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【#一日一題 木曜更新】かぼちゃというやつは

山陽の「一日一題」が大好きな岡山在住の人間が、勝手に自分の「一日一題」を新聞と同様800字程度で書き、週に1度木曜日に更新します。

これほどまでに素材頼みの煮物って、ある?

かぼちゃの煮物は出汁を使わずに当座煮にするのが好きだ。が、しかし今日のおまえのポテンシャルは一体どれほどなのかと、かぼちゃの硬い皮に包丁を入れながら私は考える。

味は甘いのか、甘くないのか。食感はほこほこ系なのか、べちゃべちゃ系なのか。甘いなら醤油も砂糖もうんと少なくしたいところだが、芋に近いような素っ気ない味ならば、黄色いところが醤油色になるくらい濃いめにしてもいい。

そしてもうひとつ。煮汁を吸うかぼちゃと吸わないかぼちゃがある。後者に遭遇すると、煮物を作った私は大変機嫌が悪くなる。通常なら、「煮汁、あと少し」のところで火を止めて、しばらく冷ましながら放置すると、かぼちゃが残りの煮汁を勝手に吸ってくれて、大変よろしい。
でも世の中には、煮汁になびかないかぼちゃがいるのだ。種類なのか個体差なのか、それともかぼちゃ自体に単に水分量が多いのか。
煮汁を吸わないのでいつまでもたぷたぷと汁に浸かり、味が染みていかず、日持ちも悪くなる。そして何より、保存したかぼちゃを食べ切ったあと、数日経った煮汁を処分する時の心苦しさといったら。何かに使い切ればよいとわかってはいるものの、これが、なかなか。
 
インターネット上に乱立するかぼちゃの煮物のレシピには、「かぼちゃ自体の味で、煮物の出来は変わります」なんて書いてあるものはないし、かぼちゃ自体の目利きに言及しているのも見かけない。
料理初心者さんは大変である。かぼちゃの煮物は、「レシピ通りつくったのに!なんでこうなるの!」と、なりやすい料理のような気がする。

しらんけど。


 

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