見出し画像

第12回 映画『ベイビーわるきゅーれ』を語る!!〜日本が世界に放つ第一級のアクション映画!!しかし、実はもっと深いメッセージがある!!「帰る場所」がある、ということの尊さをもう一度見つめ直してみよう。それは心の深い場所で、間違いなく私たちの支えになる。あなたに「帰る場所」はありますか?

くに:深夜の編集でテンションおかしくなってまーす(笑)

たけ:ちょっと間空いちゃったね、、、ただいま深夜3時、、、付き合いまっせ!

くに:サンキュー!!今回の映画は、『ベイビーわるきゅーれ』です。最近2が公開されたので本当はそっちやりたんだけど、あたしがまだ観てないのと、まずどんな映画かをベースに話したいので、最初のやつにしまーす。

たけ:まず、簡単にあらすじ!

高校卒業を控える女子高生のちさと(高石あかり)とまひろ(伊澤彩織)には、殺し屋という裏の顔があった。彼女たちは組織から委託される人殺しはそつなくこなせた一方、日常の生活能力は低い上、公共料金や年金・税金等の支払いが遅れることも少なくなかった。卒業後、組織の方針で二人暮らしをしながら、表の顔として社会人をしなければならなくなった二人。殺し屋として不自由ない生活をしながらもアルバイトをしなければならない現状に、文句を言いつつ適合しようとする二人であったが、当然のように失敗続きに……。

くに:どーだったのよ?

たけ:めっちゃ面白かったよ!!!!
大半はコメディだけど、高石あかりホント最高だった(笑) 第1回のトークのテーマにした、『セフレの品格』でも好演してたね、ホントいい女優さんです。役のキャラの口調とか日常で真似しちゃいそうになる(笑)

くに:キャスティング抜群だったね!主人公ふたりもそうだけど、現場処理業者の坂田さんとかもう最高(笑)

たけ:「あのーなんつーか、なんべん言ったらわかるんすかねっ?(怒)」っていう遠慮しながら怒り抑える感じとかね(笑) 笑いながら怒る人みたいな、竹中直人かよ!!みたいな(笑)

くに:そうそう! 現実にいそうな人感が半端なかった!でも、おちゃらけコメディ映画なんだけど、凄い深いって言ってたよね。そこ聞かせてよー。

たけ:「人生何がないと一番しんどいのか」っていうことについてのお話だったよね。それがこのふたりを通して切実に映し出されてるなーって思ったんだよねえ。ちさととまひろは裏では凄腕の殺し屋なんだけど、組織と契約結んでいて殺しを委託される身だね。で、組織との約束で、表ではまともな社会人として働くよう言われていて、バイト探しては就くんだけど、全然仕事できないし、すぐ感情的になってトラブル起こしたりして次々とバイトをクビになるよね。でも、殺し屋稼業で給料もらってるから、ライフラインの支払いが遅れることはあるんだけど、それは2人が未熟がゆえ、生活の規律が緩いというのが理由であって、基本的にお金には困ってない。お金に困ってないから楽しい人生送れるんじゃない?と思いきや、映画観てるとわかるけど、二人ともほんと終始だるそうなんだよね。。。要は、自分自身の受け皿になる社会の居場所がなくて、人を殺す能力に長けていることでメンタルを保っているっていう人物です、と。特にまひろは。

くに:さらにいうと、メンタルを保っていられるもう一つ重要な要素がある気がするな。それがまさに、「いつも2人一緒にいる」ということね。それが、この2人のでっかい支えになっているように見えたな。自分の能力はある意味優れているけど、それはとても公にできるものではないから、その能力によって自分が社会の一員として貢献しているという実感を得ることはできない。でも、そんな自分でも理解してくれる人がいる、ということが、この社会にいることを許してもらえる最後の支えになっているように見えたね。

たけ:おっしゃる通り。例えば企業とかでもいいけど、自分がどこかに所属していることで、ある種の安心感を得られる、というのが人間の普通の心理だよね。一般社会の仕事におけるその所属感は2人にはない。でも、スラムダンクの回でも言ったけど、この2人には「帰る場所」があるんだよね。まともな社会の一員として生きて行くことができない、赤の他人とはじめましてから徐々にコミュニケーションを築いて一緒に力を合わせて、誰かの為に働くことができないと、人はお金があろうがなかろうが「孤独」になる。いつかの回でも言ったけど「孤独」は人間の健康にとってとても有害なものだね。でも、この2人は、お互い同じ境遇で理解しているがゆえに、孤独にならずになんとか生きている。要するに、2人は一緒にいることを何より望んでいる。その極めつけがラストのくだりで、組織の人から「別々に生活しますか?」と提案されても嫌がってこの映画は終わるよね。だから、帰る場所がある、という事が人間の幸せにとってとても重要っていう事なんだと思う。

