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90秒の物語。

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90秒で読んで、一日浸れる物語書いてます。 ただし『やさしい復讐』は超長編。 note創作大賞2022の中間審査に通りました。 https://note.com/kun1ak… もっと読む
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#忘れられない恋物語

小説 | スマホをなくした

スマホがない! あれ、昨日ヒロキとご飯を食べて、、それからどうしたっけ? 記憶が曖昧だ。飲みすぎたかな。 ただまあ今日は休みだ、仕事もない。早起きなんてしなくてもいい。 二度寝だ二度寝♫ あとでスマホについてはヒロキに聞いてみよう。 夢を見た。 ヒロキと一緒に白い家に住んでる。カーテンは青だ。大きい犬もいる。 ヒロキと私にちょっとずつ似ている子供が庭を駆け回っている。 幸せな夢だ。 起きたら少し頬が濡れていた。 結婚したい、やっぱり私はそう思ってるんだろうなー。 私達

小説 | 暴食ちーちゃん

ちーちゃんは何でもパクパク食べる。 どんなものでもむしゅむしゃ美味しそうだ。最近のブームは冷蔵庫らしい。 「ゆーとくん知ってた?日本製は少し甘みがあって、中国製は酸っぱいんだよ!どっちも捨てがたいんだけど、私は中国産の方が好きかな―。なんか癖になる……」  ちーちゃんがあまりに美味しそうに食べるから、僕も食べてみたけど美味しいとは思わなかった。普通にカレーとかハンバーグのほうが美味しい。そのことを伝えると彼女は「まだまだこどもねー」とお姉さんぶって言った。1歳しか違わな

小説 | わかりにくい彼女

焼き肉を一緒に食べに行った帰りにキスされた。 外見、性格、タイプど真ん中の、小動物のような彼女。 いっつもニコニコ楽しそう。 僕のこと好きっていうくせに、付き合いたくはないらしい。 僕の友達の前で、僕への好意を隠さない。どれだけイケメンの友達に会っても、興味ないみたい。愛想はいいけど、だれといても僕が一番、そんな気持ちが伝わってくる。元カノたちは、隠れて連絡先交換してたりしたのに。 不意にキスしてくるくせに、手は繋がない。 僕はわからなくなった。 でも一緒にいるのは楽

小説 | 嫌だなぁと思うと能力が増える

僕は14歳頃から「嫌だなぁと思うと能力が増える」ようになった。 たとえば、外で急に雨が降ってずぶ濡れになった時、本がめちゃくちゃ速く読めるような「速読スキル」が身についた。 他にも鳩のフンが頭の上に落ちてきた時、二桁の掛け算ができる「暗算スキル」が身についた。 おもしろくなって、色々試した所 「嫌だなぁ」って気持ちの大きさが、身につくスキルの便利さに影響を与えているみたい。 だから「嫌だなぁ」って思うことが起こりそうなことを色々してみた。 不良がたくさんいるゲームセン

小説 | 友達の彼女の誕生日

今日は友達の彼女の誕生日。 でも今日、一人らしい。 「お祝いしよっか?」というと「うん!」と嬉しそう。 その子の家の近くにオシャレなイタリアンがある。そこを予約し、誕生日用にお花とケーキを用意してもらった。最近はネットで完結する。便利なもんだ。 二人で会うのは初めてかもしれない。 僕たちは「3人」で仲がいい。 なんかちょっと緊張してきた。 待ち合わせに現れた彼女。 「お祝いしてもらおうじゃない」っていたずらっぽく笑う彼女は、僕の知ってる「いつもの」彼女だった。ほっと胸を