文学フリマ東京36で散財した日
5月21日(日)に東京流通センターにて開催された「文学フリマ東京36」に参加しました。本記事では、1日の振り返りと購入した本を紹介いたします。
【入場から退場まで】
12時からイベントが始まるため、11時45分ごろに流通センター駅に到着。下車する人が多く、階段は大混雑。そのため、交通カードのチャージ待ちが発生していました。
入場待ちの列はすでに長く、途中で列を折り返さなければならない状態。12時が近づくにつれて来場者が増え、歩道にまで列が伸びていました。わたしは30分ほどで入場できました。
最初は第一展示場をまわり、メモをしていたブースやその近くを見て回りました。今回は短歌、幻想小説に絞っていたのですが、気づくとトートバッグが一杯になり……。
購入するにサインをお願いすることもできるので、気になる作家さんがいると非常に楽しめるのではないかと思います。一般流通する作品を出版している方はサインペンを持っているのですが、そうでない方はペンがない場合があるので持参推奨です(恐縮しながら書いてくださる)。
第二展示場では、芸術系や二次創作、小ネタ情報系のブースが多い印象。今回は30分ほどしか滞在できなかったのですが、面白そうなブースが多かったです。
また、クルミド出版さんのコーヒーが出店していたので、はじめて飲めました。
【便利だったもの/悔しかったこと】
・便利だったもの
まずは縦長のトートバッグ。購入した本をすぐさま収納できます。
次に1000円札、小銭です。お釣りを用意することは出店者側の負担になるため、ぴったりの金額を支払えると喜んでいただけます。
名前がわかるものがあると、サインの為書きを入れていただく際に重宝します。わたしはajiroさんの納品書の裏紙にメモしていたため、「この文字です」と示すことができました。
・悔しかったこと
有名な作家さんのブースは完売が早いです。斜線堂有紀さんのブースに行った際にはすでに……。また、「これが最後の1冊です」とぎりぎりだったブースもありました。
もし、絶対これだけは欲しいという目的がある場合は、先にそこに行きましょう(なぜ後回しにしたのかと言われそうですが……)。
【戦利品紹介大会のふりかえり】
今回は3名が参加してくださいました。16時半ごろに浜松町駅に戻り、飲食店探し。駅地下のカフェやファミレスは満席で、大門駅で場所を見つけることができました。
驚いたのは、ほとんど購入本が被らなかったことです。文学ラジオ空飛び猫たちさんの冊子では、ポッドキャストで紹介された作品がずらっと掲載されていて、そのリストだけで話し続けられそうでした。
3時間ほど回っても、まだ見ぬ面白そうな本が眠っている魔窟、それが文学フリマ。
【購入本の紹介】
・オトナアリス『オトナアリスブック-地上のアリス-』
川野芽生さんの短歌が掲載されているロリータ服の写真集。非常に豪華です。
・津原泰水文章講座『文章講座 植物園』
先日お亡くなりになった津原泰水さんの文章講座生による作品と、単行本未収録作品を掲載。
・田畑書店 ポケットアンソロジー
クラフト・エヴィング商會デザインのカバーと、その場にいたお客さんセレクトの作品などを選択。自分でアンソロジーをつくるという楽しみ方は、マイベストCDをつくる感覚に似ている気がします。
・兎影館 皆川博子「香妃」
好きな作家さんの掌編を収録した小冊子。
・hako books 「たやさない」
製本が面白く、表紙を切った部分をしおりになっています。
・『ムジーク!ムジーク!ムジーク!』
気になる歌人が参加している合同誌。表紙も好き。
・クルミド出版
版画をつかった絵本と気になる本を購入。文フリに行くと、毎回寄りたくなる出版社。今回はコーヒーコーナーがあったので、はじめて飲みました。美味です。
・たなかときみ
ストリップ鑑賞初心者向けの解説書。全国にこんなにも多くの劇場があることに驚きました。一度は行ってみたい場所。
