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焙煎にはミーティングが欠かせない

実用書やビジネス書が好きだ。

確定申告から解放されたいま、ようやく積読(未読といった方が適切かも)状態にあった3冊を読み進めている。

どの本にもほぼ100%書かれているのは「準備がすべて」といった内容。

たしかに確定申告だって、日々の帳簿付けやら必要書類の整理やらをしておかないと、夏休みの宿題の追い込み状態になってしまう。


コーヒーにおいては夏休みの宿題理論は通用しない。(夏休みの宿題理論とは、いま勝手に思いついた、最後の最後に間に合わせる的な意味合いの理論)


コーヒー生豆の焙煎をするとき、焙煎釜の温度は重要だ。

140℃になったら焙煎を開始するとか、170℃になったら火力を調整するとか、222℃になったら焙煎を終了するとか、そういうチェックポイントとして必要不可欠。

その温度計は焙煎釜の中心付近にセンサーがあって、焙煎中の生豆が常に触れるので「豆温度計」ともいわれる。

コーヒーは上流ほど重要だ。


焙煎においては、焙煎開始温度が肝心なポイント。

170℃、160℃、150℃、…、130℃。

僕自身の焙煎記録をざっと振り返ってみると、1年を通してこれだけの差があった。


真冬(低温乾燥)ほど高い温度でスタートし、真夏(高温多湿)ほど低い温度でスタートする。

生豆の生産地(高地産で豆が硬いとか、精製の影響で豆がやわらかいとか)によっても調整が必要になる。

生豆が投入されると温度は一旦下がり(焙煎釜の温度に対して投入前の生豆は室温)、あるところが下限(中点とか、ボトムとか呼ばれる)になるので、そのときの豆温度を合わせるように逆算していく。


だから、焙煎とは生豆と季節と自分自身をテーブルに並べた事前のミーティングともいえる。(何を言っているかよくわからないかも知れないが、ようするに事前準備のことだ)


たったそれだけのことが、仕上がったコーヒーに与える影響は大きい。

もちろん寸分の狂いも許されないわけではないし、それをリカバリーするのも焙煎する人の役割でもある。

えいや、と直感でスタートする焙煎がうまくいくかも知れないけど、それはある程度の経験に基づく勘が下地にないと相当難しい。

焙煎は焙煎をスタートする前から始まっている話。



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