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ナレーションを極める48 ヘッドホンの返しは大事

ナレーターの熊崎友香です。
おかげさまで、大好きなナレーションの仕事が続いています。また、最近、ある現場で、技術さんとお話しする機会が増え、深いところのお話までするようになりました。

その方がおっしゃるには、同じ企画のシリーズでも、「熊崎さんの場合、収録時間が半分程度。とても早い」

ありがたいことです。早ければ良い、というものではございません。雰囲気、伝わっているか、演出に合っているか、華を添えられているか、色々あります。大先輩がたくさんいるのに、何を偉そうに、そんな声が聞こえてきそうで、恐れ多いのですが、今回お話しするブレスは、もっともっと基本中の基本のことです。

この企画は事前に映像と原稿が送られてきます。
尺は全部で五分程度。
onも入っているので、読む量は多くありません。

収録スタイルは、マイクテストをして、一度通してリハ、その後本番。

技術さんがおっしゃるには、マイクにブレスや、鼻のすする音が毎度入り、それを全部カットしなければならないナレーターさんもいる。つかえて撮り直しが多い。手間がかかって困る。

とのことでした。

何度も言いますが、早ければいいということではありません。が、余計な手間はかけさせない方が良いですよね。
ブレスの音が入っているかどうか、は、ヘッドホンを聴いていればわかります。

耳の穴に入れるタイプの小さなヘッドホンではなく、耳が隠れる、大きなヘッドホンをおすすめします。NHKにいたとき、小さなものを使っていましたが、ある尊敬するかたに、まずはヘッドホン。そこを変えないと話にならない、と言われました。

大きなヘッドホンにしてから、微妙な差や、息遣いなど、細かいところに気を配れるようになりました。

売れっ子ナレーターさんは、マイヘッドホンを持ち歩く方も多いです。

とちるのは仕方ないにしても、事前に映像と原稿が送られてきていれば、逆に、練習して、完璧に撮れるように準備をしてきてね、ということだと、理解しています。

このスタジオは、現在工事をしていて、急遽簡易的に作られたスタジオでの収録でした。

リハをすると、自分の声がヘッドホンを通して聞こえない、テレビ画面がマイクと重なって見えない、タイムコードが出ていない。という状態でした。

そこで、嫌味や傲慢にならない程度に、「マイクの返しは来ますか?タイムカードは出ますか?出なくてもできますが、あればよりありがたいです。」
と伝えたところ、数分で改善されました。

ヘッドホンの返しがあること
タイムコードがあること
映像が見やすいこと

これで、ナレーションのしやすさが全く変わります。

とくに、ヘッドホンの返しは大事です!編集で取らなければならないブレスが毎度入っていたら、手間は相当かかります。ブレスが入っている人と、入っていない人が同じくらいの読みならば、入ってない人に次からお仕事が来そうですよね。気をつければできること、大事です。

スタジオの環境を整えることは、ナレーションの完成度に影響し、番組のクオリティにかかわるので、遠慮せず、提案してみることをおすすめします。


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