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山小屋・滞在録です…(5)

〜1200km 車で移動だ!編〜


今回は東京〜南阿蘇の移動についての話だ。
南阿蘇の山小屋にはいつも車で行っている…
今回も車で来て、もう既に1週間ほど滞在している。

伊勢湾岸道

九州自動車道1

[東名〜新東名〜伊勢湾岸道〜名神〜新名神〜中国道〜山陽道〜九州自動車道...と、切れ目なしの高速運転...]

東京から大体14時間(休憩込)... 自宅から東名高速の始発地点・用賀までは20、30分。益城熊本空港出口から山小屋までは30分。
大体午前10時ごろに出発すれば、丁度翌0時を回った頃にインターを降りることになる。
0時以降に出れば高速代は30%オフになる。
片道約25,000円が17,000円になるので、これはでかい!
それでも、往復で34,000円、プラスガソリン代で、アシ代だけでざっと50,000円見当となる。

飛行機

今どき、安い航空券を探せば、片道11,000円〜16,000円くらいかな... 
なので、車で移動する時は、2人で移動すれば費用はトントン。
私1人の場合は、超贅沢ということになる。

ちょっと余談だが、4年前に買い替える前の車は燃費が倍近く掛かっていたので、ガソリン代も倍近く掛かっていたが、前車は帰路の山口県・中国自動車道でスリップしてクラッシュ!
目出度く買い換えた車は同じガソリン車なのに超低燃費で助かっている。
ちなみに、車はこの20年は欧州生産車ばかり(高級車は買いません...というか、買えません)... 何故なら長距離を飛ばすので、万が一の事故を想定している。
欧州車は国産車に比べて、ボディの厚みが全然違うのだ。

4年前のクラッシュ事故(自損)の時、駆け付けてくれた警察官から...
「あんた、これ、国産車だったら死んでるよ」と言われた...
私は無傷だった...(エアバッグで親指少し火傷したけど、すぐ治った...)


クラッシュ

[4年前のスリップ事故でガードレールに激突した前・愛車...]


では、何故毎回そうまでして私は車で東京・熊本を往復するのか?...
理由は大きく2つある。

元来、私は車の運転が大好きで、全行程1200kmという長い距離の運転がまったく苦にならない特異な体質だから、ということが挙げられる。
私は昭和のモータリゼーション真っ盛りの時代に育ち、免許を取得し、いつも車が身体の一部であるかのようなライフスタイルを貫いてきた。
まあ、要するに運転好きなのだ。

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2つ目の理由は相当シリアスだ。
首都圏に暮らしている人には分からないかも知れないが、田舎で暮らす為には絶対に車が必要なのだ!
もちろん何とか電車とバスを使って生活することも出来なくはない。
我々の山小屋から一番近いバス停は、山道を下りて3km先の県道沿いになる。
このバスは1日に数本しか運行していない。
そこからさらに7、8km先の一番近い『高森』という町には様々な外食店や大型のスーパーやホームセンター、もちろん鉄道の駅だってある。
何をするにしたって、たっぷり半日は掛かってしまうのだ。

空港バス時刻表

[これは熊本空港の高森行きバス停の時刻表...1日4本しかない...飛行機より少ない...それに飛行場付近には鉄道の駅はない...]

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[こちらは南阿蘇鉄道・高森駅...南阿蘇の中心だが、まず利用することはない...]

したがって、南阿蘇で生活する以上、車は絶対的な必需品なのである。
車さえあれば、道はいつも嘘のように空いているので、食材や日用品や必要な庭道具類などの買い物も、ほんの30分ほどで済んでしまう。
何キロも歩き、長い時間バスを待って、また重い荷物を抱えて山道を何キロも歩いて登ってくること... これはスローライフとか、そんな生易しいものでは断じてない。
生活の用事はとっとと済ませて、のんびりと山小屋で美味しいコーヒーをすすりながら、時折山や木々を愛でながら、読書や執筆に勤しむ... これが私流のスローライフなのだ。

山小屋内部

だから、何度も言うが、車は絶対に必需品なのだ。

車とタロコ

ならば、飛行機で羽田・熊本を往復して、滞在中はレンタカーを借りるとか、こちら専用に一台車を置いておくとかしてはどうか、と言う人がいる。
私の場合、一度山小屋に来ると最低でも2週間、長ければ1ヶ月以上の滞在となる。レンタカー?... バカ言え、とんでもない贅沢になってしまう。


車を一台買って置いておく... これは考えたことがある...
だが、ここは山の中の一軒家... 玄関先や庭は広いが、ガレージもない。
様々なバクテリアや火山灰の多いこの地域、放っておいたら車はどんどん傷む。
その証拠にゴム材も鉄材もプラスチックだって、外にほっぽらかしておくと、あっという間にボロボロになってしまう。
特にここ最近は世の中のドタバタで、何ヶ月も来られないことだってあるのだ。
それじゃあ、車が可哀想ではないか...

ということで、今のところ1200km車で往復が一番の得策ということになってしまうのだ。

南阿蘇の道

       [南阿蘇の道...歩く人の姿は、まず見ない...]

話を元に戻そう...

1日かけて東京から南阿蘇の山小屋まで自分の車を自力で走破して来ているのに、何故こんなに金が掛かるのか?... という問題だ。

そう言えば、5、6年前まで、民主党に政権が変わっていた頃、東京・熊本の高速代は、大きく2区間分の料金を課されても、片道わずかに2,600円だった。
それが政権が元に戻ったら、途端に元の木阿弥に戻ってしまった...
元の木阿弥どころか、さらに値上げになっている。
そもそも高速道路は建設中は有料で、完成した暁には、無料にする筈ではなかったのか?...
確かに、そんな発表を遠い昔新聞で見たことがある。

私は仕事がら、あちこちの海外で高速道路を利用する機会がある...
アメリカのハイウエイもヨーロッパのアウトバーンも原則無料だ。

フリーウエイ

最近は修復費や増設費がかさみ、国ごとや州ごとに有料化されているようだが、乗用車に関しては年単位・数ヶ月単位でせいぜい2、30ユーロといったところだ。
基本的にはどの国も高速道路は公共サービスの一環ということになっている。

日本だけは違うのだろうか?
どんどん料金は高くなり続けている。
高速道路の利用料が新幹線や飛行機運賃とタメを張るなんて、常軌を逸している!

高速道路は公共設備ではなく、単なる贅沢設備とみなしているのだろうか?
もし、公団利権が原因だとしたら、本当にこの国は腐っている...


まあ、そうは言っても、大多数の人がそれでいいと言っているんだから、仕方なかろう...

縁あって、こんな遠くに持った山小屋...

山小屋夏2

この10年以上、毎年何度も行き来を繰り返しているのです。
考えたら、理不尽なことにムカつくことも諸々ありますが、それらは全て、この南阿蘇の美しい風景の移ろいと、古くから『白水』と名付けられた龍神所縁のこの地の霊力に毎度洗い流されているのであります...





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