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初めてのユーザーインタビュー

私は普段、フリーランスのWebデザイナー、Webディレクターとして、様々な企業やサービスのお手伝いをさせて頂いています。
クライアントの企業やサービスを利用する顧客を理解する方法として、ユーザーからフィードバック内容をご共有いただいたり、アナリティクスなどの解析ツールを使い、ユーザーについて理解を深めていくという事が多いです。
しかし、先日初めてユーザーインタビューを行う機会に恵まれ、非常に重要だと感じました。
もしユーザーインタビューを始めたいと考えている方がいましたら、参考にしていただければ幸いです。

なぜ、ユーザーインタビューを行ったか

ユーザーインタビューとは、製品やサービスについて実際に使用しているユーザー(新規製品やサービスの場合は、想定ユーザー)に質問を投げ、答えてもらうリサーチ方法です。

ユーザーインタビューを行った背景として、新規サービスの開発がありました。
新しく作り出す製品にとって、本当に必要なミニマムな機能が何なのか、チームメンバー間で定まりきらなかったからです。
私は、受託経験が長く、納期・リソース・必須条件など制約の中で都度メンバーとゴールを設定し走ってきました。
新規開発では、その制約自体が開発チームに委ねられる事が多く、共通の認識がない状態で走り出してしまうと、それぞれが自身の専門分野で解決する方法を見つけ、走ってしまいます。
共通の認識を持つ為にも、ユーザーに聞く事は重要ではないかと思ったからです。

インタビューシートを作成する

初めに行った事はインタビューシートの作成でした。
幸運にもユーザーインタビュー経験者に、実際に作成したインタビューシートを共有していただいたので、私はインタビューする内容をメインに考えました。
すでに、開発するサービスは一定のニーズは有るという事は分かっていたので、仮説を検証する形で質問を用意しました。
実際のインタビューシートを共有できないのですが、下記サイトで具体的に紹介されておりますので、参考にしていただければと思います。


インタビューのイメージトレーニング

インタビューのイメージトレーニングを事前に何回も行いました。
インタビュー時間は30分程度と時間が限られています。そのわずかな時間の中でスムーズな進行を行い、早期に信頼関係を作る事が、多くの情報を得られることにつながります。
そこで、導入部分(インタビューの趣旨や情報の取り扱い、動画撮影の許諾など)をなるべくスムーズに説明できるように、何度も何度も声を出して練習しました。
ユーザーインタビューの経験がある方が、動画も共有してくれたので、動画を何度も見直し、導入から質問の流れ、受け答え等を確認しました。

実際にどうだったか

結論から答えますと、仮説は大きく外れました....
当初の仮説では

ある程度IT化が進んでいるので、肝になる機能は2〜3個必要ではないかと考えた。その機能が何で、重要度によって実装のプライオリティをつけようと考えました。

実際は、仮説を外し、

● 想像よりも現場ではIT化がされておらず、肝になる機能は1個でも十分インパクトがありそう
● 関係するメンバーとツールが複数存在しており、本サービスである程度まとめる事ができれば、ユーザーにとって情報の共有化、作業工数の縮小化が見込めそう
● IT化される事で、本当に人が必要な箇所(コミニュケーションなど)に時間が使える様になりそう

と、ユーザーの感じている課題感、何処が一番業務を改善するのにインパクトがあるのかよくわかりました。同時に、早期に仮説が正しいかどうかを判断できて良かったと思いました。

今回は、事前の準備に時間がかかってしまいましたが、慣れればそんなに時間がかかる事ではないので、開発や運用のポイントごとに、ユーザーインタビューを行って行った方が良いと強く感じました。

インタビューで早期に信頼関係を築く方法

ユーザーインタビューを行う中で気づいた事として、インタビュイー(インタビューされる方)に自身の体験を話してもらう為には、短い時間で信頼関係を築く事が必要だと感じました。
信頼関係を築く時に「聴く」という事が重要になるのですが、普段の生活で私たちは「聴く」という事を殆どしていません。
聴いているとは思っていても、頭では「次に自分が話す」事を考えていたり、先入観で人をみていると思います。
そういった態度がインタビュイーに伝わってしまうと、なかなか個人的な体験や想いを話してくれなくなってしまいます。
普段の生活でも、自分の話をしっかり聴いてくれ共感してくれる人に、ついつい本心を打ち明けてしまうという事は多いのではないかと思います。
そういったしっかりと「聴く」事が信頼関係の構築に必要です。

私は、産業カウンセラーの資格を取得するときに、この「聴く」事の大切さ、傾聴技法を学びました。
その時の経験が非常にユーザーインタビューで使えると感じました。
例えば、インタビュー中にうっかり否定的な疑問をだしてしまったり、リアクションが薄かったりすると、インタビュイーが進んで個人的な体験や想いまで喋ってくれる事はないと思います。
そこで、傾聴技法からすぐに使える技法を紹介したいと思います。

答えは相手が持っているという姿勢
私たちは独自の価値観があります。その価値観でインタビュイーと接すると、決めつけや自分の意見に引っ張られた聞き方になってしまいます。できるだけ自身の価値観を排除し「あたか」もその人になった気持ちで聴く事が必要だと思います。

うなずき、相槌を行う事で聴いているという事を相手に伝える
特に感情(こう感じた、こう思った)が出た時には深いうなずきなどで共感を示します。

ミラーリングを意識する
しぐさや、表情、声のトーンやスピードを同調することで共感を示します。

インタビュイーの言葉に伝え返しで反応する
自分の意思を出す事なく、相手の言葉から重要なキーワードを見つけ出し相手に伝え返す事で、インタビュイーがその言葉について考えるきっかけを与えます。

最後に

今回、初めてユーザーインタビューを行わせて頂くにあたり、背中を押してくれたIさん、ユーザーインタビューのやり方や疑問に答えてくれたOさん、本当にありがとうございました!!

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