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懐かしい女性(ひと)

昔、ロックなんかよく知らないくせにロックのCDを購入する日記のようなブログを書いていたら、いろいろな方々からコメントがあり、返事をしているうちにコメント交流するようになった。

なかには僕が音楽関係者と勘違いした海外からの問い合わせや制作者からの売り込みもあった。もの凄い勘違いで、僕は音楽とは関係のない、しがない普通の会社員であるから「とりあえずブログで紹介するから見本盤送ってくれ」なんて翻訳サイトを使って返事をしたら、しばらくしてその人から薄くて丸いアルミケースに封入された数曲入ったCDが送られてきた。「あら、どうしましょ?」ってな感じでとりあえず聴いてみて、その感想を送り主に返事したら、うんともすんとも返事が来なくなった。

もうひとつ、某女性ロックミュージシャンのお姉さんと、親しくコメント交流するようになったのだが、そのうちに「妹の新譜がリリースされるからコピー版を送るね」という連絡が来た。「プロの方が発売前に見ず知らずの人間に送ってくるはずがない」と思っていたら、本当にCDが送られてきて、もの凄く驚いた。プロの方のリリースされる前に音が聴けるなんてあり得ないからだ。ちなみに彼女もライブハウス中心に活躍するミュージシャンである。

早速聴いてその感想を書いたら凄く喜んでくれて、しばらくしてリリースされた本物CDも購入したら、本当に喜んでくれた…のだが、しばらくして彼女と連絡が取れなくなり「どうしたんだろう?」と心配して…何度もコメントで呼んでみたがやはり音信不通。これはリリース前に弟さんに内緒でコピーしたCDを送ったので姉妹喧嘩でもしてるのか? と考えて「申し訳なかったなぁ」と思いながら、そのうち彼女のことを忘れていたら、数ヶ月後に突然連絡が来た。

安堵と同時に彼女のことが気になって、妹さんと喧嘩したのではないか? 体の具合が悪いのか? などと矢継ぎ早に質問したら「書きにくいことだけれども、実は…」と、少しクッションを置いてから「覚醒剤で捕まっていたのよ」との答え。

ほんのちょっぴりだけ驚いた。商売が商売だから覚醒剤もやってるんだろうなぁと思っていたから、あ、やっぱりなという感じである。あ、決めつけは良くないな。でも、当時は本当にそう思っていた。だから覚醒剤で捕まっていたなんて聞くと、「うひゃあ、やっぱりミュージシャンなんだなぁ。オレは本当にプロのミュージシャンと交流しているんだなぁ」なんて能天気なことを考えて嬉しかったのだった。困った奴だ。

とりあえず安心した。姉妹喧嘩でも身体的な問題があったわけでもなかったからだ。それから僕の方にもいろいろと問題があって、ブログを書いているどころではなくなってやめてしまったから、彼女とは連絡を取っていない。

今頃、どうしているかなぁ? 元気にライブ活動をしているんだろうなぁ。またコメント交流したいなぁ…。



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