「日常レストラン」全メニュー紹介・原作ネタまとめ
東京/名古屋パルコ開催の「日常レストラン」に行ってきました。(来店日:2023/01/24, 02/19-20)
※3/30追記:心斎橋パルコの会場にも行ってきました。
ポップで洒落た外装と作り込まれた漫画原作ネタが合わさって、『日常』ファンであればライト層もディープなオタクも揃って楽しめる、素晴らしい企画になっていたと思います。
ただ折角ネタが細かいのに、出典の検証をしている人がほとんどいなかったので(※)、この記事では各メニューの原作ネタを拾い上げていこうと思います。
会場内の展示物については、後日公開予定。
同時開催していた「あらゐけいいち展」に関しては、別記事にまとめています。
以下、引用する漫画のコマは、あらゐけいいち著の単行本『日常』『Helvetica Standard』kindle版(カドカワデジタルコミックス)より引用。掲載ページ数は画像の下に付記しています。
レストランメニュー①(はかせと阪本)
はかせのデザートオムライス
元ネタは「コミック通信」収録エピソードより。はかせがケチャップで描いた笑顔のオムライス。
サメ型クッキーは、はかせの好物であるお菓子・サメカステラ(6巻「日常の93」)orサメチョコ(5巻「日常の84」)からの連想だと思われます。
サメのフォルムが6巻「日常の100」で麻衣が描いたヨシキリザメのイラストに対応しているのが、芸の細かいポイント。
食器・グラスはそれぞれ「日常レストラン」にて販売中の商品でした。
瞳を輝かせるはかせのイラストは、6巻「日常の100」から。元ネタのはかせは、お菓子ではなく麻衣の描いたサメの絵を見て表情を明るませていました。
”強力のり”ティラミスパンケーキ・阪本さんアイスココア
元ネタは「日常の45」より、「強力のり」を発明したはかせと、のりに引っかかった阪本。
使用されているイラストは、レストラン開催に際してのリメイク描き下ろし。こうして並べてみると、画風の変化が顕著に見て取れます。
レストランメニュー②(なの)
なののOILドリンク
元ネタは1巻「日常の3」より、麻衣がなのに提供したオイル。「直球(オイル)きたー!!」
漫画のネタを完璧に再現するのなら、「オイルを飲まずに持って帰る」のが正解なんですが、瓶は持ち帰り不可でした。残念。
はかせが食べたいロールケーキ
元ネタは1巻「日常の13」より、なのの腕に仕込んだロールケーキと、4.5牛乳。
原作漫画を読んでいるときは気にしていませんでしたが、「ロールケーキを丸ごと一本平らげるのってかなりお腹が膨れるな…」と実食してみて思いました。はかせも晩御飯が食べられなくなるわけです。
牛乳は「日常レストラン」商品「ゆらゆらグラス」。
「ゆらゆらグラス」の裏面。
レストランメニュー③(みお)
ホットラテ(みお)
元ネタは8巻「日常の127」より、催眠術にかかった演技をするみお。
このホットラテ、絵柄が8種類あるのですが、
東京会場・名古屋会場ともに最初に届いたラテが同じみおの絵でした。そんなことある!?
ウッドキューブ(東京/名古屋/大阪ver.)
元ネタは4巻「日常の57」より、フェイ王国第二回。兵士30番が飛行船より投げ捨てたチアリーディングのポンポンがみおのおさげと入れ替わる場面(文字にすると「なにそれ?」感がすごい)。
東京・名古屋・大阪で味付けが異なっていました。東京会場ではミックスベリージャム、名古屋会場は小倉餡が添えられていました。大阪会場はソースが散りばめられ、タコ焼きが丸ごと入った一品に。
エーコンベッグバーガー
元ネタはホットラテと同じく、8巻「日常の127」。
「本格的な馬鹿」を演じるみおの台詞をレストランメニューにしよう、という発想が異次元でもう面白いと思います。
あと、ベーコンエッグバーガー・ミソスープ・あんころもちという組み合わせが新体験で、シンプルに創作料理として満足でした。
レストランメニュー④(大工財閥の商品)
「焼きそばだよ!!!」
店員さんがちゃんと「焼きそばです」と言って持って来てくれるのがポイント。パックを開くと、
元ネタは4巻「日常の46」にて、焼きそばを焼き鯖と聞き間違えるエピソード。『日常』の中でも一二を争う有名な話ですね。
食べ物ネタなのでメニューで使われるのは予想が付きましたが、再現度100%でオチが解っていても笑いました。
パックの蓋に描かれている「大工ストア」という文面も原作再現です。
時間差で、焼きそばを運んできてくれるので一安心(?)です。
トッピングとして乗っている鳴門巻きは、8巻「日常の129」で安中さんが福引で当てた「豪華シーフード」が元ネタ。
ちゃんみおスペシャル
カップは持ち帰り可能でした。
元ネタは4巻「日常の67」と「日常の68.5」。大工喫茶(DAIKU COFFEE)にて間違えてミニサイズのエスプレッソを頼んでしまったゆっこと、「ホワイトチョコレートモカスムージーに~」と流暢に注文するみおの対比を再現しています。
