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防災意識の向上と罹災後の備え

今日は、東日本大震災の日です。あれからもう、10年も経ちました。時間の経つのは早いものですね。

2011年3月11日…東日本大震災の日です。私は神奈川県にある実家まで向おうと地元の東武野田線鎌ヶ谷駅のホームで電車を待っていました。実家にいる年老いた母の世話をするためです。

すると大きな揺れが発生したのです。下の動画は、そのとき私がスマホで撮影したものです。駅の階段にある大きな照明が揺れで片方が外れてぶら下がっています。駅前のバスロータリーを囲むように建つマンションの壁面からは小さなブロックが剥がれ落ちていました。もちろん頭部に当たったら怪我をするどころか死んでしまいます。ヘルメットが必要ですね。

当日の画像です。スマホで撮影したものです。当日の雰囲気は伝わると思います。この私の動画は、YouTubeでは評価が低いのですが(笑)、発生直後の自身の記録として大事にしております。

ちなみに我が妻は震災時に保険の営業をしていて、津田沼から船橋まで国道14号線を歩いて、船橋からバスに乗り、さらに同乗者の世話をしながら歩いて夜中に疲弊して帰宅しました。その間、私たちはPHSでやりとりができたので、妻の足跡を知ることができました。あの頃のPHSは、唯一つながった素晴らしい通信手段でしたね。

神奈川の母も、この4年後の2015年に亡くなりました。その前年には義父が亡くなっています。

「防災とは…」

少し前にも書きましたが、今回も防災について書いてみたいと思います。

一般に「防災セット」というものがたくさん販売されています。間違いとは言いませんが、“防災”というのは災害を防ぐということです。しかし、防災セットの中身は、水や非常食にアルミシートに懐中電灯内臓ラジオなどです。セットの内容では災害を防ぐことはできません。正しくは「罹災後の備えセット」です。まあ、一般的には防災セットなんですけどね。

昔の非常食といえば、乾パンや缶詰が主体でした。あくまでも非常食ですから、我慢して食べるというほどではありませんが、子どもが食べるには辛かったと思われます。今の非常食は昔と違って子どもでも美味しく食べられるものが沢山登場しています。

以前にも書きましたが、非常食は、日常で食べ、その味に慣れることと、消費期限切れをなくすというローリング・ストックがよいのです。

「ミドリ安全.comによる実態調査」

さて、安全靴や作業着等を販売する通販サイト、ミドリ安全.com( https://midori-anzen.com/ )は、子どもと同居する20歳から49歳の全国の母親800名に対して、家庭での防災への取り組みや防災食(非常食)の備えについての実態調査を実施したそうです。概要のみ紹介してみます

調査結果の詳細をご覧になりたい方は 下記サイト↓ を参照ください。

以下に結果の概要を紹介します。

1.防災食(非常食)の備蓄率は49.7%。46.3%の家庭が「全く備えていない」と回答。地方別備蓄率は関東が64.0%でTOP、最も低いのは中国地方で40.0%
2.防災食(非常食)を備えていない理由
1位「何を備えてよいか分からない」、2位「備えたいがつい忘れてしまう」、3位「お金がかかる」
3.食べた分だけ買い足す備蓄方法「ローリングストック」の実施率 17.1%
4.居住エリアの避難場所を明確に把握できている 35.9%
5.「ハザードマップの内容」6割超が見たことがないと回答
6.「“3密回避“のための避難方法をしっかり把握できている」14.4%
7.非常時にすぐに持ち出せる防災バッグ・防災セットを用意している 34.4%
8.「感染拡大リスクを抑える『分散避難』の方法」9割が未把握
9.家庭の「水害対策」70.6%ができていないと回答(最多理由は「何をしてよいか分からないから」)
10.家庭の「停電対策」66.4%ができていないと回答(最多理由は「何をしてよいか分からないから」)

なんと、阪神淡路大震災、東日本大震災、それに毎年発生する災害を経験しているのに、半数近くが防災食(非常食)を備蓄していないのです。それだけではなく、災害に対する対策ができていないばかりでなく、人生を左右するかもしれない被災という出来事に対する心構えができていない方が多いのです。

私たちは普段から、いつ発生するかわからない災害を意識し、しっかりとした対策を考える必要があります。

「多様な災害について」

内閣府のサイトに「災害対策基本法」について書かれたものがあります。お時間があれば参照下さい。

災害には地震、津波、台風、火災、竜巻、集中豪雨などの自然災害と、人工物が倒壊したり爆発したり、今回のようなウイルス感染症のパンデミックなどがあります。

写真は東日本大震災の翌年2012年に茨城県で発生した竜巻によるつくば市北条地区の被災後の写真です。僕が竜巻発生の翌日に現場に行って撮影したものです。

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北条地区の街の中心部を走る県道は、折れた電柱や建物の瓦礫などで通行不能になっていました。竜巻に吹き飛ばされた瓦は、手裏剣のように分厚い壁に突き刺さり、ガラスをたたき割っていました。

東日本大震災も多くの建物が震災によって倒壊したり、震災後の津波によって多くの建造物が、のみ込まれて流出。津波が引いた跡は、数え切れないほどの大小の瓦礫によって埋め尽くされていました。

