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小説 |「外見ガチャ」を整形フリーで解消する

外見がいい人が得をしてる。

これはもう純然たる事実。
学生時代ヒエラルキーの上位にいたのはいつも格好いいやつ、可愛い子だった。

社会に出ても、外見のいい奴らは僕らよりも無意識に多くのチャンスを掴んでいる。

ちょっとした機会に呼ばれる

なんとなく情報を手に入れる

それによって、チャンスを掴む

そんなことが日常的に起こっている。
海外では、なんかそんな研究結果、外見がいい人のほうが出世するみたいなデータもあるらしい。


決して彼ら彼女らが悪いわけじゃないけど、彼ら彼女らが無意識に得をする世界はあんまり好きじゃない。

いや、端的に嫌いだ。


「外見なんて関係ないよ」

それほんとに言ってる?

本当に言っているなら、それは何にもとらわれない聖人君子か、自分が手に入れることが出来ないから「あのブドウは酸っぱいに違いない」って言ってるキツネかだ。
きっと、後者でしょ?


そんな、ルサンチマンがはびこるこの社会で、美容系スタートアップN社が調達した30億円全てを懸けて

1万人、整形フリーキャンペーン

をすると発表。


「これは悪手だろ」

「ブサイクの僻みキタコレw」

「こどもが不細工になったら可哀想」

「1万人にやると対していじれなくね?」

etc...

投資したVC、エンジェルらは全力でこのキャンペーンを止めにかかり、一般の人達は様々な罵詈雑言を飛ばしてきた。


しかし、CEOのEさんは、

「外見は生まれたときに引かされる『強制ガチャ』。しかもリセマラ禁止。SSRからカスまで幅広い可能性の中、最初に引いた外見で一生過ごすことになる。これって本当に「平等」で、「公平」な世の中なんですか?

と、キャンペーンを決行!


実行すると、はじめは1つとして応募はなかった。

ただ、ある時から堰を切ったように応募が殺到。

1万人の枠にも関わらず、最終的には30万人を超える応募が集まった。


そして、ここから面白いことが起こった。
海外の有名女優Wさんが、

「私は、整形をしたおかげで今の地位がある。整形には運命を変える力がある。このN社を応援したい。」

そうして、  #Changeface  のハッシュタグとともに多額の寄付をN社にしてきた。


はじめこそ、Wさんをバッシングしていた世の中だったが、ある時から一転。

「実は私も・・・」

という声が相次いで、世論は逆転。

整形によって人生を好転させた人達による、カミングアウトと寄付は止まることを知らなかった。



結果、スタートアップN社には、莫大なお金が集まり、希望者全員、希望通りの整形をすることが出来た。

さらに、そこから整形によって成功した人たちが、次の整形希望者に寄付をするという

美のペイ・フォワード

が文化として形成されていった。


今では、

整形を望む人すべて、望みのままの整形を


つまり、

なりたい外見になれる世の中

が実現された。



そんな世の中において、以下のいずれかの問いに140字以内で答えなさい。

1.あなたはこの世界を今よりもいいと思いますか?
2.この世界で起こる問題は何がありえますか?
3.この世界では外見の価値が下がると思いますか?
4.20年後どうなっていると思いますか?
5.成人まで整形できないとすると、高校生の恋愛にはなにか変化が起こると思いますか?
6.あなたはこの世界が好きですか?
7.何でも思うことを。


もし、少しでも思うことがあったら、twitterでコメントつけてシェアしてもらえると嬉しいです。
おあとがよろしいようで。


マンガ化してもらいました!


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#こんな社会だったらいいな  
#フィクション   ですよ?そんなにルサンチマンはないはず。。
#小説  の種

#スペキュラティブデザイン

問題解決型のように「未来はこうあるべきだ」と提唱するのではなく、スペキュラティブデザインは「未来はこうもありえるのではないか」という憶測を提示し、問いを創造するデザインの方法論である。このデザインの目的は、未来を予測するのではなく、「私たちに未来について考えさせる(思索=speculate)ことでより良い世界にする」ことである。上記のようにしばしば、問題解決型のデザイン思考と対比される。このスタンスは、世の中の価値や信念、態度を疑って、さまざまな代替の可能性を提示する役割を担っている。



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