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第5回 映画『バービー』を語る!! 〜全てがうまくいく心地良い世界は本当にユートピアなのか??永遠に続くことは一つもない。矢沢永吉の言葉が今蘇る!!

くに:私がどうしてもたけと話したかった映画でっす。

たけ:何で???

くに:個人的に年間ベスト級かもだから!

たけ:すげー映画だったね。。。ほぼ完璧なんじゃない?っつーくらい。。。俺休暇で実家に帰ってたんだけど、移動中にTwitter、、、あ、今はXか、、、見てたら、あまりに評判良いから急に観たくなって行ったんだよねシネマフロンティア(笑) 会場ほぼ女性でした。

くに:ピンクの服着てる人いた?(笑)

たけ:あー見てなかったー(笑) 急に観たくなっていきなり予約して行ったから時間ちょっと遅れて入っちゃったんだよね。評判ホント良いんだけど、ストーリーがさっぱり想像つかないし、事前情報ほぼ無しで行ったよ。正直いうと、おもちゃのバービー全く興味ないし、ホント面白いのかな〜?という先入観もあって、行く事ないかなーと思ってたんだけど、行ってホント良かった。観てよかったー!!と思いました。喰わず嫌いはホントよくないですね。

くに:バービーの映画って聞いても正直どんな内容かさっぱり想像つかないよね。。。しかもバービーが作られたのって何年前だよ!!って考えると今何でバービーを題材に映画作んの??って思ったけど、観終わって全ての謎がスッキリさっぱり!!

たけ:そうだねー俺も感心した。なるほどそれでバービーか!と(笑) 監督、グレタ・ガーウィグ!! 今最も注目すべき監督の一人なんじゃないかな。くにちゃん的には何が刺さったのー??てか、これ話そうとするとネタバレというかどんな映画かに触れざるを得ないね(笑) なるべくネタバレしないよーに行くか(笑)

くに:男性女性の相対的な関係を超えて、人間の抱える普遍的な問題の話になってたのが刺さったよ。コレ、ポイントで、一旦その関係性をフィルターしてる事がすごい重要だと思うのね。それがないと、説得力がない。ストーリーちょっと触れると、人間の住む世界の他に、バービー達が住む世界、バービーランドがあって、そこはバービーが支配する世界。ここが舞台。
あ、ちなみにいうと、バービーって色んな職業のバービー達がいるから、それぞれ格好は違うけど、出てくる人みんなバービー(笑) エンドロール見て笑ったよね(笑) バービー役何人いるんだよ!みたいな。で、バービーは女性だから、バービーランドは女性が支配する世界。大統領もバービー。一方、男性はというと、ケンというバービーの備え付け的な男がいて、出てくる男性全員ケンなんだよね(笑) そんで、ケン達は肩身が凄い狭い思いしながら生きていると。

たけ:ライアン・ゴズリングねー!ホント素晴らしかった!!この映画はライアン・ゴズリングのケンがいなかったら成り立たないっていうくらいホント素晴らしかった。

くに:で、バービー達はいつもお互いにチヤホヤしあいながら楽しく気持ちよ〜く暮らしてるんだよね。まるで、これがずっと続くかのように。でも、ある日主人公のバービーにある変化が起きますよ、と。

たけ:「死」を考え出しちゃうんだよね。

くに:そう。で、それがきっかけでバービーの体に変化が起きて、、、、、バービーランドと人間界のすったもんだってわけ。

たけ:なんかこの映画について、色んな感想出てるじゃん。それこそフェミニズムがどうだとか否定的な意見とか。映画って、観た人の記憶とか認識をベースに解釈が生まれるもんだからさ、感想は人それぞれで別に全然良いと思うんだけど、なんかこう、、人が無意識に持っているステレオタイプな考えとか偏見を炙りだしちゃう映画なんだなと。海外でニュースになってたけど、これを観て別れるカップルが急増してるとの事で、それって凄いよね、、。つまり、この映画のここに共感しているパートナーの価値観が許せない、終わりにしよう、と。少なくとも俺はくにちゃんの言う通り、最終的に人間の普遍的な問題にちゃんとフォーカスされてて、感動した。取り扱うモチーフの存在の相対性が強いってだけで、どちらかを持ち上げてどちらかを切り捨てる、って言うメッセージは少なくとも俺は受け取らなかったね。