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「頭部を守る」

多くの災害の場合では頭部と足元を守る必要があります。頭部はヘルメット、足元は安全靴で守ります。といっても、ヘルメットは大きくてかさばります。そこでミドリ安全の「折りたためるヘルメット“フラットメット”」です。折りたたみ防災ヘルメットでは業界最薄の3.3cmの薄さを実現しました。素地が薄いので折りたたんでもかさばりませんし、コンパクトになるので場所を取らず備蓄に最適です。おまけに飛来・落下物用国家検定合格品ですから、災害時でも安心です。しかも信頼の国内生産です。

さらに、フラットメットは従来のヘルメットに比べ、体積を40%も削減できます。20個入りの梱包箱:幅約640mm×高さ約255mm×奥行約470mmというコンパクトさです。専用袋に収納できます。僕は普段、これを持ち歩いています。

「足元を守る」

足元を守るには安全靴が良いのですが、デザインがゴツく、つま先を覆う鉄製の先芯が重いので、通常履きを躊躇されることかと思いますが、今の先芯は樹脂製で軽く、高品質な牛クロム革を使用した贅沢なものがあります。たとえばミドリ安全の「プレミアムコンフォート」のような製品があります。僕は出版社時代にこの靴を履いていました。毎日履いても、結構長持ちしましたよ。

さらに、防災シューズと銘打った画期的な製品もあります。それが先芯入りスニーカー ワークプラス SL-603 P-5です。これも先芯は樹脂性で軽いんです。最大の特徴は靴底に「0.5ミリのステンレス板」が内蔵されていることです。0.5ミリと薄いのですが、靴底の素地と相まって尖った瓦礫や、建造物の破片から飛び出た釘などを踏み抜くことなく足を守ってくれます。

生地が柔らかいのでグイッと押さえ込んで、付属の専用袋に収納する事が可能です。収納スペースをとらないので備蓄にも最適ですし、普段履きにしてもかっこいいです。僕は現在、こっちを普段履きにして愛用しています。

「呼吸器と目を守る」

被災地では瓦礫の埃や塵から呼吸器と目を守る必要があります。そこで、マスクと保護メガネが必要です。

マスクは、できればN95マスクをお勧めします。N95マスク(Particulate Respirator Type N95)とは、アメリカ合衆国労働安全衛生研究所( NIOSH)のN95規格をクリアし、認可された微粒子用マスクのことをいいます。試験粒子を 95% 以上捕集できるマスクです。

今回の新型コロナウイルスのニュース映像では、医療関係者がこのマスクを使用していますよね。もともとは工事現場などでの防塵マスクとして使用されていたのですが、微粒な感染性ウイルスにも効果を上げたことから医療用としても使用されることが多くなりました。

つまり、被災地での防塵マスクとしてN95マスクは効果があるのです。

ちなみに医療用として使用されるマスクを「サージカルマスク(手術用マスク)」と言います。前述のように感染性ウイルスが微粒な場合にはN95マスクが使用されます。私たちが普段使用している不織布のマスクもサージカルマスクです。

N95マスクは高価で、何か事が起きるとすぐに品切れ状態に陥りますから、これも備蓄が良いと思います。ただし、使用期限は約5年です。ちなみに僕は2009年の新型インフルエンザ(豚由来)パンデミック時にN95マスクを100枚ほど買って備蓄しましたが、当然、使用期限は切れています。それでも昨年は都内に出かける際にはこのN95マスクをしていきました。

もうひとつは保護メガネです。これは防塵用が最適ですが、今では花粉症用でも高機能のものがあり、目を守ってくれます。

保護メガネは感染症の飛沫ウイルスからも目を守ってくれます。

さらに瓦礫で手を切ったり、棘を刺してしまう可能性もありますから、軍手だけでなく、ケプラー製などの耐切創手袋も重要です。

火災用に使える防火手袋もあります。

さらにスーパーのレジなどでは、対ウイルスのためにゴム手袋やニトリル手袋などをしていますが、長時間の使用では内部の蒸れや素材によるアレルギー反応を起こす可能性があるので専用のモノが欲しいですね。

通気性が良く殺菌作用がある繊維を使用した手袋があります。ミドリ安全は、抗菌・消臭・抗ウイルス機能を持つ繊維「DEW®」を、国内では初となる手袋に採用しました。

「災害を意識し、災害に向き合う」

人生の中で、歴史に残るような大きな災害に出逢うことは稀だと思っていましたが、僕の64年の人生の中でも「阪神・淡路大震災」、「東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)」の大災害以外に「新潟県中越沖地震」「熊本地震」「北海道胆振東部地震」など無数の震災がありました。もちろん、我が国特有の台風や集中豪雨による水害や火山の噴火も毎年のように発生しています。

さらに「2009年新型インフルエンザパンデミック」そして、今回の「新型コロナウイルスパンデミック」という感染症災害も発生しました。世界に目を転じると「重症急性呼吸器症候群(SARS)」や「中東呼吸器症候群(MERS)」に「高病原性鳥インフルエンザ」など恐ろしい感染症が発生しています。

そして、私たちは、災害が発生する度に「それなりの対策を打ってきたが、今回は“想定外”の災害だった」と言い訳します。多くの人命が失われ、経済的損失も巨大な災害に想定外は禁句です。あらゆる災害と連動して起きる事象を常に分析・研究して、いざというときに迅速に対応できる意識と、万全に近い対策が重要なのだと私は思います。

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