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どうして琉球藍なのか?

琉球藍って知ってますか?
沖縄では、沖縄本島でも八重山でも藍染めが行われますが、使われる藍の種類が異なります。八重山では八重山藍、本島では琉球藍が使われます。
先日、台風前に室内に避難させた琉球藍をベランダに戻しました。

鉢植えの琉球藍

冬に枯らしかけたこともあり、どうしても過保護になってしまう私ですが、どうして沖縄本島では八重山とは違う種類の藍が用いられてきたのか、個人的にとても不思議に思うところです。
だって、ここは沖縄なのに、この琉球藍は日陰を好み、夏の直射日光が苦手なのです。日光を長時間当てると、灼けたように黒くしおれて、枯れてしまいます。

一方、八重山地方に育つ八重山藍は、マメ科の植物で、「木藍」ともいいます。琉球藍と八重山の木藍では、葉の形や大きさが全く異なります。

小浜島の八重山藍

八重山の木藍は高温多湿で陽向を好み、干ばつや塩害にも強いのだそうです。竹富町の小浜島で八重山藍を見かけましたが、日差しが遮られることのない土地に、元気に育っていました。

どう考えても、八重山木藍のほうが、沖縄本島でも育てやすそうな気がします…。

琉球藍は、今は沖縄本島北部の伊豆味付近で栽培されています。沖縄本島中南部にくらべ高い山が多く、山あいの日陰が多そうな場所なので琉球藍の栽培に適しているのかな?と思っていました。
でも、炎天下の直射日光の多い沖縄なら、琉球藍より八重山の木藍のほうが育てやすそうな気がするのです。

まあ、どちらで染めるにせよ、藍はやはり美しいですよね。私は藍色が大好きです。

小浜島の民家の庭先に干されていた藍糸

八重山藍や、染めに使われる他の植物をさがして小浜島を散策していると、小浜島のやぎさんたちに遭遇しました。
白やぎさんと、黒やぎさん。可愛かったです。

小浜島の白やぎと黒やぎ

ここらでちょっと、ひと休み。やぎさんたちを眺めながら、ザワザワ掠れる草や風の音に耳を澄ませた、あの小浜の夏を思い出しました。
台風一過。琉球藍のあるベランダでも、心地よい風が吹いています。