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不動産価格指数の上昇加速!!!

こんにちは!
最近の市況が気になって
頭がぐるぐるしているKumazoです。

2021年の年末に、
世間ではまったく注目されていないけど、
建築や不動産が主戦場のKumazoには
ビッグと感じるニュースがありましたので、
本日はそれについて綴っていきたいと思います。

題名にある通り、
『不動産価格指数』に大きな変化がありました。

基本的に、不動産投資とマンションを建築している立場から、
住宅部分の指数に注視しています。 

2021年12月に国土交通省より、
2021年9月度の不動産価格指数が発表されました。

不動産価格指数 2021年12月発表 国土交通省より

黄緑のグラフ部分のマンション価格指数はアベノミクス以降、
10年間右肩上がりで10年前の1.7倍になっております。
この上昇は、不動産業界では自明の通りでした。

ただ、今回注目したいのは、『戸建』『土地』の項目です。
(黄色と青のグラフ)

今までマンション価格指数が上がり続けてきたなかで、
10年以上横ばいだった『戸建』と『土地』の価格指数に
上昇傾向がみられました。

 チャートをテクニカル分析するならば、
10年以上横ばいだったレンジ相場が終わり、
上値ブレイクアウトで上昇トレンドが発生
読み取れるのではないでしょうか。

そう考えるならば、
不動産投資やマイホーム購入を考えてる人からすれば、
影響の大きいニュースです。

 この住宅不動産価格指数の上昇の原因は何か?
今後続くのか?
不動産・建築業界にいるKumazoが推察してみたいと思います。

要因としては、下記の5つが考えられます。 

1.材料費高騰
2.外国人投資家の不動産購入
3.円安
4.住宅ローン金利が過去最安
5.コロナ以降の在宅ワーク

 この5つの要因について詳しく下記したいと思います。

 

1.材料費高騰

建築材料の高騰が続いております。

下記のグラフは、
日経アーキテクチュアからの引用です。

日経アーキテクチュアより

上のグラフを見ると、
建築資材物価指数(濃い青)が2021年から急騰しており、
建築の着工面積(水色)が減っているにも関わらず、
建築費の上昇傾向(赤)が続いております。

さらに、2021年春ごろからにウッドショックがあり、
木材の先物価格が急騰し、
木材価格がいまだに高値で推移しております。

IG証券より

シカゴ木材先物のチャートを見てみると、
コロナ前から一時3倍程度まで上昇していて、
2022年1月時点でも未だに2倍以上になっております。

日本国内での木工事や構造用合板の価格も上昇しております。

日経アーキテクチュアより

コロナ前から比べると約1.2倍程度となっております。

このように、
材料費の高騰が建築費にダイレクトに影響を与え、
建築費が高騰しています。

 

2.外国人投資家による不動産購入

2021年11月のテレ東の記事で、
外国人投資家がコロナ以降、
日本の不動産を再び買いに来ているというニュースがありました。

テレ東より

コロナによる大規模な金融緩和により、
世界的な金余りの状況と
中国国内の不動産投資引き締めがあり、
中国国内での不動産投資が難しいのであれば、
割安な日本の不動産を再び買いに来ている状況です。

10年以上前から、
日本の不動産は割安だといわれて、
中国人投資家に買われてきました。

カナダでもオーストラリアでも中国人の不動産爆買いがあり、
規制がはられてきました。

日本では規制もなく不動産を買われに買われまくっています。

不動産仲介者に中国人が増えてきたり、
宅建士試験でも中国人が見受けられます。

不動産投資先として、
海外からみると日本の不動産価格は割安であるかぎり、
今後も海外投資家の購入は増えていくでしょう。

逆説的にいえば、
世界基準で高いと思われるまで、
海外からの購入意欲は続きます。

海外から需要が大きすぎると、
世界基準の価格設定になるため、
平均的な年収の世帯では、都心の一等地で住宅を買うなんて
夢のまた夢でしょう。

数年前に香港の不動産価格が上昇しすぎて、
家賃の急騰により
香港の若者が困窮していると
ニュースになっていたことを思い出しました。

都心のマンションがなかなか手が出せない市況の中で、
郊外に住宅需要が増え、
それが『土地』『戸建』の不動産価格指数の
上昇に現れているのだと思います。

3.円安

下の画像はドル円チャートですが、
2011年から円安が進み、
2022年1月現在、1ドル115円台となっております。

2011年の円高がきつすぎたのですが、
2014年には長期的なレジスタンスラインを上抜けしました。

七十七銀行HPより

また日経新聞でも、
コロナ以降、
ドル・豪ドル・ユーロ・人民元に対して円安方向に動いていると
ニュースになっておりました。

今後、円安方向に進むなら、
1と2で述べた材料費高騰と外国人投資家の需要が、
より追い風となります。

例えば、1万ドルの材料を輸入したとします。
1ドル100円の時は100万円で購入できますが、
1ドル120円の時は120万円となり、
同じものを20万円も高く購入しなければなりません。
これが、木材や鉄筋などがより高くなる原因です。

