日本人は無駄ばかりだと批判する中国人若者たちが5Sが日本由来だと知らなかった話
最近、お仕事で出会う若い中国人たち、日本に対してかなり偏った見方をお持ちのようです。
例えば、とある日系企業にお勤めのAさんは、日本人は無駄ばかりで効率が悪いと信じています。
Bくんも同じく、日本人は無駄な会議が好きで、物事を先延ばしにする傾向があるので良くないと主張します。
それで、わたしは中国人は効率を向上させるのが好きなのかと聞き返しました。
そもそもわたしは文型ギーク、自分がライフハッカーであることに気づいたのは高校生の頃です。それ以降、どうすれば効率を下げずにすむかばかり考えています。
つまり、わたしは正真正銘の効率厨なのです。そんなわたしに日本人は無駄ばかりと言われたことにちょっとモヤっときました。
そんなわたしのことはさておき、彼らは「先生、中国の本屋に行ったことないんですか?5Sとかに関する本を読んでください」と言います。中国人はみんな5Sが大好きですよと言います。
それで、5Sって何か知ってると彼らに聞きます。
すると、「整理・整頓・清掃・清潔・しつけ」だとすぐにすらすらと説明します。日本語学習者である彼らは日本語でも説明できました。
それで、ではどうして「整理・整頓・清掃・清潔・しつけ」が5Sと言われるか知っていますかと続けて質問します。
すると、彼らは知らないと言います。
なんと、彼らは5Sを日本由来の考え方であり、Sが整理・整頓・清掃・清潔の「せ」そして、しつけの「し」を示す子音であることも知りませんでした。
このままでは良くないと思い、トヨタが考え出したと言われる5Sについて説明するだけではなく、多くの日本企業が無駄を省き、効率を追求するために何を行ってきたのかを説明します。
彼らは5Sが日本企業の考えたシステムであることに驚いていましたが、わたしとしては彼らの日本人は無駄ばかりという主張の根拠のなさや不勉強に驚きました。
もし、彼らが本屋で5Sに関する本を購入し、しっかり読んでいたとすれば、5Sという概念がどのように誕生したかについて知っていたはずです。
さらに、5Sについて理解していれば、日本の無駄な会議などについて批判するにしても、別の言い方、例えば「5Sの考え方を生産管理だけではなくて、会議などの日常の業務にも落とし込むべきだ」などになったのではと思います。
彼らの異文化への理解の低さを目の当たりにして、中国人の言う日本、また他の国への感想などを真に受けてはいけないなと改めて思いました。
さらに、わたしの持つ中国観、また中国人観も同じく勉強不足、理解不足の可能性もあります。
以前に、何度か note で書いているとおりですが、わたしが思う中国人像とは、わたしの身の回りにいる人々を見ることで作られたものです。
また、好きな言葉ではありませんが、解像度はさほど高くない気もします。
でも、中国で暮らす外国人、しかも日本語を通して日本文化を教える仕事をしていますので、解像度はキレッキレでないにしても、日本から見る中国よりは鮮明な像を結んでいるのではと思います。
それで、これからも違いを見つけては深く考えて、理解しようとする努力は続けたいなと思っています。
それにしても、5SのSが日本語だと知らなかった諸君、ではSは何を指すと思っていたのだろう。
今度、聞いてみます。
今日も最後まで読んでくださりありがとうございます。
また明日!
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