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企業分析『ヒューリック』

皆さん、
おはこんばんにちは!
kumazoです!

2022年は、
生産緑地が解放される状況にあり、
都心の生産緑地は宅地へと変わる可能性が高いですね。

そこへのアプローチはもうすでに始まっており、
今後、未利用地(畑など)に品質の良い建物が建つと、
街も様変わりするかもしれませんね。

そんな街を造るのは、
デベロッパーの仕事なので、
良い仕事をガンガン進めてほしいですね。

※デベロッパー紹介のブログはこちら

街を変える不動産会社は数多くあります。

その中でも優良な会社はどんな会社なのか、
企業分析をしていきたいと思います。

建築・不動産業界に所属するものとして、
企業分析をすることで、
企業の良いところを自分自身に取り入れていきたいと思います。

いくつかの企業の数字を分析して比べていくことで、
企業の特色がわかるのではないかと思います。

参考資料としては、
決算短信、決算説明資料、EDINET、株探、IRBANKを用いて、
数字の分析をしていきます。

アウトプットすることで、
皆さんに有益な情報をお伝えできればと思います。

分析企業は、
名前の通っている大きな企業やその時話題になっている企業を
対象としていきます。

また、
自分の株式投資にもつなげたいという思惑があり、
高配当株も選んでおります。

今回は、ヒューリックについて分析していきますので、
よろしくお願いいたします。

本編に入る前に、少しだけ自己紹介をさせていただきます。

Kumazoは一級建築士で不動産・建築業界で15年以上従事し、
マンション・ホテル・戸建て住宅などを設計してきました。
個人的にも不動産投資を行っており、
建築専門の立場から不動産コンサル等を行っております。
現在では、不動産投資用のマンションを設計する立場で、
不動産関係のいろんな方々と仕事をしていることもあり、
内情には明るい立場におります。

不動産投資を正しく理解し、
大失敗をする人やだまされる人が減ればと思い発信をしております。

Kumazoは建築オタクなので、
建築を通して人が幸せにすることができたらうれしいです。

自分で「不動産投資の基本のき」というブログも書いておりますので、
こちらもどうぞ。

では、本編に参りましょう。

1.ヒューリックの企業概要

高配当株もポートフォリオの一部に組み入れているKumazoとしては、
高配当銘柄としてもヒューリックは、
以前から知っていました。

最近、
市場全体の株価下落が大きいため、
株価が下落したタイミングでポジション取りを狙っております。

最近だとCMでも見かけますが、
有名になったのは、
電通本社ビルを買ったことでニュースになったと思います。

時価総額は8,148億円となっており、
東京都内の駅前などで、
Hのマークを良く見かけるかと思います。

東京都内のオフィスビルや商業施設をメインに保有し、
今後の成長分野として、
旅館やホテル、シニアハウジング、物流倉庫などにも、
手を広げております。

物件の入れ替えはするものの、
販売部分はそれほど大きくないようです。

ただし、
開発や施設再生などにも取り組んでおり、
保有をメインに資産拡大をしつつ、
デベロップ&入れ替えでブーストをかけている
ようです。

株かは、
コロナ前に1412円を付けて
コロナ後の最安値が982円を付けて、
2022年4月25日時点では1061円までもどっております。

過去最高値は
2006年10月25日に3573円を付けており、
2012年に一時過去最安値268円を付けておりますが、
ここ10年ぐらいは800円から1300円ぐらいのレンジで動いております。

現在の株価に対して、
配当利回りが3.77%なので比較的利回りが高く、
今後、増配も見込めるため、
チェック銘柄に入れております。

2.ヒューリックのバランスシート

バランスシートについて解説していきます。

1.資産規模

バランスシートの大きさは2兆2073億円となり、
これがヒューリックの資産の大きさとなります。

2.流動資産と流動負債

 流動負債が流動資産に比べるとかなり小さく、
 破綻のリスクが小さい財務諸表となっております。
 販売用の資産は流動資産にいれてありますが、
 流動負債が小さいということは、
 全体の規模的に、販売数が小さいこと理由に挙げられます。
 ニューリックはマンションを実需向けに販売しているわけではないので、
 その分、流動負債が小さいものと考えられます。