また、外国人投資家の場合は、
3000万円の物件を購入する際に、
1ドル100円の時は、30万ドル必要だったものに対し、
1ドル120円の時は、25万ドルですみます。
もともと日本の不動産が割安だったものが、
さらに2割引きになった感覚です。

よって円安は、
1と2の要因を助長することになります。

4.住宅ローン金利が過去最安

最近の住宅ローンの金利が最安となっております。

バブル以降住宅ローン金利が下がり続け、
ここ20年ぐらいは変動金利で1%前後だったものが、
今では0.3%台
の金利です。

リクルートより


さらに、
期間限定キャンペーンで0.2%台の商品もありました。

じぶん銀行より

信じられないぐらいの安さです。

金利が過去最安水準ですが、
金利が安くなると住宅価格が上がります。 

少し話はそれますが、
なぜそうなるか説明していきます。

 住宅ローンを組む際に、
銀行側は返済比率という基準をもっています。

ここではざっくり説明いたしますが、
住宅ローンを返済する金額が
月収の30%を上回らないように
上限金額を設定することになっています。

例えば、購入者の年収が400万円とするならば、
400万×30%で年間120万円まで、
月々10万円までが上限ということになります。

住宅ローン金利が1.2%ならローン限度額3450万円です。
住宅ローン金利が0.5%ならローン限度額3870万円となります。
(どちらも月々の返済は10万円程度、借入期間は35年)

よって、金利が安い方が400万円ほど高い買い物ができる
ということになります。

金利1.2%の時の返済シミュレーション↓

金利1.2%

 

金利0.5%の時の返済シミュレーション↓

金利0.5%

このように、
金利が下がると借りられる限度額が大きくなります。

そうすると購入者は「毎月10万円払えるから」と言い、
ローン限度額を目いっぱいまで使おうとします。

こうして、今まで手が届かなかった住宅の購入が進み、
住宅価格がどんどん値上がっていきます。

これが金利が安くなると住宅価格が高くなる流れです。

5.コロナ以降の在宅ワーク

コロナ禍で在宅ワークを取り入れ、
以降、
そのまま在宅ワークを推奨している会社が増えてきました。

マイホームの要望として、
書斎を要望されることが多くなったり、
書斎を増設するリフォームが増えました。

ただ、
最近のマンション価格の高騰から、
都心の新築マンションは、
年々住宅の規模が小さくなってきております

10年ぐらい前までは、
ファミリータイプのマンションというと、
1つの住戸の面積は85㎡ぐらいが主流でした。

それが、都心のマンション価格が高騰し、
金額がもう上げられないところまで来ると、
1つの住戸の面積を減らし、
今では75㎡~68㎡などのマンションが売られるようになりました。
(場所にもよります)

これは、
都心マンションの価格はマス層が買えるのが、
6000万から8000万ぐらいだからです。
(アッパーマスぐらい?)

価格の上限が決められているなら、
狭くしようという方向に動きます。

お菓子が
値段は同じだけど
10年前より中身が小さくなったと感じることがあると思います。
これはステルス値上げと呼ばれますが、
それと同じ原理です。

このように、都心のマンションはここ最近、
1つの住戸の面積が小さくなってきております

住戸面積が小さくなるなかで、
書斎を作る面積を取る余裕もなく、
広い家を求めて戸建や新築するための土地への需要
強くなってきています。

在宅ワークをすると言っても、
都心へのアクセスが難しくなるような田舎の方に移るのではなく、
都心へ1時間圏内ぐらいで土地を探す方が多いです。

よって、
西東京や神奈川、埼玉、千葉あたりの戸建て用地の需要
多いようです。

まとめ

ここまで述べてきたとおり、
不動産価格指数の『戸建』と『土地』の指数が上昇し始めました。

その要因としては、

1.材料費高騰
2.外国人投資家による不動産購入
3.円安
4.住宅ローン金利が過去最安
5.コロナ以降の在宅ワーク

の5つが挙げられます。

三大支出の中の一つ、
『住居費』は家計にダイレクトに影響を与えます。

『住居費』が高くなれば、
他にお金を使うことができなくなり、
『教育費』を抑えたり、
他の余暇への支出を抑える必要が出てきます。

増税が進むなか、
生きるために必要なお金がどんどん増え、
老後の2000万円問題を抱えたまま、
余暇や教育などにかけるお金が減っております。

そんな荒波の中を切り抜けるための提案をしておりますので、
時間がある方は、こちらもどうぞ。

10年以上、横ばいだった『戸建』『土地』価格がついに上昇を始めました。
これが一時的なものになるのか、
今後の市況の動向を注視し発信していきたいと思います。


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