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【活動録】第12回カムクワット読書会【西崎憲『本の幽霊』】

本日はカフェにて読書会を行いました。参加者は3名で、4冊も『本の幽霊』が一堂に会することは、大型書店でも見られないのではないかと思います。

4冊集まると圧巻

本の幽霊

全115ページの短編集。翻訳者であり編集者、歌人でもある著者による「本」にまつわる作品が多く収録されています。読書会に言及している作品あり、誰かと語り合いたくなる小説だと感じます。

作品は風景描写が丁寧であるため、現実と幻想が途切れることなく自然に感じられ、小説ではあるのですが「嘘くさく」ありません。

エンタメ小説のようにオチがあるわけではないので、雲の上を歩くような読後感があり、現実的描写から幻想的描写への変調には歌人としての跳躍力を感じました。

なかでも「縦むすびのほどきかた」という短編は、どうして「縦むすび」かという議題が挙がりました。わたしは京都の銭湯を訪れた主人公が夢想する、その町に生きる人々が続けている生活の歴史。つまり時間的つながりと解釈していましたが、そこにはさまざまな人との「関わり」があり、それによって一本の時間の糸が絡まってしまうというイメージが浮かびました。

ランチ会

読書会後、横浜駅ビルのNEWoManの「800°DEGREES CRAFT BREW STAND」にてランチを食べました。

ランチセットのホットドックはソーセージが大ぶりで、レモンクリームソースが美味しかったです。

ランチセット

ランチ会では課題作品から離れて、読書以外の趣味として映画や散歩、美術館巡りなどが話題に上りました。しかし、一人飲みで読書や文芸誌の楽しみ方など、読書の話題に戻るのは読書好きらしいなと感じました。

以下、話題に上がったもの。

・エゴン・シーレ展

・家長むぎ

・『文學界2023年3月号』より「ブックオフにとって文学とはなにか」

おわりに

午前中のみの読書会の場合、ランチを通して本と無関係な話ができて楽しかったです。先日の散歩会でも感じましたが、(特に趣味を共有している人との)雑談は魅力的です。

来月は、午前の部と午後の部に分けて開催しますが、何とか雑談の時間を作れないか考えてみます。

本日はご参加いただき、本当にありがとうございました。

帰り道で見かけたお猫様

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