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【#一日一題 木曜更新】ロマネスコよ、お前は

山陽の「一日一題」が大好きな岡山在住の人間が、勝手に自分の「一日一題」を新聞と同様800字程度で書き、週に1度木曜日に更新します。

全編にわたり悪口なので閲覧ちゅうい。

産直市場の楽しさ。それは旬の野菜が安いこと。スーパーマーケットへ行けば年中同じ野菜が並んでいて便利だけど、市場の地物で季節を知るのもまた楽しいものです。

今の時期は縮みほうれん草や間引いた春菊(柔らかくて超美味)、そしてそして最近「指定野菜」になって話題のブロッコリー、さらにお仲間(?)のカリフラワー、ロマネスコ。

このロマネスコ、ここ数年でブロとカリに肩を並べて産直市場に並ぶようになりました。スーパーマーケットではややお高めなイメージだけど、旬の時期の市場ならカリフラワーと同価格帯。みょうに目を引く形状で、さらに安いためシーズンに1度は買ってしまう。

が、しかしです。このロマネスコっの見た目の気持ち悪さったら。フラクタルの罠。全体の形と細部の細部の細部の形が同じでぐるぐるぐるぐる、どこを見ても同じ形。そして色もね。ブロッコリーのような潔い緑でもなく、カリフラワーのように清々しい白でもなくぼやけた緑っていうか黄色っていうか。緑と白には到底敵わないので彩りになるにも今ひとつ。

で、肝心の味なんですが、決して不味くはない。しかし美味しいかというと、このフラクタル形状のせいでどうも舌ざわりが悪い。こういうザラザラもっさりしたものはブロッコリーで慣れっこのはずなのに、表面の隆起がいかついせいか主張が激し過ぎるんだこのやろう。おっと。

牡蠣アヒージョの油に絡め、ポトフのスープに沈め、いやオマエほんと皿の色味にもならねえな!と心の中で悪態をつき、それでも消費できなかったので豚肩ロースでくるくる巻いて渾身のカレー風味照り焼きに。じゅううううう。

夕方。部活帰りのむすこの食欲は底なしバケツです。
肉だ肉だ!と言いながら肉巻きを口にしたむすこが遠慮がちに言いました。「母ちゃんごめん、オレ、これ、やっぱり好きじゃない」

超絶空腹と肉のうま味を以てしても、我が家のレギュラーになれないロマネスコ。キミの役割はおしゃれ料理家の皿の上の欺瞞になることだ。

(ひどい)



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