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間違いだらけのチューニングテクニック

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元参加型モータースポーツ専門誌副編集長のモータージャーナリスト鳴海邦彦が、真のマシンチューニング、真のマシンセッティングを伝授する。
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2020年8月の記事一覧

マシンチューニングの基礎知識「ボアアップ」

マシンチューニングの基礎知識「ボアアップ」

 過給器を持たない自然吸気エンジンの場合、排気量がそのまま出力性能に影響する。

 これは、自然吸気エンジンがピストンが下降する際に生じる負圧でしか空気を取り入れる事ができないためで、故にピストン径やストロークの大きい、つまりは排気量の大きいエンジンほど出力向上には有利なのである。

 自然吸気エンジンをパワーアップする際に、最も手っ取り早い方法として使われるのが、ピストン径を拡大する事により排気

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マシンチューニングの基礎知識「バルブスプリング」

マシンチューニングの基礎知識「バルブスプリング」

 カムシャフトがバルブの「開き」を担うパーツならば、バルブスプリングは開いたバブルを元の位置に戻す、すなわち「閉じる」ことを担当するパーツである。

 そのためハイカムシャフトに交換するなどして最高回転数がアップした場合には、それに伴いバルブスプリングの強化が必要となる。

 なぜなら、バブルスプリングの強度が不足するとカムシャフトの動きに追従することが困難となり、高回転域で回らなくなってしまうか

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マシンチューニングの基礎知識「メカチューン総論」

マシンチューニングの基礎知識「メカチューン総論」

 エンジンのチューニングには大きく分けてメカチューンとターボチューンの二つの方法がある。

 そのうちメカチューンはエンジンチューニングの王道とも言える手法であり、本格的なターボチューンを施す際にも併用される。

 メカチューンとは、簡単に言えばエンジン本体に施すチューニングである。

 具体的にはエンジンを構成するパーツを強化したり、あるいは軽量且つ高精度にする事によりエンジンのパフォーマンスを

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マシンチューニングの基礎知識「サスペンションチューニングの基礎の基礎」

マシンチューニングの基礎知識「サスペンションチューニングの基礎の基礎」

サスペンションチューニングの目的は、タイヤの接地性の確保とその向上にある。 走る、止まる、曲がるといったクルマの基本性能は、そのほとんどがタイヤに支配されているといっても過言ではない。当然のことだが、タイヤは路面に接地していなければその能力を発揮することはできない。

 路面の凹凸やインリフトなどにより、一瞬でもタイヤが路面から離れてしまえば、いかに高性能マシンであってもそのポテンシャルをフルに発

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