見出し画像

高圧的なスタイルをとる教師にコーチングしてて思ったこと

教育関連の仕事をしているので、コーチングも行います。相手は学生ではなくて教員であることが多いです。

さて、先日とある中国人教師の授業に参加しました。これからが期待されているアラサー男性で、経験は4年くらい。今回の課題はマンツーマンの授業の品質向上というザックリとしたものです。

授業全体の印象は、とにかく厳しい。

学生が応えられないような質問を繰り返し、返答がないと詰めていくスタイルです。学生の表情はどんどん曇っていき、最後には用事があるので、30分で終了したいと言われてしまいました。

授業が終了した後、一緒に授業内容について話し合いました。

どうしてその教師は高圧的な態度をとったのか?

わたしには分からないことがありました。

それは初級レベルの授業を行っているのに、どうして難易度の高い質問を行うのかというポイントです。テキストを読み込んで、しっかり考えても絶対に答えることが出来ないような質問を彼は繰り返していました。

ヒントもなく、情報もない中で、そんな質問をする様子は、パワハラもしくはマウントを取ろうとしているように思えました。

それで、そのことを聞いてみると、彼は「いつも真面目に授業に取り組まないので、厳しくしたほうがよいと別の先輩に指摘された」と言います。

それで「真面目に取り組まない学生に、過度に厳しく接するとますます嫌気がさしてくるのでは?」と質問しました。

彼は「そうかもしれませんね」と言いました。

誰を喜ばすか問題

この教師、過度に厳しくした理由として、先輩のアドバイスを実行したと言いましたが、実際には「自分を喜ばしたい」という欲望に負けたのでしょう。

態度の悪い学生に高圧的な態度で接し、無理難題を押しつける。そして自分の教師という立場を使い、学生を懲らしめてやろうとしたのです。

学生が態度を改めるにしても、改めないにしても、自分の側はスッキリするでしょう。しかし学生の側はどうでしょう。自分だったらパワハラ自己中教師に教えてもらいたいとは思いません。

この学生が60分の授業を半分で切り上げたいと思ったのも無理はありません。

相手を凹ませて、スッキリすることを喜ぶ風潮

嫌な奴を完膚なきまでに打ちのめす様子を見て、喜ぶ人たちがいます。学者など権威を持つ人を論破する様子や、威張っている人や道徳的な振る舞いに欠ける人をコテンパンにやっつけるなどのコンテンツが増えているように思います。

でも、その方法って一時的に論破した側の気持ちが晴れるだけで、問題の解決にはなりません。むしろ恨みを買ったりする場合もあります。

また、教師と学生という立場の場合、学生は学習意欲を失い、教師は自分の仕事のクオリティを下げることになりかねません。学生が教師を論破するのも同じです。教師はその後、良い教育を提供するのが難しくなります。

そんなわけで、目的を見失わないようにするのは大事です。教えるという仕事を行う人に限らず、自分がスッキリすることに重点を置くならトラブルを抱え込むことになります。

わたしもコーチングを行う立場なので、このコーチングが誰得なのかを考えて行動しないといけないなと思っております。

つまり自分がしようとしていることの目的はなにか?そして本当にその目的に向かうのに必要な事を行っているのかを確認しないといけないなと思いました。

今日も最後まで読んでくれてありがとう。また明日。

ぜひぜひ、サポートをお願いします。現在日本円での収入がなく、いただいたものは日本語教材や資料の購入にあてます。本当にありがとうございます。