3.自己資本比率

 自己資本比率は28.9%となっており、
 30%前後であれば問題ないと考えられます。

不動産業の優良な企業は、
固定資産と固定負債がほぼ同等の数値で、
流動資産が流動負債を上回っている傾向があります。

こうやって見ると、
バランスシートは年単位でならべてみたいですね。

3.ヒューリックの損益計算書PL

損益計算書PLについて解説していきます。

まず、画像の図は、
2022年3月のだい92期の有価証券報告書により作成いたしました。

1.営業収益(売上高)は4,470億円

2.営業原価は2,916億円で原価率は65%

3.営業利益は1,145億円で営業利益率は25%

4.営業CFは2,927億円でFCFは695億円

上記のようになっております。

特筆すべきは、
営業利益率の高さ。
不動産業は土地や建物がある以上、
原価率が高めになる傾向があるため、
営業利益率が下がりがちですが、
ヒューリックは25%という高い営業利益率となっております。
これは、
ヒューリックが建物を販売するときに、
個人相手ではなく法人相手に売却しているので、
販管費を低く抑えていることが、
数字に表れています。

例えば、
個人相手にマンションを販売する場合、
テレビCMやwebサイトの立ち上げなど、
広告費にお金がかかります。
さらに、
数が多い分管理費もかかります。

ヒューリックは建物をまるごと一棟売却が多いので、
それほど販管費がかからずにすみます。

営業利益率が高くなると、
新たな仕込みをしたり株主還元がしやすいので、
企業として強く成長しやすくなります。

この部分に関しては、
今後も要チェック項目ですね。

4.ヒューリックの株価と指標

株価と主な指標について解説していきます。

有価証券報告書と株探のサイトから数値を引用しております。

1.株価

本日、2022年4月29日の株価 1,098円。
2006年10月に最高値3,573円を付けて以降、
リーマンショック時に下がり、
それ以降横ばいに推移しています。

ヒューリックも多分に漏れずリーマンショック前のプチバブルで
株価上昇していたようです。

2.PER

PER 11.1倍。
日経平均のPER(荷重)だと13.19倍なので、
少し安め。
コロナショックでの落ち込みはほとんどなく、
逆にコロナバブルに乗っかる形で、
売上を伸ばしております。

3.PER

PBR 1.31倍。
PBRが1を上回っているので、
割高ではありますが、
今後の成長の可能性も見て取れます。

4.配当利回り

配当利回りは3.64%で、
高配当株というには、
もうひと声ほしいところなので、
株の下落のタイミングを待っているのですが、
どちらかというと、
増配期待で今から購入しておこうか悩み中です。

5.EPS

EPSは98.6 です。
時系列でみないとなんとも言えずという感じ。
今後、資料を作れればなと思います。

6.資産回転率

総資産回転率は0.21となっており、
不動産業界では中の下ぐらいでしょうか。

7.売上高

最後に、
売上高のグラフを掲載しております。
2012年に連結子会社であるヒューリック福岡および
エヌケー・インベストメント合同会社、
昭栄と合弁をしており、
一気に売上高を9倍にしております。
そこから右肩上がりで、
2021年に過去最高を記録4000億を超えました。

2012年の合併以降、
約9年で売上を4倍に増やす驚異の成長をしております。

アベノミクス以降、
2022年、2023年のリセッションが来ると言われている中、
売上を伸ばしていけるのか、
注視していきます。

5.ヒューリックの分析補足

分析補足をしていきます。
※内容は有価証券報告書・IRBANKを引用しております。

今回、
高配当株ということで、
配当金について、
データをまとめてみました。

1.配当金推移
2.配当利回り推移
3.配当性向推移

についてまとめてみました。

前提として、
今後はどうなるかはわかりませんが、

全ての数値が、
2012年以降、右肩上がりで推移しております。

1.配当金推移

配当金推移について
2012年以降、一度も減配することなく、
増配を続けております。

2022年も増配予想がでております。

2.配当利回り推移

配当利回り推移について
株価は直近10年はほぼ横ばいなので、
増配しているなか、配当利回りは右肩上がりで、
推移しております。
先日の決算発表会以降、
株価が上昇方向に反応しておりました。