・翻訳編吟
読書アカウントで頻繁に見かけていて気になっていた本。編吟(ペンギン)でこのかわいいロゴなのですかね。ブースでお話もしてくれて嬉しかったです。
・Cato Triptyque
幻戯書房から『部屋をめぐる旅 他二篇 (ルリユール叢書)』を出版しているサークル。その中から1冊購入。古典的名作を翻訳して出版するルートが、文学フリマにあることに希望を感じました。
・おざぶとん
表紙からダークな印象を受け、買いたくなりました。アンソロジーには好きな同人作家さんもいたので、3冊購入しました。著者の八束さんにサインをいただきました。
・朝暮三文『我が尻よ、高らかに謳え、愛の唄を』
河出文庫で5月に出版されたばかりの作品。おみくじと著者のサインをいただけました。
・はたらきアリ出版
東京西荻窪の出版社。文芸誌『文藝蟻酸』と『歌集 不可視光線』を購入。2冊購入でエコバッグをいただけたのですが、「最後の一枚です」と教えていただき、幸運でした。
・縹ノ森
中国の福建省から来日した著者・林柏和さんによるエッセイと掌編。非常に凝ったつくりの本で、こちらは100円とお買い得。我特别喜欢看中国人写的日文。
・Little Curly
復刊した作品とシリーズ本の1冊を購入。シリーズでも各巻で完結しているようなので、買ってみました。
・灯心書房 川瀬みちる
『灯台へ』というタイトルから連想した通り、ヴァージニア・ウルフを意識した作品のようで、読むのが楽しみです。
・呼吸書房 風野湊
帯が巻いてあると、それだけで目をひきますね。幻想短編集を購入しました。しおりがおしゃれ。
・奇遇
岡本真帆さんと丸山るいさんの歌集。本の綴じが良い(コデックス製?)。壊れそうな危うさがある。
・短歌ユニットたんたん拍子
toron*さんの短歌エッセイ『メテオール』を2冊購入。
・点滅社
『展翅零第一歌集 incomplete album』を購入。表紙の魔力。シールももらいました。
・書肆侃侃房
話題の『現代短歌パスポート』を購入。他にも気になる本がたくさん並んでいましたが、すでに散財済みだったため我慢。
・ナナロク社
造本が素敵な出版社。今回は既刊から1冊と準備号を購入。
・桐島あお
Twitterで気になる短歌を書いている方の歌集と小説をまとめ買い。しりとり企画にも「ウミウシ」で参加させていただきました。
・小柳とかげ
不思議な魅力を感じた掌編小説。こちらも表紙が素敵な作品が多かったです。
・今野日日
イラストと短歌が正方形の本にまとめられていて、「アルパカ」の歌に一目ぼれ。
・薄禍企画
矢部嵩さんの掌編を読みたくて購入。目次を見ると豪華な顔ぶれで驚きました。
・クオン
韓国文学の火付け役的出版社。今回は昨年よく売れたというショートショートとサイン本を購入。いつか、喫茶店にも行ってみたいです。
・氷点下
最近『結晶質』を出版した安田茜さんの歌集。サインと短歌を書いていただけました。
・明滅する彗星
溺れるさんと藤宮若菜さんの歌集。お二人のサインがかわいらしかったです。
・木爾チレン
新刊含め、2冊を購入。サインもいただけました。著者の横で大人しく座っていましたが、やはり旦那さんだったようです。せっかくなので、連名でサインが欲しかった。
【おわりに】
今回は過去最大級の散財をしました。後悔と満足感が半々。集計したところ、諭吉さんが5名出ていかれました。一般書の積読に同人誌の積読。部屋に足の踏み場はなく、掃除機はノズル式で使用するほかありません。
また、今回の参加は買い物だけではなく、別の読書会で11月の文学フリマ東京に参加するため、コロナ後のイベントの雰囲気を知るという目的もありました。
わたしは小説と短歌、エッセイなどの執筆、編集や広報にも携わるので、近々宣伝するかもしれません。
その際は、かまっていただけると嬉しいです。
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