ワンマングルメNo.60「その完成度の高さに脱帽。ミシュラン東京ビブグルマン獲得の目黒の名店" 麺や 維新 "」

目黒の " 麺や 維新 "は、ミシュラン東京2015-2016においてビブグルマンとして掲載されたラーメン店である。

　久々の来訪だが、今回は特醤油らぁ麺をチョイス。

　入り口に近い店内に設置された券売機でチケットを購入し、カウンター席の奥に陣取る。

　待つこと約5分で着丼。いつもながら手際が良い。まずは例によって丼内の風景を愛でる。

　醤油ベースの澄んだ綺麗なスープの表面に、うっすらと鶏油が浮いている。

　スープだけ見れば極めてオーソドックスな醤油ラーメンである。

　スープ表面には、味玉、豚チャーシューと鶏チャーシュー、メンマ、そして食べごたえがありそうなワンタンが3個トッピングされ、青ネギがアクセントとして散らされている。

　まずはスープを一口。澄んだスープは口当たりはまろやかであっさりとしているが、丸鶏や豚のゲンコツから抽出した動物系の出汁と、昆布や削り節といった海鮮由来の出汁のそれぞれの旨味が渾然一体となり複雑且つ奥行きを感じる。

　麺はやや細麺だが、コシがあり、弾力性に富んだ食感。スープとの相性も良好。

　トッピングのチャーシューは、赤身と脂身のバランスの良い肩ロースが1枚と、あっさりとした鶏チャーシューが2枚。ともに丁寧に仕上げられた上品な味わい。スープとよくマッチする。

　3個の自家製のワンタンは意外にもボリューミーで食べごたえ充分。ワンタンの皮はモチモチで、豚ひき肉の具もジューシーで美味い。

　味玉はしっかりと醤油味がしみ込んでおり、それでいて味は薄めなので、スープの邪魔にならない。

　すべてはシンプルで味わい深いスープに基準に設計がなされており、麺そのもの、麺の茹で加減、トッピングの具材の味付けに至るまで高次元のバランスとなるよう見事なまでに計算しつくされている。

　さすがはミシュラン認定の逸品である。ビブグルマンは伊達ではない。