- 運営しているクリエイター
#翻訳
2. ベルリンのハンス=ヨアヒム
何が戦闘機パイロットに費やされるのだろう? 何が、とりわけ、エースの中のエースに費やされるのだろう――死ぬまでに少なくとも100の戦いをして全てに勝つ男?
明らかに「殺戮本能」ではないし、もちろん飛ぶことに対する圧倒的愛情なのだが、どうやら現代の心理学者が主張するような、開けっぴろげで男らしい外向性にあるようだ。
ハンス=ヨアヒムは1919年12月13日、第一次世界大戦のパイロットであっ
7. 独りぼっちの戦い
既に航空機の撃墜名人であったマルセイユは、まだ人間の感情的な成熟に達していなかった。彼は猛烈に飛ぶことに専念した。殆ど向こうみずな戦闘の一週間で、もう12機を落としていた。彼は飛んで戦うためだけに存在していた。彼は生きて単独で戦う「ソリティア(一人遊びのゲーム)」になっていた。
夜になると、彼は誰とも話さないでテントへ直行した。10機またはもう15機をスコアに加えられないまま1ヶ月が経過した。
8. 完全なる輝く星
アウグスブルクではマルセイユがメッサーシュミットの工場を訪れ、航空機の性能をわずかに犠牲にしてでもMe109の為にさらなる大きなガソリンタンクを提案した。彼の提案は実行できなかった。又、アウグスブルクで彼は女の子と会った。彼女の名はハンネリースといい、随分インゲに似ていた。マルセイユは人目見て恋に落ちた。(それは初めての重大事件だった)
数日後、彼はハンネリースに結婚を申し込んだ。ハンス=ヨア
9. 史上最高のエース
不思議なことに、彼の最後の撃墜は9月28日の、マルセイユの人生で最も苛酷な158機であった。とにかく、彼は家に手紙を書いた。
「それは互角の戦いだった。短い戦いでもあった。でも最初は、勝ちを確信している訳ではなかった」
戦闘解除で、ノイマン少佐(その当時はまだマルセイユの部隊長)は飛行中隊の生き残りの帰還を心配そうに見ていた。確かにマルセイユはさらに大きなガスタンクが装備された新型のMe10