を意味しています。

継続的な改善が必要となるデジタルプロダクトにおいて、長期的な開発チームの維持とその生産性向上はデジタルプロダクトの長期的な成功における重要な要因であり、ここを外注に頼っていることが非常に危険なのことなのです。

私たちは、これまでのプロジェクトにおいても、一定のリリースを終えた後に、クライアントが社内で開発チームを組成することを支援したり、受託で支援していたメンバーを徐々に減らし、社内の開発チームへの移行を支援してきました。

日本企業の事業部門がデジタルプロダクトを自由に作れるように

ここまで書いてきたように、GNUSは日本企業の事業部のパートナーとして、ITコンサルやシステム開発会社がこれまで提供できていなかった攻めのDXの課題を解決していくことをミッションにしています。

現時点では、受託という形でクライアント企業のデジタルプロダクトを一緒に作ることと、企業の開発組織づくりを支援することがサービスの中心にあります。

しかし、将来的に多くの企業の事業部がデジタルプロダクトを自分たちで自由に作ることができるようになると、私たちのサービスのあり方も変わってくると思います。また、昨今の生成AIの登場によりデジタルプロダクトの開発手法にも大きな変化があると考えています。

私たちGNUSはこの変化を捉えて、日本企業が、もっと自由に、もっと素敵なデジタルプロダクトを世に出していくことをお手伝いしていくつもりです。

長々とお付き合いいただきありがとうございました。今回はGNUSが提供する価値と目指すビジョンをやや抽象度高くお話ししてきましたが、次回はもう少し具体的に、電通にいた私がどうしてこの事業領域での起業することになったのかの経緯について書いていきたいと思います。

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