くに:私もそうだねー。
ネタバレ極力しないように言うと、途中、あるきっかけでバービー達とケン達の立場が逆転するんだよね、つまり、バービーランドがケン、つまり男性優位の世界になりますよ、と。でも、結局どちらになったところでさって言うメッセージに最終的になるしね。

たけ:で、最終的に、「バービー自身(=コレを観てるあなた自身)」の問題として問いかけてくる、と。バービーは色んな職業の人形があって、女性だってどんなものにもなれる!という可能性を示したけど、今度それが「何かにならないといけない」というプレッシャーに変化していっちゃう、と。で、最終的にバービーが選んだ選択がいいんだよね。
つまり「あなたは何にでもなれる」ってことなんだが、コレには続きのメッセージがあって、「何かにならないといけないということじゃない」と、言うこと。ありのままでいい、ココが大事なんだよね。

くに:まさにそうだねー。たけは矢沢永吉の言葉を思い出したんでしょ?(笑)

たけ:そう(笑)

くに:どゆこと?(笑)

たけ:「それ、いつまでやるの?」って言うやつ(笑)

くに:説明してー。

たけ:俺、永ちゃんのファンでもなんでもないんだけどね(笑) 矢沢永吉って昔、仲間に裏切られて35億円の負債を背負うことになっちゃったんだよね。でも、コレちゃんと返済するのよ、ホント凄いよね。。で、それについてインタビューされてるのを観たことがあって、こう言ってた。「打たれ弱くても良い、落ち込んでも良い、一瞬誰かを恨む事もあると思う。でも、それいつまでやるの?そうやって遅かれ早かれ、落ちた場所からいずれ抜け出して、進まなきゃいけないよね?」っていう言葉。バービーも、バービーランドで気持ちよ〜く暮らしていたけど、それでもある焦燥にかられて、問題にぶつかるよね。でも、最終的に答えを出して前に進むよね。でも、その過程で無理しなくても全然良いわけで、ありのままの自分で良いと。で、永ちゃんも問題にぶつかったけど、自分の愛するロックを続けながら、自分らしく前に進んでいったというのが凄い重なったってわけで。無理しなくて良いよって、凄いありきたりなメッセージだけど、つまるところ、コレなのかなと。誰かと比べる必要なんてないし、何か始めるのに遅すぎるとかないんだな、と。もう遅いって誰が決めたんですか?と。あ、コレは古畑任三郎のセリフね(笑) だから、そっから考えると、バービーランドは果たして本当にユートピアだったのかなあと。まわりにチヤホヤされて気持ちよく暮らしていけたとしても、人生って必ずそれまでの価値観を変えざるを得ない出来事が起きるじゃない?それは、結婚かもしれない、自分が病気になって急に働けなる事かもしれない、または両親の死かもしれない。そのような事が起きたときに、やっぱりそれまでの価値観を変えざるを得なくなるという現実を前もって知っていないと、冒頭のバービーみたいになっちゃうんじゃないかな。

くに:それを知っておくにはどうすれば良いと思う??

たけ:ん〜〜〜〜〜〜難しいね、、、。やっぱり色んな場所に行き、色んな人たちと触れ合う事なんじゃないかなー?バービーランドみたいに、何もかも上手く、気持ちよく、自分の思い通りに行ってるのって、やっぱり危ういのかなあと、、、。より多く、初めて見る場所に行き、より多く、自分と違う価値観を持ってる人達と触れ合うってホント大事なんだなーと。そうして行く事で、やっぱ考え出すよね、今までの自分の考えってなんでそう身についたんだっけ?みたいな。大学で哲学の授業を取った時、凄い楽しかったんだよね「そもそもそれってなんだっけ?」的な思考が。高校までやらないじゃん?そういうの。で、こういった思考って、人生が上手くいってるときにあんまりしないんだけど、何か大きな変化が起こった時に、普段からこういった思考していないと適応できなくて辛くなっちゃうんだと思う。

くに:なるほど、確かにそうだね〜。すごく優しいメッセージを放っていて、そこにビリーアイリッシュの主題歌が乗っかってホント感動した!

たけ:この映画、音楽要チェック!! fifty fifty選曲するとか、ホントセンス最高です!!

くに:最後に、グレタ監督の言葉のっけとくぜ!

「存在するためには特別でなければいけないという感覚がありますが、私が伝えたいのは、そのままのあなたで大丈夫です、という事です。
これをしない限り、あなたは不十分だ、と言うことはない」
グレタ・ガーウィグ

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