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若き才能に嫉妬するばかり

鬼滅の刃…人気がありますね。既に連載が終了している漫画が人気なのです。テレビ放送のアニメは観ましたが、原作を読んでいません。僕は流行に流されるのは大嫌いですが、一般大衆の一員として、それがどのようなものであるのか? 正しい評価をしたい(上から目線? 申し訳ない。僕の場合は下から目線です)ので、少しでも興味のある漫画(漫画だけではありませんが)は、必ず単行本を購入して確認します。残念ながら“仲間、仲間”と、うるさいだけの「ワンピース」には画力とヲタク的な登場女性キャラクターのエロ以外に何の魅力も感じませんでした。

少年ジャンプの売れる漫画というのは、ドラゴンボール以降、全て“主人公たちが戦うだけ”の内容で、何が面白いのか、人の心を掴むのかが、皆目見当がつかないのです。もしかすると僕が高齢者だからなのかもしれませんね。

さて、鬼滅は、ワンピースと違って、舞台が日本であり、時代も何故か大正時代ということで非常に興味がわきました。おまけに僕好みの“血みどろ残虐な和風ダーク・ファンタジー”であります。ワンピースでは単行本を購入して損しているので、まずはお金のかからないテレビ放送のアニメから観ました。ちなみにこれも戦う漫画です。

「大正時代の年末…明くる年の正月を少しでも豊かに過ごしたいと炭焼き職人の主人公竈門炭治郎が家族を残して麓の町まで炭を売りに行きます。正月を少しでも炭が全て売れて喜んで帰宅しようとすると、途中で知人の男性に“これから山に入れば鬼に殺されるからウチで泊まっていけ”と言われて一泊します。翌日、帰宅すると家族は鬼に殺されており、生き残った妹の禰豆子は鬼に血を注入されて半鬼になっています。妹に襲われて主人公が妹を涙ながらに“鬼なんかになるな”と説得すると人間の心を取り戻します。そこに鬼殺隊の冨岡義勇が現れて炭治郎を鬼殺隊に導く」といったイントロです。

アニメというのは、原作がどんなに稚拙な絵でも上手にカタチを整え、しかも動くわけですから良いのです。原作を購入しようと思って書店に行ったら、店頭には数巻を残して殆ど在庫はありません。店員さんに聞くと「出版社にも在庫がない」ということでした。

一瞬でも漫画家を目指した僕が諦めたのは“絵が下手だから”でした。自分は下手だからこそ他人の画力に関してはうるさいのです(アマチュア以下の画力しかない僕ですが、申し訳ない)。さて、鬼滅の単行本を数巻を購入して読んでみると、吾峠呼世晴さんの絵は、ヲタク的な絵柄で可愛いのですが、肝心なカタチは、それほど整ってはいません。

初めの頃は、コマ割りってんですか…ゴチャゴチャしていなくて全体的に爽やかな雰囲気です。描線も丁寧です。それが物語が進み、じょじょに鬼との戦いが増えてくると、もの凄くゴチャゴチャしてきて描線も固くなるばかりか雑になっていく雰囲気です。

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吾峠呼世晴「鬼滅の刃 6巻」集英社刊 ISBN978-4-08-881076-8

こういうのがアニメになると整理されて美しくなるんです。アニメですから描線も一定で、動かない漫画の絵がもの凄い迫力を伴って動くんですね。アニメ制作陣の独特な演出や表現が加わって、魅力ある作品が完成しているんです。

しかし…羨ましいです。才能のある方々が苦心の末に作り上げた漫画原作にアニメ作品…本当に羨ましい。その才能を少しでも僕に下さいな。

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