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中国スピードとか深圳スピードという言葉に思うこと

中国には「中国スピード」や「深圳スピード」という言葉があります。

中国人の決定や、中国の環境の変化の速度が非常に速いことを指す言葉です。

特に、深圳の変化はすさまじく、中国国内でもその速さはしばしば話題になります。

しかし、この速度感を全ての人が好意的に受け入れているわけではありません。

速度感とその影響

深圳での生活は、常に新しいものに囲まれ、変化に富んでいます。

この環境は、一見魅力的に見えるかもしれませんが、多くの中国人はこの速いペースに疲れを感じています。

街を歩く人々は皆、早足で移動し、職場でもゆっくりと仕事に取り組むことは許されません。

このような状況では、毎日の生活が急かされているように感じる人も多いでしょう。

例えば、ある大企業に勤める友人は毎週出張し、中国中を飛び回っています。

彼は、休日には疲れ切ってしまい、休息するだけで精一杯だと言います。

充足感を感じる余裕はなく、ただ疲労を回復させるだけの時間が流れていきます。

仕方ないとよく呟きますが、どうにかしたいと思ってはいるようです。

日本と中国の比較

中国の職場環境と日本のを比較すると、違いが際立ちます。

日本では、何をするにも時間がかかりますが、その分ミスが少ないと評価されます。

一方で、中国では迅速な行動が求められるため、変化に対する対応速度が速くなります。

しかし、検討する時間が少ないがゆえに、トラブルも多く、さらにトラブルを解決する方法もその場しのぎの方法だったりして、別のトラブルを招くことがあります。

それで、中国人ビジネスマンは日本式のマネージメントのほうが安心感があると言う人もいます。

ただ工場の社長たちは、見積もりを出したのに日本企業は返答が遅いとイラつくこともあるようです。

速さの背後にあるもの

中国の速さの背後には、トップダウンの体質や強烈な競争社会があります。

政府や上司からの決定に迅速に従わなければ損失を被る可能性があり、そのため行動の速さが求められます。

また、競争が激しい社会では、生き残るために速度が求められます。加えて、競争に参加すればするほど勢いは増していきます。

特に深圳は、中国中から成功を夢見て人が集まる場所です。

このような環境では、競争が激しくなり、ますます速度が上がっていきます。

この慌ただしい環境をスリル満点だと楽しむ人もいれば、疲れを感じる人もいます。

またこの速度感に慣れない人々もいまして、私もその一人です。

速度感の主観性

私は中国的な速度感に慣れることができません。

しかし、日本の速度感も心地よいとは感じたことがありません。

自分がどんな環境にいても不自由を感じるタイプだと思いますが、中国にいる限り「外国人」というレッテルをまとうことで、周りとペースがズレていても批判されることはありません。

これは一種の自己防衛かもしれませんが、自分のペースを保つための方法です。

面白いことに、私自身はゆっくりしていると思っていますが、中国人の多くは私の仕事速度が速いと感じています。

つまり、速度感は主観的なものであり、人それぞれの感想は異なります。

この曖昧な感覚が、時にはストレスを引き起こし、時には優越感をもたらすのを見ると、人間の面白さを感じざるを得ません。

ちょっと上から目線ですが。

今日は、そんなことを考えていました。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
また明日~

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