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アンチウォーキング
内臓脂肪の数値が悪いため、渋々ダイエットをしている。
食事制限のお陰か体重自体は順調に落ちて来ているのだが、血液検査の結果は残念ながらここのところ停滞気味だ。正常値まであと少しのところで数値が下がり切らない。
そこで主治医は言う「ウォーキングをしなさい」と。
簡単に言ってくれる! と思いはするがそこはぐっと飲み込み「努力します」と答える私である。
ウォーキング……ウォーキング……梅雨入りし湿度も気温も爆上がりして不快指数の高い今日にあって、なんとハードルの高いことであろう。あまつさえ私は稀代の出不精。しかも先日、手持ちの服を半分ほど断捨離したら夏の外出着が圧倒的に不足するという事態まで発生している。外に出たくなさすぎる。
そんな私であるが、初春のまだ寒い内はウォーキングに励んでいた頃があった。中がどんなダル着であろうと外にコートを羽織ってしまえば分からないからだ。
しかし、その時に近所の道はあらかた開拓しきってしまった。歩く道に新鮮味がないとウォーキングのし甲斐もないので、大体一駅先くらいまでを歩き尽くしたところでウォーキングには飽きた。
かといって、全く運動をしていないかというとそうでもない。と言わせてほしい。ラジオ体操なら第三まで習慣的に行っているし、気が向いた時にはyoutubeで軽い筋トレや有酸素運動を行ったりもする。
しかし主治医は、頑なに言うのである。
「いいからウォーキングをしなさい」と。
なんなんだウォーキングって! そんなにすごいのか!?
腹落ちしないので主治医に「室内運動ではいけませんか?」と尋ねたところ、ウォーキングは血中脂質や血糖が減少する効果が認められるからとのこと。それからとどめの一発「時間あるでしょ?」と。悔しいが、時間なら死ぬほどある。
しかし私は知っている。ウォーキングはただ歩けばいいというものではないということを。
運動強度を意識して
1、大股で力強く
2、汗ばむ程度の動きで
3、中強度の運動を20分程度
4、おおよそ8000歩程度以上
という条件を満たさなければ効果はない。しかも腕の振り方や姿勢の保ち方、足の接地方法まで「正しい方法」が指定される。つまり「やらんよりマシ」が通用しない運動なのである。私に言わせれば有り得んほどハードルが高い。なんなら、私が初春に励んでいたウォーキングだって、やれ花が咲いただ空が綺麗だと立ち止まりながら行っていた。効果は全くのノーカンな蓋然性すらある。
なんなんだ貴様。たかが散歩のくせにお高く止まりおって。大体、季節の変化や景色を楽しみながら歩くのが散歩の醍醐味ではないのか。そうか。ウォーキングと散歩は似て非なるものなのか。だとするなら私がしていたのは散歩であってウォーキングではなかった。ぐぬぬ。
こうなってくると「意地でもウォーキングなどするものか!」という気にすらなってくる。どうにか「やらんよりマシ」な室内運動だけで数値と体重を減らして主治医の鼻を明かしてやろうではないか。
来月の頭にはまた採血がある。その結果を知らされるのは二ヶ月先であろうが、今度こそ数値を正常値内におさめたいところだ。
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