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キャリコン講座で一番学んだこと

日本語の教師として、担当する外国人学習者が、日本という国に関心を持ち、日本語という言語を学び、生活の拠点を日本に移し、不便や差別を乗り越えながら人生を送っていること。奇跡だと思います。感謝しかない。
「日本は外国人にとって住みにくい国だ」と、先日ある大学教授が発言したことに対して、批判の声ばかりが聞こえてくるのは残念です。

人によっては仕方のない理由だったのかもしれませんが、それでも日本に移住し、働くことを選んでくれた人たち、さらにはビザを更新してもっと長く働こう・住もうとしてくれる方達が、幸せに日本で暮らせる支援ができないないかなと思っています。それが、キャリコン講座を取ることにした理由です。具体的にどう役に立つのはよくわかっていないまま、興味のアンテナが立った勢いでしたが。

そのキャリコン講座で一番学んだこと、それは「傾聴」です。

受講生の多くは、講座中のロープレを重ねる中で、実は傾聴ができてない自分に気付き、打ちのめされるのですが、自分もその一人でした。話を聞いていたつもりが、実は自分が何を言うかずっと待ち構えてたのだと・・・

外的要因や論理ではなく、あくまで相手の気持ちに焦点を当て、こちらの先入観や提案を一旦脇に置き、発言の意図を一緒に深掘りし、ご自身で課題に気づいてもらって、次のアクションの背中をそっと押す。相手が知識不足の場合は、問うても出てこないので情報提供する。言うは易し行うは難し。でも実践できたら、日常生活でもとても役に立つと思います。

今でも、そして今後も修行が続きますが、このことを意識するようになったおかげで、相手の話から本当の問題を察知して、気付きをもたらすことが、以前よりスムーズにできるようになった気がします。ちゃんと聞いたほうが、問題解決に早く辿り着けることを度々実感します。

傾聴ができるようになったと感じたのは、会社の元後輩の悩み・不安を、お酒を飲みながら2時間聴き続けたことでした。共感したり、労ったり、ほめたり、質問によって相手が言いたそうなことを話すきっかけを作って、話した内容を自分で反芻してもらったり、たまに自分から客観的な感想を述べてみたり・・・そんなことを繰り返し、何か解決策やアクションを導くこともなく終わったのですが、それでも彼女は「こんなに自分の話を人にしたことがない。友達にも言ったことがない自分の気持ちを話せた。超すっきり!」と言って帰って行きました。

24時間傾聴モードは無理ですが、ここぞという時は「傾聴」スイッチをONにして、話をしっかり聞けて、相手が自分で問題に気づくきっかけを提供できたらいいなと思います。

日本語の学習者は、日本語で気持ちをそのまま話すことが難しい場合があるかもしれません。文化的な背景なども説明できないかもしれません。限られた語彙や文法を使って話す内容から、言わんとすることを察知しつつ、的確なキャリアコンサルティング × 日本語教育 × ビジネススキル教育などができたら、企業の役にも立てるのではないかと考えています。

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