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【Audible書評】これも修行のうち。(草薙龍瞬)

僧侶が一般の人向けに、仏教の教えをやさしく説いた書籍が様々ありますね。私の場合、去年からもやもやした時に聞くことにしているのがこちらです。


■なんと、本人が朗読

Audibleならではの良さですが、著者が直接ご自身の本を読んで語っているので、臨場感・説得力があります。そして、明るくあたたかい人柄が伝わってきます。

草薙龍瞬さんは僧侶ですが、お寺には属していないそうです。過去の壮絶な人生経験を経て逃げ出すようにインドへ修行に行き、僧侶になって帰国したという異色の経歴。(後述の別冊で、ご本人が語っています)

■ブッダの教えを、日常生活に活用する「プチ修行」

彼が行なっているのは、神を信じようとかブッダの教えに従おうといった、布教活動ではありません。ブッダの知恵を実生活の中で生かして、悩みを少なく生きよう。そのために心の使い方のトレーニングが必要だから、日常生活の中で「プチ修行」しよう、というものです。その具体的な方法を紹介しているのが、『これも修行のうち。』という本です。

熱いシャワーや冬の外気など、身近なものを使って「感覚」を取り戻すプチ修行や、「自分は今、〜と思っている」など自分を客観視する修行など、ちょっと意識すれば実践できるものばかりです。

■心の最高の状態は「ニュートラル」

聞くたびに心が反応するパートが変わるのですが、今日久しぶりに聞いて、心に残ったこと。

  • 心の状態は「快」「ニュートラル」「不快」の3つの状態に分けられる。

  • 「快」は一時的にはいいが、長期的に続くものではない。「快」が来たらラッキーだが、それを頼みに生きることは難しいだろう。

  • 「不快」な感情に気づいたら客観的に捉えよう(その方法は本の中に)。

  • どちらにも傾かない、「ニュートラル」なこころを目指そう。

つい、楽しいこと・満足を求めてしまうものですが、求めて得られないので「不快」に陥ってしまう。「快」になるための目標を持っているのに、達成できないとがっかりして「不快」になる。

あるべき姿を追い求めつつも、達していない自分を過小評価して「不安・不満」に陥りがちな自分を戒める機会となりました。プラスもマイナス評価もせず、今は今。私は私。そうやって落ち着こうと思えました。でもきっとまた揺らぐので、また同じパートを聞きます。

ご興味持っていただいた方は、先にこちらを読んだ(聞いた)方がいいかもしれません。最後に、ご自身の経歴について語られていますし、プチ修行の背景にある考え方がもっと理解できると思います。こちらもご本人が朗読されています。


心穏やかに、無駄な反応せずに生きたいものです。

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