見出し画像

山小屋滞在録(11) 〜諸々冬の準備だ! 編〜

皆さま、クリスマスイブですが、クリスマスとは全く関係ないエッセイです!
ちなみに…
末期癌が発見され、僅か1、2ヶ月と余命宣告を受けて、実は今日で丁度1年を迎えます!
クリスマスは『奇跡の日』。
これまでで一番大きなクリスマスプレゼントを神様に頂きました!


この冬が始まる前の11月上旬、末期癌の余命宣告を受けて以来3度目、南阿蘇の山小屋に行って来た。

秋の南阿蘇…

これまでの経験では、暖冬の年は山では積雪や凍結が多くなる。今年は我が家の車は冬用のタイヤも履いていないし、チェーンは用意していても、頻繁な着脱にも体力的自信がない…
なので、冬が到来する前に諸々山小屋のメンテナンスを済ませておこうということだ。

往路は前回と同じく倉敷の美観地区で一泊…
のんびり親友のとべちゃん夫妻のご招待で豪華イタリアン夕食。

豪華イタリアン… 前菜…
お馴染みとべちゃんご夫妻と…

翌朝は散歩がてら美観地区のカフェでスープとパンの朝食。そのまま南阿蘇を目指した。

スープとパンの朝食
朝の美観地区

恵まれた天気のドライブ… その日の夜には山小屋に到着…

いつもと変わらない山小屋…

今回は、到着の翌日から、我々を待ちわびでくれていた山小屋世話役の吉井さんが、自宅でのガーデンバーベキューパーティーに招待してくれたので、取り敢えず休憩は後回しにして森の飲み会に参加…
吉井さんの友人による古楽器の演奏と森林浴で心身を清めることとなる。

庭と呼ぶには広すぎる吉井さん家の森
ご友人の古楽器演奏…
ビオラ・ダ・ガンダという6弦の古楽器…可動式のフレットがある

さあ、翌日からゆっくり体を休めて… と思ったが… 標高およそ700mの山小屋はもう朝晩が冷え込むようになっている。

天気は良いが、山の上はやはり冷える…

まずは薪ストーブを復旧させなければならない。
復旧といっても、別に壊れているわけではない。
ここ2年以上、体調を壊して以来冬の設備は使用していない。
薪ストーブの煙突の中にはびっしり苔や藻が詰め込まれ、火は炊けない状態なのだ。
犯人は森の小鳥たち…
彼らは煙突の入り口(出口?)に営巣を試み子育てをしようとする。
あの小さな身体でこんな大量の苔や藻を… 一体どんだけ働いたんだ?...
煙突を外すと、物凄い量(45L袋目一杯くらい)の苔と藻がわんさと出るわ出るわ…
屋根の上の煙突先端を網で塞いで、なんとか復旧。

無事復旧した薪ストーブ

冬場、気を付けなければならないのは水回りだ。
そこで今回は、我々の山小屋の水回りについて、紹介しておこう。

まずこの山小屋で使用する水は地下にある阿蘇の伏流水。
百数十mを掘り、ポンプで汲み上げる… ただしこの山小屋のポンプは数年前に故障してしまっている…
(https://note.com/kunikawasaki/n/n6260daef201d?magazine_key=m22119f7db034
今は、コロナ以降、さらに闘病以降、訪問回数も少なくなってしまったので100m以上離れたお隣の設備から貰い水をさせて貰っている。

貰い水用のホース… これで隣と繋がっている

何せポンプをリニューアルするには新車を1台買えるほど費用が掛かってしまうのだ。
今の私の体調が今後どうなるのか… 様子を見ながらタイミングを推測っている状況なのである。

水道栓は家周りの外に2ヶ所。
中は一階に洗面所、トイレ、洗濯場、シャワールームを一箇所に集めてある。

一階の水回り

中二階に上がると小さな小さなキッチン…
当初は本当にバラック小屋を自分たちの手で建てようかと考えていたので、キッチンは本当に必要最低限のものしかない。
設備も殆どが熊本市内の中古厨房器具屋で拾い買いしたものだし、冷蔵庫も一人暮らし用のごくポータブルなもの。

中二階、リビング脇のキッチン

コンロは貰い物だし、設備だけだったら10万円も掛かっていないかも知れない…
そして階段を少し上がって二階に上がると、寝室脇にトイレと洗面所…

二階寝室脇の洗面所

これら全ての給湯を支えているのが外壁に設置されたプロパン用の小さな給湯器だ。

冬の間に凍結が続くと、この全ての器具が破裂してしまうのだ。室内の蛇口も躯体自体がパックリと割れていたこともあった。

既に3代目のキッチン蛇口

特に我々のように、時々しか使用しない場合は凍結の時間が圧倒的に長いので、それだけ破損の可能性が高いと言うわけだ。
だから、冬前には必ず来て、全ての水道設備に水抜き処理をしなければならない。今回の山小屋訪問はその冬前水回りメンテとストーブの復旧である。

それ以外は特に予定も立てずにのんびりしようと思っていた。
特に今回は前回ほどスケジュールに余裕はない。
天候は至って安定しているので、身体を充分休め、森の中で英気を養ったら帰路は京都にでも一泊しながらのんびり帰ろうと思っていた。

滞在中、いつも世話になっている吉井さんが持病の目の手術で熊本市内の病院に短期入院することになった。
で、車を出して、入院と退院を手伝った。

冬の準備に勤しむ吉井さん

丁度その折、熊本市内、家内の実家に隣接した家と土地が売りに出された。
実家と公道を遮っていた土地の一部だ。
家内と義弟、協力して急遽購入することとする…

急遽購入を検討した実家の隣家

いつもの様に友人で画家のタカムラも遊びに来た。

タカムラとも吉井邸で…

山小屋に保管している亡き父が残した鉄道模型の修理に取り掛かる…
こちらは惜しいところで今ひとつ修理道具が足りない… 東京で準備をして次回出直すことにする…

古いOゲージの修理は途中断念

ということで、今回の山小屋滞在はあっという間に終わってしまった…
が… 短い滞在の中、変わらず美味しいものともたくさん出会った。

弁当『ヒライ』の定番山ちゃんラーメン、おにぎり付き
辛いお粥付きの太平燕(タイピーエン)
どこでも売ってる爆弾おにぎり
大津で行きつけの坦々麺と麻婆豆腐
くろいちじく
大きくて歯応えがあって甘〜い太秋カキ

で… 帰りは予定通り京都で一泊…
東寺の近くのホテル… 夕食がてらライトアップされた東寺を見物する… 見事だ…

翌日、帰路に着く前に彦根に寄る事にする。ネットで調べたところ、ここには古く古事記にも記された多賀大社という聖地がある。かつては伊勢神宮の親大社であったらしい。イザナギ、イザナミの尊を祀り、命そのものを司る大社と言われている。かの太閤秀吉が大病を患った母親の延命を祈願したところ、見事母親は回復し、延命を果たしたことから、『延命の神』として広く信仰される。末期癌の私もその御利益にあずかろうということだ。

彦根の多賀大社

紅葉はまだ始まったばかりだったが、ようやく到来し始めた冷気を名物の鍋焼きうどんが温めてくれた…

参道の鍋焼きうどん

夕景の富士を眺めながら、夕刻には無事目黒の自宅に到着…慌ただしいながら、今年最後の山小屋滞在となった。

さて… 来年はいつ南阿蘇に帰ることができるだろうか…






この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?