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仕事が見つからない中国人大学生が状況を受け入れているってお話

大学を卒業する中国人が就職できない状況がしばらく続いています。

就職先がないんじゃありません。大学4年間という時間と投資した教育費、そして今までつぎ込んできた努力に見合う就職先がありません。

先日、欧米に留学した中国人が中国へ帰国した後、月給15万円から20万程度の仕事しか見つけられなかったというTweetを読みました。留学費用が年間3000万円であったことを考えると1年の留学費用をペイするのに12年以上かかる計算。

これですと割に合わないなと感じる気持ちもわかります。

中国の学費は高くないとはいえ、4年間を教育に使ったわけですし、さらに大学へ進学するために塾に通ったり、家庭教師をつけたりしたでしょうから、月15万円では、満足できないでしょう。

もちろん、これは日本でだって同じです。奨学金を借りて就職したら返済が始まる学生たち。収入が低かった場合、こんなはずではなかったと思うでしょう。

さて、好待遇の仕事が見つからない理由は不景気だからというのもありますが、それ以上にコロナが大きな影響を与えています。

数人の経営者は、今年は新卒は採らないといいます。その理由が「大学でしっかり勉強していないから」だそうです。

オンライン授業ばかりで、しっかり学ぶという習慣もできてない。加えて大学で学んだと言っても通常の授業ではなかったので、十分な知識や経験を身につけられたか疑問だといいます。

特に今年は大学生も大学院生も採用するつもりはないと言います。

オンライン授業だったり、十分な経験を積むことができなかったのは学生の落ち度ではありません。そして就職状況が厳しいのが、コロナ、そしてゼロコロナのせいとなると学生たちのストレスはものすごいのではと思います。

そう思って、まもなく大学を卒業する知人に状況を聞いてみました。すると、意外にも「気にしてない」と言います。

理由が「仕方がない」からだそうです。

ちょっと驚いてしまいました。今までつぎ込んだ努力や費用が無駄になるかもしれないのに「仕方がない」で片付けられるのかと。でも、彼女のすがすがしい表情をみて、もしかするとこれは強みかもしれないとも思えました。

順調なときはよかった。対処できないような問題は「仕方がない」こんな風に対応できる人ってストレス少なめだろうなと。

でも、この「仕方がない」マインドが「諦め」であるとしたら、それは不幸なことだと。本当は力があるのに、改善したり行動したりしようとしないのを受け入れてしまってるのは残念です。

そして、もしかして「仕方がない」と思わされているとしたら、それとっても不幸なことだなって思います。

ここまで書いてきて思い出したのが「サーカスの象」のお話です。

象は、子象の時に鎖につなぎ逃げられないことを印象づけると、成長しても逃げようとしなくなるそうです。成長した象は鎖を固定していなくても逃げようともしない。すでに鎖を引きちぎる力すら持っているというのに。無力感を学習させられてしまってるのです。

そんな風にしつけられてしまっているとしたら、どんなに不幸かなって思います。今日も最後まで読んでくださりありがとうございます。また明日。

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