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「#旅のようなお出かけ」企画に参加してくれた、日本観光わっしょい!マガジン さんの「ぼくだけの世界地図の作り方」を読んだ感想。

 2か月にわたって続いたロングラン企画。この  #旅のようなお出かけ  も、この作品が最後となりました。毎日書いている短編小説と並行しての感想記事の執筆でしたから期間中は少し大変でしたが、いよいよ終わりですね。

 さて、最後は第三十四弾。こちらの作品の感想となります。

 私にとって名前にも入るほど重視している「東南アジア」にあるタイ。こちらを舞台とした記事が締めくくってくれます。そして内容は在住者でないとわからない、ノンフィクションのエピソード。


1.11歳のNanonは洋服屋さんを経営

 舞台はバンコクにあるとある市場にある洋服屋。ここにはNanon(ナノン)11歳の経営者がいます。11歳で店を任されるなど日本では考えられませんが、そこは国が違うので、その国のやり方ですね。
 市場で販売しているのは洋服で「サーファー柄のシャツ」「音符柄のパンツ」「ガパオソックス」など。観光出来たらお土産になりそうなものばかりです。

 ちなみに後ろに解説があるのでそれを並行して読むと、離婚したお父さんが一店舗をやっていた。そして店を受け継いだとのこと。国の内部事情が見えてきます。


2.この市場の外を旅したことがないんだ

 タイは富裕層と貧困層があって、Nanonは間違いなく後者なのでしょう。だから服を置いている店と家との往復。極論を言えば市場から出たことがないという。そういうのを見ると日本人は、その気になれば海外旅行もできるので恵まれているのかなと思いますね。
 そう考えると「旅のようなお出かけ」とは全く逆のエピソード。見ているほうがその立場というのは何とも言えません。ちなみに6歳から店をやっているというのはある意味すごい話です。


3.かわいそうに見えるけど本当は違うんだ

 と、ここまで書くと「かわいそう」というキーワードが真っ先に思いつきます。ところが、当人は必ずしもそう思っていない節があるようで、この辺りも実際の事情を知らないと難しいところ。自由はないかもしれない。でも、想像という世界では旅をしている。

お母さんから教えてもらったんだ、
「想像力は無限大。想像することは、誰にでも出来る。
そして、想像したことは、いつか現実になる」

 そして彼は「Nanon地図」を作りたいといいます。どんな地図ができるか?それはこの店に来た観光客からの伝聞によるもの。白紙の地図を埋めに来てくれる人を待っている。タイの思い出を交換したっていいじゃないか。バンコクの王宮はどうだった、曙の寺は、チャイナタウンは等々。
 いまは567で行けませんが、行けるようになったらぜひ会って情報を伝えてというところでしょうか。

4.日本にも行きたいんだ。遠い世界のお出かけとして

 日本人とのやり取りの中でできたエピソード。関心は日本にも向けられます。日本は遠いがタイにとっては友達だと母親から来たのだそう。そのお母さんはバンコクにある工場で働いているという。母親が作成にかかわった服を子供が販売するということですね。
 実年齢は子供でも、もう5年も店を経営しているというのだから実は商売のプロ。だから会計のことも詳しい。携帯がなくても口がある。だから教えてもらったり、自分の脳みそをひねり出したりして知恵を使う。これでは日本の子供がたち落ちできないのではとさえ思います。

 そして彼は日本を想像したたった一秒で旅できる日本旅行。それがリアルな現実でなくても良い。想像でもできる旅のようなお出かけ。創造力を極めれば、小説が書けるかもしれませんね。


5.もし私がこの小説書いたら?

 そうですね。これは二つのパターンを考えてみました。

(1)Nanonの告白のようなストーリーになっていますが、それをインタビュー形式にする

後ろの解説部分を上に持ってきてみるとか。

市場で買い物をしているときに、「Hey, Cool men!!(へい!イケメン!)」と声をかけられて、つい立ち止まった(笑)のが出会いでした。

 これは後ろの解説の一部分を引用しましたが例えばこれを冒頭に挿入する。
 僕は市場で買い物をしていたら突然「Hey, Cool men!!(へい!イケメン!)」との声がした。振り向くと小学生くらいの子供が店番をしているではないか?
みたいにして入れてみる。(会計はお金というより組織の血液管理)とかも本文に入れると、それらしい物語のようになる気がしました。

(2)思い切って彼が旅をする空想絵巻
 最後までのやり取りの後、あれから〇年後として、実際にNanonが旅をしている。それは日本の東京や京都でもいいですし、でも海外だとパスポートやらビザの問題でややこしいからタイの他の町でもいいですし、バンコクの観光地に行くのでもいい。そういうシーンを疑似的に作る。その横にいて「彼の夢をかなえられた」とにこやかについていき、観光名所を案内するみたいな空想シーンを加えてみても楽しい気がしました。

まとめ

 ということで最後は、タイのバンコクから創造力を働かせたお出かけでした。観光客では見えないようなタイの裏の話が聞けたようで、新鮮であり複雑でもあるエピソード。少なくともその洋服を見て面白いと思ってお土産にできれば彼も潤うし旅人も良き思い出になるだろう。誰が主体でもいい、少なくとも一期一会の旅の一コマを飾る重要な記憶であることは間違いない。そんなことを感じさせてくれた作品でした。

 さてあとは、最終的な「大まとめ」にてこの企画をクローズしたいと思います。最後までご覧いただけたら幸いです。


募集は終わりましたが、企画参加してくださった方の作品を集めています。よろしければご覧ください。


第二弾が販売されました。

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