コーヒーとお菓子づくりは似ている
コーヒーは料理に喩えられることが多い。
とくにお菓子づくりに近いなと思っている。
そもそも料理の中にお菓子づくりが位置するものなのかはわからないけど。(シェフにもパティシエにも喝を入れられそうな…)
たとえば、コーヒーをドリップするとき。
お湯加減は90℃で、使う粉は15gで、150cc分淹れたら完成。(あくまでも一例)
たとえば、コーヒーを焙煎するとき。
前半の火加減はこれぐらいで、後半はこれぐらい。
このタイミングで釜から豆を取り出して完成。(くれぐれも一例)
いずれの場合も、100人いれば100通りぐらいの方法がある。
さすがに全員が全く異なるというのはないと思うけど、まぁ、それだけバリエーションは豊富だ。
過程が異なれば当然、出来上がりの味わいも異なる。
Aさんのコーヒーは目が覚めるようなパンチの効いた味わい、
Bさんのは軽やかでお腹に優しそうな味わい、といったように。
これがさらに、Cさんが焙煎したコーヒー豆をAさんが淹れるとこうで、Bさんだとこう、みたいにどんどん枝分かれしていくものだから、実に奥深いというか、沼というか。
とにかく、料理の仕方はたくさんある。
しかし、料理と決定的に異なるのは、途中で味見ができない点。
まるでお菓子づくりだ。
ドリップ中はドリップしかできない。
ひょっとしたらコーヒーサーバーにストローを入れて、ドリップしながら飲むという芸当もあるかもしれないけれど。(少なくとも飲んでいる間はドリップに集中できない)
1杯分ごとに淹れたコーヒーの味わいを確認しながら、次はこうしようかなと狙った味わいに近づけていくことになる。
焙煎についてはもっと厄介。
焙煎中に豆を取り出してドリップして味見をした上で、もう少し焼こうかな(焙煎度合いを深めにしようかな)というわけにはいかない。
焙煎にはタイムアウトがない。(試合時間を止められない)
味見のためにドリップをしていたら、焙煎機の中の豆はどんどん焼かれていくし、そもそも焙煎後48時間ぐらいは味が落ち着かないことが多い。
いったん焙煎を完了させ、48時間経過した上で味見をし、次回の焙煎への見直しを重ねていくことになる。(だから、焙煎の沼にハマると調整がものすごーく大変なことになる)
ようするに、レシピ通りに作って(ドリップしたり、焙煎したりして)完成したものを口にして初めて、それが良いのか良くないのかを判断することになる。
途中で「もう少し塩を入れよう」といったことがそもそもできないので、出来上がったものに対して、「次はもう少し塩を入れてみよう」と調整することになる。
出来上がったものから、それの良し悪しを次に活かす(フィードバック)。
コーヒーは大きく捉えれば料理だし、細かく捉えればお菓子づくりとも言えそうだ。
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