3.配当性向推移

配当性向推移について
配当性向は、40%に近づいており、
ヒューリックの目標値まで高くなってきているので、
今後の利益に対してどのように配当金が決まってくるか、
注視していきます。

6.ヒューリックの補足情報

補足情報について解説していきます。
※内容は決算説明資料を引用しております。

4月28日に第1四半期の決算説明会が行われ、
その決算説明会資料がUPされていたので、
プラスアルファで解説していきます。

1.EPSの推移
2.リースバック
3.都心・教育・再生可能エネルギー

について取り上げてみます。

他にも興味のある方は、
ヒューリックのIR情報をみてみてくださいね。

1.EPSの推移

まず、
EPSの推移についてですが、
前々回の投稿では、
単年のEPSしか載せてませんでしたが、
6年前からのEPS推移の情報が掲載されておりました。
EPSが順調に右肩上がりなのは、
企業が順調に成長していることが見てとれます。
『オニールの成長株発掘法』の中では、
最も重要な指標はEPSとしています。

純利益が毎年上昇していけば、
会社自体も成長し、
株価も上昇していくという考えのもと、
投資する方法です。

よって、
成長株としても有望ということになります。

2.リースバック

次に、リースバックについて解説します。
電通本社の購入の時に少しだけ触れましたが、
リースバックとは、
例えば電通本社ビルの場合、
電通本社ビルを購入するが、
もともと使っていた電通に賃貸として貸し出すという方法となります。

これは、
電通側から見た場合、
今後毎月の賃料は発生するものの、
ビルを売却の売り上げがたち、
B/Sは縮小するものの内容が改善されます。
また、そのまま居座るため、
引っ越しをしなくても良いので、
とても良い取引になったと思います。

ヒューリックから見た場合は、
購入後、客付けする必要がほとんどなく、
電通がそのまま借りてくれるので、
資産が増え、売り上げも増えるので、
ヒューリック側としても良い取引になったと思います。

ヒューリックは、
このリースバックを用いることで、
賃貸付けせずに資産規模を拡大していくことができます。

3.都心・教育・再生可能エネルギー

最後に、事業の特徴として、
都心・教育・再生可能エネルギーを掲げています。

1つ目は、
所有物件は必ず都心ということ。
都心は今後も人口増加が見込めることで、
賃料の下落が抑えられます。
よって売却時にも資産下落をせずに売却することができるので、
都心の物件のみを扱っているようです。

2つ目は子供教育事業を行っていること。
子会社のリソー教育グループとコナミスポーツクラブとの業務提携をして、
子供教育に特化した「こどもデパート」に着手したとのこと。
教育が一番の投資ということもありますので、
社会の貢献にも一役買いそうです。

3つ目は、
再生可能エネルギーについて、
太陽光発電設備や小水力発電などにも投資しております。
また、2021年10月には銀座に木造12階建てビルが竣工し、
木造でのビル建設による環境配慮もしております。

7.まとめ

ヒューリックの企業分析をしてきましたが、
アベノミクス以降の企業の資産規模の安定的な上昇が見込めたと思います。

高配当株ということもあり、
資産から得たインカムゲインで配当金を出していく企業なので、
資産が多くなれば増配をしてくれる形となります。

ヒューリックが所有している資産は、
東京の中でも本当の都心なので、
何かがない限り、値崩れすることもないと考えられます。

大災害や戦争がない限り、
問題なさそうです。

また、今後の方針として、
観光や教育、再エネにも力をいれており、
時流に乗った経営方針を打ち出していることがわかります。

例えば、
教育の方ではコナミスポーツと提携をして、
こどもデパートを立ち上げております。
他社と協業することにより、
ハードをどのように使うか、
ソフト面での提案も含めて価値の創出をしている
ように
見受けられます。

昨日もnoteに書きましたが、
ビジネスするには人がいないと儲けることが出来ません。

そんな中で
人口が集中している東京の一等地に不動産を所有しているので、
安定的な経営ができるのではないでしょうか。

今後、
様々な不動産会社、建設会社、銀行など不動産業にまつわる企業を
分析していきたいと思います。

今後も不動産投資で役立つ知識を投稿していきますので、
少しでも参考になったかたは、
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