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消雲堂綺談

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私は怪談奇談が好きで、身近な怪異を稚拙な文章にまとめております。
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2024年10月の記事一覧

新・空気を(が)読めぬ男 その2

新・空気を(が)読めぬ男 その2

女子高生たちのなかからひとり前に出てきた娘がしゃがんで土方の顔を見ながら「侍のおっさん、死んでんのか?」と言いながら「パッチーン!」と土方の左頬を叩いた。
「うむむむのむ!」土方がギョロリとした目を開いた。

すると土方の視野にたくさんの女性の足と紺色見えパンが飛び込んできた。気を失って仰向けになっていたから、土方の周囲に集まった女子高生たちの下着が下から丸見えになっていたのである。土方は女子高生

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シルバー人材日記「タクシー綺談」後編

シルバー人材日記「タクシー綺談」後編

「幽霊を見たんですか?」
「うん、見たよ」
嬉しいな。僕は物書きではないが、こういう話を聞いたり記録したりするのは好きだからね。
「おお、その話をぜひ聞かせてくださいよ」
「ああ、いいよ」
「で、どんな話ですか?」
「うん、ここに引っ越してくるまで東京の東陽町に住んでいたんだけど、当時はタクシー会社で働いていたんだよ。でさ、ある日、あれは終電過ぎの時間だったな・・・。自宅がある東陽町駅から若い女性

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新・空気を(が)読めぬ男 その1

新・空気を(が)読めぬ男 その1

時は幕末。慶応何年だか知らねぇが坂本龍馬が暗殺されたのが慶応3年11月15日(1867年12月10日)だから、いつだろう? まぁ、いいじゃんか、細かく書くと間違うかもしれねぇしさ。ピョンピョン(合いの手である)ときたもんだ。ああ、もしかしたら龍馬暗殺の実行犯の伊東甲子太郎、藤堂平助らを虐殺した油小路事件が慶応3年11月18日(1867年12月13日)だからさ、そのあとだね。まあ、テキトーでいいじゃ

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シルバー人材日記「タクシー綺談」前編

シルバー人材日記「タクシー綺談」前編



「人が働いている時に眠るって幸福なの?」

今日は早朝にかみさんひとりに「放置自転車探し歩き」を任せたつもりが、かみさんの身体が心配なので、探し歩きの終り頃に駅前まで迎えに行った。2人で帰宅してから児童見守り歩き(今日は15時45分~18時30分まで)のために出発する時間の2時間前まで眠った。3時間弱眠った。

13時少し過ぎに起きて、ダラダラとテレビ画面を観ながら見守り歩きの準備。同時に病気

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