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「#旅のようなお出かけ」企画に参加してくれた、kohji 南ラオス自然農園 さんの「満 ち る 男」を読んだ感想。

 私はやっぱり原点が東南アジアになってしまうので、そこに住んでいる人には非常にあこがれがあります。日本にはない独特の喧騒と熱気あふれる雰囲気が大好きで、「ずっとそこにいる」というだけでうらやましいです。
 第22弾でもある、kohji 南ラオス自然農園さんの「満 ち る 男」は、そんな現地に在住している方からの作品。私からすれば滞在している場所そのものが旅先という気がしますが、この作品ではそんな自然あふれた農場からの小さな旅がスタートします。



1.大自然に住むということ

 舞台は東南アジアのラオスの大自然に囲まれた農場。海のない内陸の国で、周辺の国と比べてのどかなイメージがあります。最初はそんなラオス南部で普段の生活について主人公(作者ご自身?)が語ります。その言葉を聞くだけで、東南アジア最後の桃源郷といわれたラオスの空気を感じるから不思議なもの。
 特に現地の鶏は、野放しになって元気よく飼われていますね。何度も旅先で見たことがあります。それも朝から本当に力強く鳴くので最初は驚きました。ちょっと地方の宿泊施設で泊まると、よくその鳴き声で、早朝に起こされることが多かったです。(これは日本だとクレームになるのかな)

 しかし主人公はこの自然の地にいるだけではなく、ときには文明のある地。それは日本でもあり、またどこかの国にある都会に旅に出ることがありました。そうすることで、最低限の文明を享受しながら、また自然に戻って生活に戻る。そういうな生き方を続けていたのです。

2.まさかの遮断で焦れたとき

 ところが、そのような文明とのアクセスが遮断されました。言うまでもなくあの567です。
 国境も町も閉ざされ、ただその場にいるしかありません。それでも先を考えないように日々の生活を送ります。自然は何も変わりません。最初は非常に警戒していましたが、徐々にその状態から改善。しかし道は閉ざされたまま。主人公は焦れるしかありません。

気軽にアクセスできたあの日がなんとありがたいことかを実感した。
当たり前がいかに貴重なことだったか!

 全人類が考えているような、このキーワードがすべてを物語ります。

3.国内のお出かけの開始

 そしてバイクでバス停に向かいます。ローカルなバスはちょうど来ていました。おそらくは来る時間を知っていて合わせたのでしょう。
 バス乗り場からは2時間のバスによるお出かけが始まりました。バスの様子も細かく記載されており、日本ではありえないようなアジアのオンボロバスの様子がわかります。
 ひさしぶりのお出かけが理由だからでしょうか?この日は音楽を聴きながらのバスの旅。都会に到着して最初に入ったカフェで感じる文明です。
 日本でカフェといえば、仕事の昼休み帰り際休日にサクッと立ち寄るものですが、大自然から久しぶりにくればそんなカフェも文明そのもの。でもおそらくですが、このカフェは日本のカフェより簡素化していると思います。

 そのあとレストランでワインを飲みホテルでの就寝。旅はこれで終わったかと思いきや。

4.メコンと飲むコーヒーそしてクメールの残影

 旅はまだ終わらず、もう少し続けることにしました。南下して宿泊したメコン川の近くにある小さな宿。そこで川を見ながら飲むコーヒーは格別の味です。他に何もする必要がありません。でも主人公は飽きやすく、せっかくとばかりにこの近くにある遺跡に足を向けました。
 クメール文明が残した遺跡。これは私の予想ですが、パクセーの町の南にあるワットプーのことでしょうか?(そこは行ったことがあるので)

 行くだけなら楽しい観光ですが、今はネットの時代。そう大自然にいるといってもスマホを持ち、そしてネットは楽しんでいます。だからこの映像を多くの人に知ってもらおうと撮影しながらシェアしました。
  そして、返ってくる世界中の人からの反応。大自然を体験しつつ、きっちり文明を享受する主人公は、これにて、お出かけを終えることにしたのでした。

5.もし私がこの小説書いたら?

 そうですね。これはひとつは、泊った都市や遺跡の正体を明かすかもしれません。私の予想であれば、パクセーで泊まり、ワットプーに行った。そして、そのことに関するもう少し詳しめの蘊蓄を入れるかも。さらに、メコン川まで登場していますから、例えばワットプーの一番高いところに立ち風景を見ながら
「この遺跡からかつてはアンコールにつながっていたという。今は国が違うから簡単に行けなくなった。でもあのメコンは、チベットを源流にインドシナ半島の複数の国をなんの障害も無くゆったりと流れている。ラオスからはカンボジア、そしてベトナムを越えて南シナ海に流れる大河だ。あの先では今も悠々と流れているんだろうなぁ。それにしてもこの素晴らしい風景は、僕だけのものにしておくのは、あまりにももったいない」
と、つぶやいてからシェアするとか、そんなことを付け加えそうです。

まとめ

 東南アジアがテーマになる物語の場合は、読んでいるだけで特に実際に行ったときの情景が浮かびます。特に今回は近くを通った可能性があって(サワンナケートからパクセーへのバス移動)。遺跡とかパクセーの宿?とかは、私自身が実際に行ったことがありますから、より臨場感が湧きました。
 いつかまた行ってみたい。でも今は行けないからこうやって物語で疑似体験できる。そんなことを考えさせてくれた作品でした。


おまけ:いつもありがとうございます。今週はクラッカーも多く登場しました。

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まだ間に合います。10月10日まで募集しています。
あと5日と少し。よろしくお願いします。

第一弾が販売されました。

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