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スタートアップ初期に絶対入れてはいけない人材

私はフリーランスのデザイナーをしていますが、フリーランスはよくスタートアップ企業にお声がけしてもらう事がよくあります。ビジネスを加速度的に成長させたいと考えるスタートアップ企業と、経験が活かせて、自走する事ができるフリーランスは非常にマッチしやすいです。

ですがごくたまに、フリーランスの中にクライアントの事業を窮地に陥らせる困ったちゃんが居ることがあります。
フリーランスはご存知の通り、高いスキルを企業が欲しいときに欲しい分だけ提供できます。しかし転職と異なり、前の案件を終了した理由を問われたり、実績について詳しく説明することは少ない為、実績を盛ったり、前案件でトラブって終了しても隠すことができます。次の企業にはバレることはほぼないと思います。

ここでは過去に自身が関わった案件で会った、困ったちゃん。そして周りから聞いた困ったちゃんの特徴を紹介したいと思います。もし、これからメンバーを増やして行きたいと思う方がいらっしゃったら、困ったさんに出会わないように十分注意してください。そして、フリーランスの全員が困ったちゃんだとは思わないでください。
大半のフリーランスは、クライアントのビジネスに貢献したい。成長に貢献したい。と考え最良の行動をしています。

一番怖いのはマネージャー職の困ったちゃん

フリーランスで、困ったちゃんをアサインしてしまうと危険なのが、PMやディレクション、PDMといったマネージャー職です。チームのコミュニケーションから、制作物の管理、ビジネスサイドとの調整まで幅広いスキルが求められます。
自社で育てたり、社員として登用すとなると難しい為、スタートアップではフリーランスに依頼る事も多いと思います。このマネージャー職に困ったちゃんが居ると、開発体制自体が崩壊することになります。

一見するといい人

困ったちゃんは一見するといい人です。どんな人にでも優しい雰囲気で接します。また、自身の事も積極的に話しますが、聞き役になることも多く、普通にいい人です。
また、自身の実績などの説明も自信を持って話すことができ、信頼感があります。

熱意を見せ徹夜でやる

困ったちゃんは、案件にジョインした当初は非常に献身的です。「明日のMTGに必要ですよね。それまでに徹夜で完成させます!」などメンバーからするとありがたいと思える対応を取ってくれます。

1on1に潜む真の目的

案件のキャッチアップと、メンバーの特性を理解する為、良いマネージャーは全体のミーティング以外に個別に1on1を組む事があります。
困ったちゃんも多分に漏れず1on1を組みます。ただ、困ったちゃんの目的はメンバーの理解ではなく、社内で問題視されている人を探すことです。

困ったちゃん:「今後、プロジェクトを円滑に進めるため、過去にスケジュールが遅延した理由を教えてください」
メンバー:「そうですね。開発メンバーのスピードの読みが甘かったことですね」
困ったちゃん:「想定と大分異なったんですか。」
メンバー:「はい。若いメンバーだとどうしても、開発のスピードに影響がでるんですよね。」
困ったちゃん:「若いと言うとXXXさんですか?」

というように一見すると親身に聞いているようですが、誰が一番、問題とされているかを探し出すのです。
スケープゴートとするために…..

スケープゴートに対する困ったちゃんの対応

スケープゴートに選ばれた人には困ったちゃん独特の対応がまっています。
困ったちゃんマネージャーは全体共有の場で個別議論をしません。「みんなの時間を取ると良くないので個別に話しましょう。」というふうにまとめます。
皆の時間を気にしており、良いマネージャーと見えますがスケープゴートと2人になった途端「情報は共有しているので、わかならない事があればきいてください。」と一言ですませて終了します。
何が決まって、何が決まってないかを一切共有しません。当然情報の差が生じてしまいます。