ちなみに、アニメ版『日常』の放映からまもない頃、みおの注文した商品は、ファンの間で「ちゃんみおスペシャル」の愛称で呼ばれていました。スターバックス・アトレ秋葉原店では、「ちゃんみおスペシャル」の一言で注文が通るという逸話がありました。
今回、公式が「ちゃんみおスペシャル」の名称を十年越しに拾ったことになります。
https://twitter.com/moririnmonson/status/297032202141700096
レストランメニュー⑤(プロトタイプみお)
王将ケーキとモンブランセット
元ネタは「日常のプロトタイプ2」より、よしのによって将棋のコマを突き刺したショートケーキ&モンブラン。ケーキを持ち運ぶ箱がなぜか「北多方らーめん」であるところも完全再現。
出典の「日常のプロトタイプ2」は、あらゐ先生がコミティア75にて発表した同人誌であり、第22回エース新人漫画賞を受賞した作品でもあります。『日常』という作品の歴史はじまりとして、重要なエピソードでした。
「北多方らーめん」の箱の側面には、同エピソードより姉に詰め寄るみおのコマを掲載。
王将を引っこ抜くと誕生日(誕生日ではない)サプライズになる仕掛けも完全再現。「ハッピバースデートゥーミー〜〜〜」
レストランメニュー⑥(大福の中之条)
元ネタは1巻「日常の16」より、大福フェアで売り込みをする大福くん(中之条父)。
「エーコンベッグバーガー」であんころもちを使用しているからか、餡子入り大福ではなく「雪見大福」風のメニューになっているのが面白いですね。
レストランメニュー⑦(ゆっこ)
日常キャンプカレー
元ネタは4巻「日常の51」でゆっこがこぼしてしまったカレーと、たまたま持ってきていたトコロテン。
ご飯を河原に見立てて、その上にゆっこを置き、「鍋からカレーをこぼしてしまい血の気が引く」ミニチュアを再現する天才的なメニューになっています。
作中にてカレーを煮込むときの擬音がグツグツではなくグトグトだったことに、メニュー表の説明文を見て初めて気づきました。
みおがお酒と間違えて持ってきた「酢」が付け合わせでついてきます。「なんぼのもんじゃーい!!!」「みおちゃん!!やめな!!死ぬよ!!」
原作漫画ではミツカン穀物酢そのままのデザインだったので、kamakuraをロゴマークに置いたオリジナルデザインに変更されています。企業名も「ミスカン」に。
(ちなみにアニメ版のキャンプ回「日常の第6話」では、ミツカン表記もkamakuraもなく、シンプルに「酢」と表記されていました)
日常弁当
紹介文にもある通り、複数の原作漫画ネタが詰め込まれたお弁当。
『日常』kindle版1巻(位置No.26/184)
メインの元ネタは1巻「日常の2」に出てくる麻衣のお弁当。ゆっこが食べたブロッコリー・ハンバーグ・りんご・白米(と食べなかった黒豆)を配置。
『日常』kindle版1巻(位置No.115/184)
タコさんウインナーは1巻「日常の12」より、床に落としそうになったウインナーをゆっこが必死に拾おうとするエピソード。
写真では隠れていますが、ハンバーグの下には1巻「日常の1」に出てくるサーモン(シャケ)がこっそり置いてありました。
あとは1巻「日常の13」より、ロールケーキを食べ終えたはかせが冷蔵庫から取り出そうとしたバームクーヘンも存在感を放っています。
『日常』kindle版7巻(位置No.122/168)
「なんだかごはんだけじゃ無理」なゆっこは、7巻「日常の119」からの一コマ。
「灼熱の夏が過ぎ去った後の安堵とたよりなく温度が下がっていく事へのもの悲しさ本格的な秋の始まりとこの時間がたったごはんの温度は不安定の中にもどことなく新しい自分を探せる扉を開いた様な新鮮な気持ちにさせてくれます」
あらゐ先生が昨年(2022)年末のラジオ放送で、「こういうレストランで黒豆出てくるの初めて見た」と笑いながら話されていたのを思い出しながら食べました。
メニュー表
キービジュアルにてゆっこが持っているメニュー表を再現したデザインです。
料理を食べてみて驚いたのは、どのメニューもシンプルに美味いということでした。
ぶっちゃけた話、商品としての一番の売りは『日常』というコンテンツとのコラボですから、味については二の次でも良いはずです。が、味にもこだわりが感じられるのが、昨今のコンセプトカフェ文化の洗練を感じることができました。
明日より開催予定の大阪会場は近場なので、『CITY』の真壁鶴菱よろしく、「大将いつもの!」でオーダーが通じるぐらい通い詰めたいと思います。
各会場の展示ポップや販売グッズについては、後日まとめる予定です。
(※)らと/七篠さんが下記リンク先にて、レストランメニューの元ネタについて言及しています。
らとさんとは東京会場にて同席させていただきました。その節はありがとうございました。
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