批評会用

批評初心者の感想①(石川葉『未草独白』評)

第1回透明批評会7月度 石川葉さんの『未草独白』評をすることになりました。一応小説を書くものとして他の人の小説を批評することは、今後の作品作りに大いに生かせると思って参加しました。とはいえ、小説の批評初心者なので、ほとんど感想の様なものかもしれませんが、書いていきたいと思います。

こちらが今回の作品です。

批評と言う事なので、何度も繰り返し読みながら感じた事、もし同じような作品を私が書くならこんな感じ?という視点で書いています。(批評と言うより感想です)

この作品は、ファンタジーの様な世界感ですが、スイレンが読者に語りかけるような方法で進行されています。先ずスイレンを選ばれたのが「なるほど」と思いました。擬人化した存在から物語を続けるときに、動物だと「恐怖」が先行し過ぎてしまいそうで多分逃げてしまうでしょう。でも植物という全く反応しないとわかるのなら、一応話を聞いてみようという気が起きる気がするからです。変化に長時間かかるので、見た目動いていないように見える植物を観察していたら、動物よりも「動き」を感じることがあるのですが、そういう存在が実は意志をもって言葉(テレパシー?)を発しているのはあり得そうな気がしないわけでもないです。その植物でも水に浮かぶスイレンからの声、威圧的な大木や踏みつけてしまいそうなか弱い草花よりも、程よい大きさで美しい姿を見せ、また水辺故の距離感。もし実際に優しく話しかけられたら、思わずその話を耳を澄ませて聞いてみたい気がするからです。

途中で、東日本大震災の津波の記述と思われる場面があり、一瞬リアリティで、あまり思い出したくもないような内容も登場しますが、それもこのファンタジーの様な世界が見事にオブラートに包んでいるようになっていて、嫌な気持ちをほとんdの持つことなく、最後は「婚礼」と言うちょっと明るめ内容で締めくくって、この日の話は終わるという流れは、非常に良かったです。これならば、また次の日の夜もこのスイレンの話を聞きたいと思うでしょう。

ただ、一つだけ気になったのは、冒頭の部分に「引用」がありました。スイレン(未草)の事を正確に伝えるために用意されているのはわかるのですが、個人的にはせっかくの導入部分で、いきなり現実的に戻されるような気がしました。せっかくスイレンが語る「その世界」に入ろうとしていていたのに、いきなり「現実」に引き戻されるような気がしたことです。

そこでもし、この部分を「私が書くとしたらどうするか?」と考えてみました。

このスイレン自体に、ファンタジー的な語調を続けながら「自己紹介」させた方が、辞書の引用よりも、読んでいる方が「引き込みやすい」気がしました。(あまり正確でなくてもイメージだけでもよいのかなと)

もしくは、この作品は「一番」「二番」と分けているので、別途「序」を設けて、一番の前の「序」の部分に最初の語りかけと、スイレン(未草)について正確な引用説明を入れ、その次から作品の話の本題が始まれば、もっとスムーズに先に読み進められるのかなと思いました。

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以上です。何分批評自体初めてで、他の人が出されている批評を参考にしながらの感想になりましたので、「こんなので良いのかどうかも」わかっていません。でも、透明批評会はあと数回ありますので、少しずつではありますが、感想状況からもう少し小説の批評らしくなれるように、ここでも訓練していきたいと思います。

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