くに:2人が一緒にいたい気持ちっていうのは、映画でも頻繁に描写されてたね。なんか悪い事した時に、素直に謝るっていうのはあなたと離れたくないっていうサインだし、「謝って許してもらえた」っていう経験って、絆が一層強いものになるじゃない?だから、この映画は「孤独」についての映画なんだなーっていうのは凄い思った。アクションシーン確かに凄いんだけどさ、序盤と終盤のファイトシーン2箇所以外、そんな出てこないもんね(笑)

たけ:そう、だからアクションがすごいっていう評判聞いてたんだけど、実はトータルで見るとあんまそういうシーンない、、、(笑) ちょっとお金の話になったから思い出したけど、メイド喫茶でバイトしてる時、優しく教えてくれる先輩スタッフの姫子のセリフがものすごいリアルだった。福島雪菜さんっていう女優さんなんだけど、覚えてる?

くに:どんなんだっけ、、、?

たけ:ちさとが休憩室でお昼ご飯食べようとしてコンビニ弁当出すじゃん?姫子がそれを見て、「お昼にそんなお金かけれるのすごい!」っていうんだよね。あれ多分、都会の若い人たちのリアルなお財布事情なんじゃないかな〜と思う。あそこのシークエンスもっかい見直して見てよ、ホントリアルだから。

くに:あー思い出した!!あったあった!姫子は逆に「お金ないー!」って困ってるんだけど、メイド喫茶の仕事をすごい楽しそうにやってて幸せそうだったよね。だから、それがちさととまひろとの明確な対比になっていたね。お金がないのも辛いけど、自分が楽しいと思える事があると、それが支えになると。ちさととまひろは、お金そこそこあるんだけど社会からはみだしまっていて、毎日うまくいかなくてだるいっていうね。

たけ:メイド喫茶の面接で、まひろがダメ押しの一発を食らうんだよね、「あ、この仕事無理だ」っていうね。社会に求められた事に対して答える事ができない、その理由が自らの性格だったり、あまりに自分とミスマッチがゆえに努力の問題を超越してできるできないの勝負がもうついちゃってるから、ほんと無理っていうやつね。特にまひろが強く描写されていたけど、自分を偽りながら何とか社会に適応しようとするんだけど、それが辛くてしょうがない。で、最後に自ら告白するよね、「私には普通の仕事は無理だ」って。でも、殺し屋っていう唯一の能力と、ちさとの存在がいつもそばにある、という事が支えになっている、と。「どんなに強くても、人は一人では生きていけない。じゃあ、本当の強さってなんだ?」っていう事を考えになるきっかけを与えてくれるシーンだったね。

くに:結局、相手を打ちのめして自分が生き残る事が強さではない、という事が漫画『バガボンド』でも描かれるわけだけど、ベイビーわるきゅーれもそんな事が伝わってくる内容だったよね。本当の強さというのは、敵を作らない術を知っている、ということであって、そういう意味では本当の強さはこの2人にはない。でも、少なくとも自分を理解してくれる誰かがいる、という事が救いになるから、他者を愛し、大事にしろ、ってことだよね。

たけ:色んな映画観てて思うけど、「隣人や他者を大事にしなさい」だったり「自分を偽ること、もーそろやめたら?」というメッセージを放つものが、最近特に多い気がするねー。なんかテンプレみたいなフレーズなんだけど、つまるところ、そういう事なのかなあと。高校卒業するちさととまひろをとおして、このメッセージが放たれているところがすごく感動しました。
くにちゃん、最後にこの映画にピッタリなこの言葉で締めくくってくださいな。

デヴィッド・シーベリー(アメリカの心理学者)
「松の木はその枝を伸ばそうとします。樫の木と張り合おうとしている訳ではない。自分の歌を歌う詩人になりなさい。自分の色を持った画家になりなさい。自分自身であることの権利を信じつつ、あえて目標を定め意図を明確にするならば人生を心配事でくもらせることはないでしょう。人生にはあなた本来の資質に反するような義務はないのです。あなたがあると思い込んでいるだけなのです。もし自分自身であり得ないのなら悪魔になった方がましだ。」

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?