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新作Kindle小説が販売中です

Kindle小説『カノープスの見えるところ』が2024/5/20に販売開始しております。
Kindle Unlimited会員は無料でお読みいただけます。

表紙絵:青城硝子様 装丁題字:白霧雪。様

星好きの高校生・崇大と、親の不倫のため無戸籍児として生まれた孤独な高校生・瞳星が、出会って交流して、離れて再会して、天体観測とプラネタリウム鑑賞を通じてお互い惹かれ合うお話です。
全年齢のBLとしていますが、どちらかといえば一般文芸や青春小説に近いテイストになっています。濡れ場はありませんがラブはちゃんとあります。

すでに買ってくださった方、読んでくださった方、ありがとうございます。

タイトルのカノープスはりゅうこつ座の一等星で、本当であればシリウスの次に明るい星ですが、東北以北では地平線に隠れて見えない星です。
見える地域では11月ごろから見え始め、2月にピークを迎えます。

去る2023年は近代プラネタリウムの発表から100周年という大変記念的な年で、どうしても2023年にリリースしたいと思っていました。
そのため、このお話は本当でしたら2023年12月に発売を予定していましたが、記録を見返したら、そもそも本文を書き始めたのが11月という無謀ぶり。
しかも表紙絵は9月にお願いして10月に着手いただいている……11月には絵が完パケしているのに、本文は0文字…🫨
色々していたら発売が2024年の5月に。あせあせ💦

各位には予定が遅れて大変申し訳ありませんでした。
無事に出せてよかった!!!!

言い訳させてもらうと、構想そのものはさらに遡って2023年の5月ごろにメモを残していました。
その頃はちょうど〝濡場のない全年齢BL〟と名打ったBR(ボーイズロマンス)コンテスト受賞作品を改稿し始めた頃で、
出来立てほやほやのサブジャンルだし、どうせならもう受賞作のタイアップとしてもう一作同時発売してみよう! と思っていました。
ですがプロットや本文が難航を極め、今のプロットに落ち着いたのが12月。泣く泣く発売を年明けに伸ばしました。
そして年明けと言いつつ、文学フリマの準備が重なって脱稿が5月に!
難産なうえ計画性0!
こうやって振り返ると言い訳の余地が皆無でした
…。

ここから先ちょっとネタバレ。

主人公の一人、崇大は人との交流を避ける代わりに、天体観測をする自由を享受している高校生で、夜中に出歩いても親は何か言うわけでもなく、昼の授業は寝て過ごし、教師から疎まれて友達にも遠巻きにされています。
なんなら本人ですらそれを望んでいて、煩わしい人間関係で不自由になるくらいなら、自由を得る道を選んでいました。
ただし、孤独が付きまとう自由です。

結婚とか、そうでなくてもパートナーになろうと決心するのは、自分の時間を相手に何割か明け渡すということ、つまり「不自由になってでもあなたと共に生きる」と決心することでもあると思います。
崇大が星を見る自由を捨てて、たとえ(外面から見れば)不自由になってでも、瞳星と一緒に生きると自分が決意できるようになって、書き手としてもよかったなと思える着地点を見つけられて安心しました。

最初崇大はプラネタリウム解説員ではなく天文学者か天体観測機の設計者という設定でしたが、専門知識が必要な上に、それらを話に絡める必要があり、プロットがまるで進まず断念。
少し間を空けてプラネタリウムの存在を思い出しそちらを採用、崇大はアマチュアのプラネタリウム解説員になりました。

プロットの合間にプラネタリウムを見たり、実際にISS(国際宇宙ステーション)を見たりするのは面白かったです。

コスモプラネタリウム渋谷のドーム内


ISS、けっこう見つける難易度高いんですよ。
初回のISS観測日は雲が多く、雲間からそれらしいものを見つけられて喜んだと思ったら、謎のヘリか飛行機でがっかりしました。
2回目は雲はないものの夕方で、見られるか不安でしたがギリギリ目に映る暗さでした。
それにしても想像の数倍小さい!
「豆粒やんけ!!」と叫びながら、なんだかんだで見つけられて浮かれました。

私がISSだと思い込んでいたもの
実際のISS

瞳星は、何より星がついている男の人向けの名前を探すのに苦戦しました。しかも〝兄〟がいるので関連性のある名前をもう一つ考えなきゃいけない。
理想は、米澤穂信氏著作『本と鍵の季節』に出てくるキャラクターでした。バディの一人である松倉詩門とその弟の名前は、双子ではないけれど聞く人が聞けば名前が関係あるとわかる、という設定。
しかしそれらベンチマークに似た、星のついた対になる名前がなかなかありませんでした。
検索しようにも語彙がなければ何のとっかかりもない……と思い、藁にもすがる気持ちで花言葉からヒントを探すことにしたら、オオイヌノフグリを見つけました。

オオイヌノフグリは、ぶっちゃけていうと『大きな犬の陰嚢』という大変不名誉な名ですが、なぜか別名が『星の瞳』と『天人唐草』なんですよね。実際形はネモフィラに似ためっちゃ綺麗な花なんです。
一体誰がそんな不名誉な命名をしたのか。責任者を出せ! と思いましたが、『ふぐり』なのは花ではなく実の部分でした。

そんな感じで意味も語感もちょうどよい名前を見つけられたのでした。

発売から1週間が過ぎ、おかげさまでたくさんの方に読まれていて嬉しい限りです。
もしお手間でなければ感想などいただけると南雲が嬉しかったりします。

また近日中に新しいKindle作品の告知などできればと思いますので、楽しみにお待ちくださいませ。


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