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編集者ってどんな人が向いてるの?

就職活動をしている学生のとき、私も思いました。「この仕事に向いてる人ってどんな人だろう」と。あれからもうかなりの年月が経過しましたが、結論から言うと仕事で「こういう人」という型はないんだろうな、と思います。編集者にもいろんな人がいますよね。

ですが、編集者をやってきた自分自身についてなら書けるので、「編集者に向いている人ってどんな人?」と思っている方は、参考にしていただければ幸いです。

良く言えばバランス人間、悪く言えば尖ってない

私は昔から、大抵のことには興味を持てるし、大抵のことはできるバランス人間でした。誰と話すのも苦痛ではないし、聞いた話には興味を持ち、一度くらいやってみたいと思いました。

でも一方で、二度三度やろうとは思わない。つまりはまることはなかったのです。だから何でもできたけど、ひとつ尖ったものがない。そんな感じです。

でもこの能力とも言いがたい特性は、編集者になって結構役にたっていると感じます。まずどんなことにでも興味を持つということは、編集者にとって企画の種を探すことです。興味がなければもちろん企画は広がりませんし、面白がらなければ面白い記事はできません。

また、「はまらない」というのは領域を決めずに編集者をしている人にとっては良いことだと思います。たとえば旅行とか、グルメとか、決まった領域で専門性を発揮したい人もいるでしょう。しかし私の場合は、もともとは旅行情報誌の雑誌編集者で、その後カタログ通販をやり、現在はビジネス全般を守備範囲にしています。

どの領域が面白いというより、編集という行為そのものが面白いのであって、機会があればいろいろなジャンルでやってみてもいいかなと思っています。

自分の意見は(そんなに)ない

私を知っている人からは、総ツッコミを受けそうですが(笑)。実は本当に、意見はそんなにないんです。「ごはんどの店に行く?」と言われても本当にどこでもよくて、誰か決めてって思います。

実際には、「ない」というより、「どちらも良さそう」と思えるというほうが正しいですね。

この特性のメリットとしては、企画をする際にガチガチな思考にはならないことです。Aという切り口もあるし、Bでもいい、むしろCも面白いかも。広くあけた優柔不断な間口から、目的を達成するために最も効果的な切り口を選べます。

また、取材で聞いた話に素直に共感しやすい、というのも編集者に向いているかもと思うことです。1+1=2という話だったら、それは3じゃないとは言える。でも価値観や生き方の話に、絶対の正解はないですよね。ビジネスでいえば、マネジメントとか、組織とか、ノウハウは多数ありますが、絶対ではない。

これも正解だし、あれも正解なので、取材で聞いた話はどれも素晴らしくて、本当に毎回感動します。取材時に相手の話に「違うでしょ」と思ったことは一度もないですね。(これ、当たり前でしょうか、、笑)

0か100じゃないというのは、Twitterを見ていてもしょっちゅう思うことで。それぞれの正義があって、それぞれ正しいんだなぁと。

自分の意見がないというのは、悪く言えば思考停止ですし、優柔不断です。でも優柔不断なりの良さを発揮して、仕事をしているというわけです(笑)。

自分なりの編集者になればいい

結局最後は、こんな私でも編集者になれました、、ということです。

前に誰か(忘れてしまったのですが)が、「自分に合うことが見つからないから、人が自分に合うとすすめする仕事の中から、なるべく嫌いじゃないものをやってみている」みたいな投稿をしていました。

私これを見て、すごく共感したんですよね。最初から自分に向いていないと決めつけないでほしいし、「合う人」なんてそもそもいないんじゃないかって。

どんな人が向いているなんて、絶対的な型はなくて、編集者なら編集者で、自分なりの型で仕事すればいいんです。

人の真似をしてうまくいくことは真似してもいいし、うまくいかないことはやめればいい。しいてまとめるなら、「絶対」を疑う目を持つことは、編集者にとって大事なことかもしれませんね。(赤字を入れるときも)





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