見出し画像

エッセー「ジャッキー・チェン " 拳精 " テーマ曲 " チャイナガール "」

 1980年(香港での製作年度は1978年)に公開されたジャッキー・チェン主演作品 " 拳精 " 。

 この作品は数あるジャッキー作品群の中でも特に異彩を放つ作品として深く脳裏に刻まれている。

 ジャッキー作品の常として、初めは弱い主人公が素晴らしい師に出会い、厳しい修行を経て強くなり、本懐を遂げるというのがパターンだが、この作品もその一部は踏襲しているものの、かなりコミカル&荒唐無稽なストーリー展開となっている。

 この作品では、ジャッキーが偶然見つけた「五獣の拳」という極意書の中に住んでいる龍、蛇、虎、豹、鶴の5人(匹)の妖精がそれぞれの必殺拳を伝授する。その妖精が、白塗りの河童のような姿をしているから笑える。しかも、彼らの姿は極意書の持ち主であるジャッキーにしか見えないのである。

 そんなわけで、ファイトシーンもかなりコミカル。しかし、そこはさすがはジャッキー作品、コミカルな動きの中にも高度なカンフー技が随所に散りばめられていて見応え充分。

 妖精が出てくるシーンやラストの格闘シーンで流れる摩訶不思議な曲「チャイナガール」も、妙にこの作品、作風にマッチしており、一度聴いたら二度と忘れないどころか、常に頭の中をループするほどインパクトと中毒性がある魔界の究曲である。

 因みにこの曲、日本のバンド「HERO」(英雄)によってテクノポップ調でカバーされた日本公開版イメージソングである。


宜しければサポートをお願い致します!