「伝えたのにやってくれない」と言い換える

スケープゴート側に情報が入らなくなると、当然スケープゴートとされたメンバーは「聞いてない」と全体に対して言うようになりますが、困ったちゃんマネージャーは「伝えたのにやってくれない」と言い出します。
周りは、マネージャーがスケープゴートを作り出すとは夢にも思っていないので、困ったちゃんマネージャーの言い分を信じてしまいます。

スケープゴートは何回でも生み出される

スケープゴートと困ったちゃんマネージャーの言い分に差が生じてくると、スケープゴート側がポジションから外されます。これで案件がスムーズに進むと全員は考えますが、いずれまた別の人がスケープゴートにされて同様の事がおきてきます。

クライアントが気付いた時には炎上確定

同じ様な事が何回も起きてくると、周りも段々、困ったちゃんマネージャーが原因だと気づき始めます。ここで困ったちゃんマネージャーを外せば問題は解決するかと思いますが、実際はもっと大変です。
新たなマネージャーをアサインするためにスケジュールは大幅に見直され、困ったちゃんマネージャーが作った疑心暗鬼がチーム内に残るので、チームのパフォーマンスは著しく低下します。
また、スケープゴートを作っているという自覚が困ったちゃんマネージャーに無い場合があるので、終了のタイミングを伝えづらいのも特徴です。

困ったちゃんに早期に気づく方法

残念ながら、気づくことは困難だと思います。
フリーランスだと前案件を4ヶ月程度で終了していても「案件が丁度終了したので。」といえば信じざる追えないです。困ったちゃんからすれば、次の案件が始まれば、前の案件で行った問題行動はリセットされ、自分の問題行動を知る人が居ないので楽しく暮らせます。
そこで、困ったちゃんに早期に気づく方法を紹介します。

「前案件で自分のせいでうまくいかなかった事があれば教えて下さい」と質問する

困ったちゃんは、問題は自分の中にはなく、周りにしかないと思っています。
通常「自分のスケジュール管理が甘かったせいで、開発に迷惑をかけてしまった」等といった後悔はどんな優秀な方でも1つや2つありますが、困ったちゃんには無いです。

なるべくオープンな場で検討することを求める

困ったちゃんは、表と裏の顔を使い分けるのが得意です。
1on1や個別に2人で話しましょうというClosedな場を設けさせないことです。オープンな場で常にやり取りをさせるようにしましょう。
どうしても1on1をしたいと言う場合は、1on2や録画を求めましょう。

問題が起きたら必ず両者の意見を、個別に聞くように心がける

必ずスケープゴートにされた人間の言い分と、困ったちゃんの言い分がぶつかる時があります。その場合、信頼しているマネージャーがスケープゴートを作っているとは思わないので、どうしてもマネージャーの肩を持つ形になってしまいますが、できるだけ両者の意見を個別に聞くようにしましょう。

今、上司が困ったちゃんだった場合

なるべく2人になるのを避けてください。例えば案件の内容を2人で話そうとなった場合、困ったちゃんには内緒でもう1人呼びましょう。
困ったちゃんは裏の顔が出せなくなります。
また、リモートの場合は録画しましょう。「情報を取り逃がさないようにしたいので録画させてください。」または「XXXさんにも共有したいので録画させてください。」と言って証拠を残しましょう
録画するのを嫌う場合は、スマートフォンでこっそり録画しておきましょう。

困ったちゃんを生み出す背景

困ったちゃんが生まれる理由は、困ったちゃん自身に不安、攻撃されたくない、優秀だと思われたいという心理があると思われす。
また、スケープゴートを生み出してしまうと、チームの中で疑心暗鬼が生まれ、いずれは困っちゃんであることがバレるので、結果的に案件で長く働く事が困難になり短期に職を変えるようになります。できる限り長く働きたいという思いから早く信頼されたい成果を出したい!という気持ちが勝り、スケープゴートを作ってしまう負のスパイラルになっているのではないかと思います。
困ったちゃん自身が、自分の優れている点、優れていない点をありのままに受け止められなければ永遠に困った行動を繰り返します。


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