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『科学的な適職』を読んで


メタ分析(複数の実験結果を統合してより精度の高い結論を得る)を使って、職業選択における、

・大間違い7パターン

・逆に大切にしなければいけない7パターン

・ダメな働き方8パターン

・やりがちな視野狭窄(バイアス)のパターン

・今の仕事にやりがいを見出す具体的な方法

をまとめている。このうち、上3つのざっくりとしたまとめと、感想を書きます。


そもそも『適職』って何?

この本の中では、

あなたの幸福が最大化される仕事

と定義されていた。

いや、そもそもこの基準ですら忘れてしまいがちじゃないか?と思った。転職したり、自分の職業を考え直すときって、多くが現状への不満だったり、無い物ねだりな憧れだったりをもとに考えがちで、「俺の人生をどうしたら幸せにできるかな」という視点にしてみると、だいぶ選択が変わってきそう。この軸が大事だ!と思う人は本書を読んだ方がいいし、そう思わない人は、読む必要がないと思う。自分は、幸せになるために生きているところがあるので、読も〜と思った。


仕事選びの大間違いパターン7つ

ほぼ目次だけど、それぞれに対して超荒削りな結論だけ添えておく。

①好きを仕事にする
好きかどうかは最初の直感ではなく自分がどれだけコストかけたかで後から決まる。(変わりうる)

②給料の多さで選ぶ
幸せという視点で言えば、給料よりも健康が大事。

③業界や業種で選ぶ
そんなもんはわかんねー❌

④仕事の楽さで選ぶ
楽な仕事は逆にストレスになるので❌

⑤性格テストで選ぶ
信憑性の高いものがほぼないので❌

⑥直観で選ぶ
直観力が働きやすい条件というものがあって、それに”転職”は全く合っていないので❌(もっと考えよ〜)

⑦適性に合った仕事を求める​
適性を、職場でどう使うかは大事だが、「強み」とは他のメンバーとの比較の中で決まるので、”職選び”に使うには向いていない。


大事にした方がいい選択軸7つ

①自由
仕事の進め方やスケジュールに自由が効くかどうか
②達成
日々に達成感を感じているか?感じやすい仕事かどうか
③焦点
自分の 攻撃型/防御型 の焦点に合った仕事選びをしているか
④明確
評価軸や賃金体系が明確か。上からの指示が一貫しているか
⑤多様
仕事の流れの上流から下流まで関われるか。
⑥仲間
職場に仲の良い人、良くなれそうな人がいるか
⑦貢献​
誰かに貢献できていると感じやすい仕事かどうか


ダメな働き方8パターン

大きく分けて「労働時間の乱れ」と「職務の乱れ」の2つらしい。時間の乱れは言葉通り。職務の乱れとは、やる仕事の内容、収入、量の安定性のこと。

①ワークライフバランスが崩壊
休日出勤や休日連絡がある
②雇用が不安定
急な解雇や、収入の上下
③長時間労働
④シフトワーク
不定期な労働サイクルの変動
⑤仕事のコントロール権がない(裁量や時間など)
⑥ソーシャルサポートがない
仲間がいるか、会社からのサポートのメッセージがあるか
⑦組織内に不公平が多い​
⑧長時間通勤

らしい。まぁ、確かにね、そりゃあ嫌だよね!という感じ。意外なものはなかったものの、こうして整理されて提示されたことはないので、読んで良かったと思った。


感想

何が面白かったかって、仕事選ぶ時のダメパターン7つがかなり具体的なのに対して、実際に重視した方がいい7つはかなり概念的だったこと。

転職や就職活動の時に、かなりの割合で「受け身でも手に入る情報で選ぶ」ということをしがちで、逆に「こういう情報が必須だから、取りに行く」という視点は薄くなりがちなのかなと思った。いやむしろ多くの人が、「仕事にこれさえあれば幸福でしょう」という基準や重視するポイントを、人は当たり前に勘違いしてしまうのかなと。「いや収入大事でしょ」とか、「適性大事でしょ」とか思いがちな一方で、「それって実際幸せに働けてるの?」というと違ったり。その辺をえぐったのが本書かなと。

仕事に「やりがい」が大事な世の中と言われている最近。会社や社員のことを考える経営者や上司は「やりがいの正体ってなんなんだよ?」って思うと思うけれど、この本を読むことで、その辺りが明確になりそう。

よく、「最近の若い奴は〜」という人がいるけれど、まるで最近の人が”やりがい”に頼らないとやっていけない、という感じで話しているけれど、むしろ、「幸せに働いて生きていくには、こういうことが大事だなぁ」と多くの人が気づき始めただけなんじゃないの?と思った。

また、「仕事にやりがいが大事」ならば、個人のビジネスマン自分自身を考えた時に、「やりがいを見出す」というスキルが極めて重要になるのだろうと思うし、同時に部下や同僚に「やりがいを見出す」働きかけができる、というのも、会社から極めて重要視されるポイントになる。

特に最終章はその辺りのポイントと具体的な方法を明確に伝えていたので、めちゃくちゃためになった。




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