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コンプ欲をかき立てる日本?インバウンドに思うこと②

①からの続き

②連泊型
過去に何度か日本に来たことがある、あるいは今後もリピートする予定があるツーリストは、1箇所に連泊してその拠点から行ける場所を面で網羅するようだ。

星野リゾートの星野代表は「移動が多い旅行は環境負荷が高いので連泊型スタイルを提案をしている」と話されていたけれど、SDGs的観点から見ても、点つなぎ型より連泊型の方が好ましいのと言えるかもしれない。

それにしても、1か月とか余裕で日本に滞在するRedditユーザーのツーリストさん方。ホリデーシーズンでもないし、学生でもリタイア組でもなさそうなんだけど、会社員でもそんなに休みがとれるんだろうか。

台湾や韓国など近隣諸国からのツーリストは、点つなぎ型の場合は効率重視で団体バス旅行、個人旅行は頻繁に来日するので1回あたりの旅行での行先は多くない連泊型イメージ。

③セレブ旅、一点集中型
全く想像もできないけれど、堀江さんのチャンネルやブログの情報を見ていると、セレブはNOMA KYOTO(デンマークの有名レストランの期間限定店舗)で食事をするために日本に来たり、北海道のニセコの土地がバブルで銀座並の価格になっているんだそう。
点をつなぐどころか、完全に一点だけに全集中な感じだ。

④爆買い型
中国人の来日旅行には何度か同行したことがあるけれど、これまでの中国人ツーリストは意外と観光には興味が薄いというか「万里の長城、黄山、西安、ぶっちゃけ中国の名所の方がすごい」と内心で思っている気がする。

初来日なのに銀座でブランドショップ巡りをしたいからと富士山ツアーをキャンセルした人もいたし、友人を有名観光地にあれこれ案内しても興味がなさそうだったのにドラッグストア巡りは飽きずに何日も続けていた。
買い物は一点集中型で、基本的に特定のブランド、特定の商品しか買わない。

どちらかというと連泊型だったけれど、これまでは日本での観光に興味がなかったのはおそらく以前は前情報が少なかったのとSNSがなかったからで、これからのスマホネイティブ世代は他の国からのツーリストと同様に、映えスポット巡りの点つなぎ方式に移行していきそう。


旅のスタイルは全然違っても、いずれも旅の目的に一点集中という意味では共通している。
最近よく言われているけれど、企業でも観光地でも人でも、これからは個を極めて遠方から人がはるばる訪れてくれる点の一つにならないとビジネス的に厳しいと言えそう。

以前なら名所の入口でお団子屋を見かけたら、観光地価格のおいしいかどうかもわからない団子でも買ったかもしれないけれど、今だったらスマホで調べて、5分先に安くておいしいという評価のお団子屋があったらそっちに行っちゃうよなぁ。


それからスタンプラリー方式はオーバーツーリズムや環境負荷云々デメリットもあるのかもしれないけど、日本人自身が昔から大好きな旅スタイルなのでは。
お遍路さん、東海道五十三次、奥の細道、最近ならポケモンGOや御朱印集め。何でもコンプしたくなる。

団体ツアーやタクシーで回れば効率がいいルートでも、なぜかJRパスと徒歩とレンタサイクルにこだわる海外ツーリストが多いのは、節約の意味もあるだろうけれど、日本旅行は自力で攻略したくなる欲求をかき立てるという側面もあるのかもしれない。

インバウントで経済を活性化させようと、地方の自治体が海外で誘致活動をしたり英語のHPを作ったりしているけれど、縦割りで別々に点を打つのではなく、日本全体で点つなぎをしたら?同じテーマをもつ離れた地域同士で協力してパッケージ化するのはどうだろう?

例えば「日本酒巡礼の旅」。恐らく日本酒好きなら兵庫に行った足でまっすぐ新潟に向かうのも全然苦にしないはず。春に酒米を植え仕込む体験、秋に再訪して稲刈りと新酒を味う体験ができたら。蔵元を5か所巡ってQRコードでポイントを貯めたら、帰りの空港ラウンジで特別なお酒を一本プレゼントしてもらえるとか最高。
「桜」なら、全国の桜の名所の標準木のライブビューを1つのHPで見れるとか。

点つなぎが大好きな日本人にはアイディアは無限に湧いてきそうだし、旅行の時期や目的を分散できればオーバーツーリズム防止にもなるのでは。

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