小説 | モテなければ人間失格
14歳。人生に悩んでたのか、本を読むようになった。中でも印象的だったのが『人間失格』。詳細は覚えてないが、この本をきっかけに強烈に意識するようになったことがある。それは
である。なぜかはわからない。なんとなく覚えてるのは、その道を通らないとわからないことが人生の半分以上ある、という主人公やその周囲の(偏った)思想にあったように思う。
この観念は、結構なレベルで私の人生を蝕んだ。
傍目には「モテたい!」という同級生たちと差異がなく、若さというこの時期特有の煌めきを存分に発しているようにみえたことだろう。ただ、私の中では、焦燥、嫉妬、絶望、などの重苦しい単語が絶えずぐるぐると回っていた。
最近その頃の写真を見た。
比較的整った外見をしていたこと、「モテ」というものに(動機はどうあれ)本気であったこと、周りの同級生はまさに煌めきのど真ん中にいたことなどから、その写真はとても華やかで、人によってはその写真をもって「青春」と評することに些かの躊躇もないだろう。ただ、私が、今の私がその写真を見て感じたのは、恐怖、である。この私は何も見ていない。何も感じていない。
何も、、ないのだ。
20代後半。仕事で大きな失敗をし、退職することになった。そして、人に会うのが怖くなった。そうすると必然的に「モテる」場がなく、モテなくなった。覚えた飲み会での振る舞い、ご飯のときの仕草、あざとかわいい言動。それらを全て使うことなく、自分1人で部屋に閉じ籠る。
やることもないので、本を読むようになった。今の現状をどうにかしたくて、自己啓発というジャンルの本を読み漁った。そうしたらわかった、私は、
そうだ。これだ。間違いない。
これが私が求めてたものだ。
今度は写真を見直すのが楽しみだ。
私、、、これであってるよね?
〜fin.〜
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